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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01メロス、町にでかける
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ずっとむかし、ギリシャの国の小さな村に、メロスという若者(わかもの)がいました。メロスは16才(さい)の妹(いもうと)と二人きりで、羊(ひつじ)をかってくらしていました。その妹がちかぢか結婚(けっこん)するので、ある日メロスは花嫁(はなよめ)いしょうやごちそうを買(か)いに、シラクスという町にやってきました。

scene 02あきれた王様
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市場(いちば)で買(か)いものをすませたメロスは、大どおりを歩(ある)いていました。でも町はひっそりとしていて、なにかへんです。お年よりに聞(き)くと、王様(おうさま)がまわりの人をしんじなくなって、家族(かぞく)や家来(けらい)をつぎつぎところしているといいます。それを聞いてメロスはおこります。「あきれた王様だ。このままにしておけない!」と、お城(しろ)に入っていきましたが、兵士(へいし)につかまって、王様の前につれていかれました。

scene 03王様とのやくそく
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「この町をわるい王様(おうさま)からすくうために来た。人の心をうたがうのはいちばんわるいことだ」と言うメロスに王様は、「人の心などあてになるものか。おまえも、はりつけになってからあやまっても知(し)らないぞ」と言います。メロスは、「わたしには死(し)ぬかくごができている。ただ、妹(いもうと)に結婚式(けっこんしき)をあげさせるために三日だけまってほしい。三日のちにはかならずもどってくる」と、王様にたのみました。

scene 04親友(しんゆう)、セリヌンティウス
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「うそをつくな」と、王様(おうさま)はメロスの言葉をしんじません。「それなら、親友(しんゆう)のセリヌンティウスを人じちにおいていこう。三日目の日ぐれまでに帰ってこなかったら、その友(とも)だちをころしてもいい」。王様はいじわるそうに言います。「ちょっとおくれてもどってくれば、お前の罪(つみ)はゆるしてやろう」。セリヌンティウスにメロスがわけを話(はな)すと、友はすぐにわかってくれました。

scene 05妹の結婚式(けっこんしき)
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村(むら)に帰(かえ)ったよく日、メロスは妹(いもうと)に結婚式(けっこんしき)をあげさせました。結婚式のとちゅうから雨がふりはじめましたが、人々は式をたのしみました。メロスは、ずっとここにいたいと思いますが、妹と花むこに「おめでとう。わたしはつかれたので先にねるよ」と言って、ぐっすりとねむりました。

scene 06走れ、メロス!
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三日目の明(あ)けがた、雨(あめ)の中をメロスはすぐに出ぱつしました。「わたしは身(み)がわりになっている友だちをたすけ、王様(おうさま)のまちがった考(かんが)えをうちやぶり、そして今夜(こんや)わたしはころされる。そのためにわたしは走(はし)るのだ」。となりの村(むら)についたころには、雨もやみ、日は高(たか)くのぼっていました。「ここまで来(く)ればもうだいじょうぶ」。

scene 07いのちがけの旅(たび)
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ところが、きのうからの大雨(おおあめ)で、川の水がきゅうにふえ、橋(はし)がおしながされていました。およいでわたるしかないと決心(けっしん)したメロスは、あら波(なみ)の中へとびこみました。メロスは、やっとのことでむこう岸(ぎし)にたどりつきました。

scene 08命(いのち)のほかにはなにもない
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先(さき)をいそぐメロスの目の前に、山賊(さんぞく)たちがあらわれました。「もち物ぜんぶおいていけ!」。「わたしには命(いのち)のほかにはなにもない」とメロスが言うと、山賊たちは「その命がほしいのだ」と、こんぼうをふり上げました。メロスは「気のどくだが正義(せいぎ)のためだ!」と三人をなぐりたおし、のこりの者(もの)がひるむすきに、山道(やまみち)を走(はし)っておりました。

scene 09もううごけない…
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メロスはくたくたで、がっくりとひざをつきました。もう一歩(いっぽ)もうごけません。でもこのままではやくそくの時間(じかん)におくれてしまいます。いっそこのまま村に帰(かえ)って、うらぎりものとして生きのびてやろうか、というわるい考(かんが)えもうかびます。「もう、どうにでもなれ」と、メロスはうとうととねむってしまいました。

scene 10走れ、走れ!メロス!
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ふと、水の音が聞こえて、メロスは目がさめました。水を一口のむと、ゆめからさめたような気がしました。「歩ける。行こう。まだ日ぐれには間がある。わたしをしんじてまっている友がいるのだ。それにこたえなければならない。走れ、メロス!」。メロスは走りました。

scene 11帰(かえ)って来たメロス
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はるかむこうにシラクスの町が見えてきました。太陽(たいよう)のさいごの光(ひかり)がきえようとしたとき、メロスはお城(しろ)へとびこみました。「まて!その人をころしてはならない。メロスは帰(かえ)ってきた!」。メロスはかすれた声(こえ)をでさけびながら、つりあげられていく友(とも)の足につかまります。「わたしだ、メロスだ。ころされるのはわたしだ!」。メロスに気づいたみんなは、どよめきの声をあげました。

scene 12二人の友情(ゆうじょう)
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セリヌンティウスのなわがほどかれました。なみだをうかべてメロスは言いました。「セリヌンティウス、わたしをなぐれ。わたしはとちゅうで、一度(いちど)わるいゆめを見た」。セリヌンティウスはうなずき、メロスのほおをなぐりました。それからやさしくほほえんで「メロス、わたしをなぐれ。わたしはこの三日間(かん)で、一度だけきみをうたがった。」。こんどはメロスが、友だちのほおをなぐりました。

scene 13よろこびの声(こえ)
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「ありがとう」。二人はそう言うと、しっかりだき合い、おいおいとなきました。人びとも「わあっ」と声(こえ)をあげて、二人をほめたたえます。王様(おうさま)は二人にちかづき、少しはずかしそうに言いました。「おまえらののぞみは、かなったぞ。おまえらはわしの心にかったのだ。おまえらのしんじ合う気もちは、けっしてうそではないことがよくわかった」。それを聞いて、みんなはまた大きな声をあげました。「王様ばんざーい!」。よろこびの声は、お城(しろ)の空(そら)にいつまでもひびいていました。

おはなしのくに
「走れメロス」 作:太宰治(語り:田山涼成)
王様の誤りを正すため、友の命を救うため、走れ、メロス!正義と友情の尊さを描く、太宰治の代表作。
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