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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01ぼくはシリアからにげて来た
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ぼくの名前はアイハム。11歳(さい)。シリアから来た。夢(ゆめ)はサッカーのスター選手(せんしゅ)。一年前、ぼくたち家族はシリアからにげだした。それから5か月、移動(いどう)ばっかりしてた。最初(さいしょ)に首都のダマスカスに出て、それからレバノンとドイツに行って、そのあとスイスに来た。シリアからにげたのは戦闘(せんとう)がつづいてたから。お父さんが、「シリアをはなれるしかない」って。ぼくはいやだった。友だちといっしょに村にのこっていたかった。

scene 02やっぱりシリアに帰りたいかな
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今日は家族みんなで力を合わせて新しいアパートにひっこすんだ。スイスに来てすぐのころは、おじさんの家に住んでた。シリアから持ってきた荷物は、そんなにない。ぼくはスーツケース一つだけだった。新しい部屋は気に入ってる。でも、ときどきシリアのことを思い出すんだ。やっぱり、帰りたいかな。また友だちと遊びたいし、自分の家でくらしたいって思う。シリアでは友だちといつもサッカーをしてた。戦争(せんそう)中だってサッカーをやらずにはいられない。サッカーができなかったら生きていけないよって、みんなで言いながらね。

scene 03スイスでできた友だち
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スイスに来たばかりのころは、友だちがいなかったから、つらかった。友だちがほしかった。学校へ行きたかった。学校へ行けばきっと友だちができるから。はじめて登校した日に、ぼくはミカと知り合った。声をかけてくれたんだ。今は友だちだよ。友だちができて本当によかったと思ってる。学校から一人で帰るなんていやだから。ミカが言うんだ。「はじめてアイハムを見たとき、お兄さんといっしょだった。アイハムは体が小さいから、ぼくはお兄さんのほうがぼくたちと同じクラスだと思ったんだ。そのあと、クラスメートはアイハムだったと知って、声をかけた」。

scene 04ぼくもサッカークラブに
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スイスに来てすぐのころは、言葉がぜんぜんわからなくてすごくこまった。でも先生がドイツ語を教えてくれたんだ。それでドイツ語を話せるようになった。「最初(さいしょ)のころ、ぼくたちはアイハムに身ぶり手ぶりで話さなきゃならなかった。でも、いっしょにサッカーをしたら、すぐになかよくなったよ」(ミカ)。友だちがサッカークラブに入ってて、ぼくもクラブに入りたかったから、その子にたのんで練習につれていってもらった。ぼくが「サッカーはとくいだ」って言ったら、みんなが「やってみせて」って。みんなほめてくれて、「クラブに入れるようにコーチに話す」って言ってくれた。

scene 05スイスに来られたのはおじさんのおかげ
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ぼくは毎週、おじさんに会いに行く。スイスに来られたのはおじさんのおかげだ。サッカー選手(せんしゅ)になれなかったら、おじさんみたいに仕立て屋さんになりたい。いつかおじさんといっしょにはたらくかも。「ぎゃくだ。こっち向き。そこはかならず正しい方向に回さないと。そうだ。ゆっくりとだぞ。そうそう」。おじさんがミシンの使い方を教えてくれる。

scene 06シリアではおおぜいの人が…
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シリアの今の映像(えいぞう)を見た。おおぜいの人が死んでいて、悲しい気持ちになる。こんなことをつづけていたら、そのうちシリアの人はみんな死んじゃう。シリアのおばあちゃんに電話した。向こうのおじさんやおばさんが元気にしているか聞いた。「みんな元気だ」っておばあちゃんは言ってた。家族が全員、スイスに来ることができたらいいと思う。みんながここにいれば、ぼくももう少し安心できる。こんなに心配したり、ハラハラしたりしなくてすむから。うん。

scene 07大事なサッカー大会
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今日はサッカーの大会だ。ぼくにとって、すごく大事な大会だ。こんなに大きな大会に出るのははじめてなんだ。ポジションは右のミッドフィルダー。今日は攻撃的(こうげきてき)にプレーしたい。多分、勝てると思う。「後半はもっとがんばろうな。ディフェンダーはよくやった。でももっとやれる。いいな?」ってコーチが言う。「はい!」。勝てば準(じゅん)決勝に行ける。負けたらここで敗退(はいたい)だ。後半が始まった。チームのみんなと、「ぜったいに優勝(ゆうしょう)するぞ!」って言ってたんだけど、だめだった。次はきっと優勝するよ。

scene 08誕生日のパーティ
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今日は1月1日。ぼくの誕生(たんじょう)日。12歳(さい)になった。友だちがおおぜい集まってくれた、誕生日のパーティ。ケーキを食べたり、プレゼントをもらったり、みんなで遊んだり。今日は楽しかった。友だちがぼくの誕生日パーティに来てくれたから。プレゼントを持ってきてくれた子もいる。シリアにいるおばあちゃんやほかの家族も、全員来られたらもっとよかったんだけど。

scene 09プロのサッカー選手がぼくの夢
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コーチが、ぼくには才能(さいのう)があるから、名門クラブチーム『グラスホッパーズ』の体験(たいけん)トレーニングに参加(さんか)したほうがいいって言ってくれたんだ。だからここにきた。少し緊張(きんちょう)してる。「これから一年間は、グラスホッパーズの一員となるために、実力を証明するチャンスだ」ってコーチが言った。一年で実力を証明(しょうめい)しなくちゃ。このクラブに入りたいから必死(ひっし)でがんばる。プロのサッカー選手(せんしゅ)が、ぼくの夢(ゆめ)だから。

scene 10友だちのおかげでスイスがすきになった
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2年前はスイスの生活が楽しくなかった。友だちがいないからサッカーもできないし、出かけることもできなかった。でも今は友だちがいて、いつだって会うことができる。「もしアイハムがいなくなったら、ぼくの生活はぜんぜんかわっちゃうと思う。だって今は、毎日かならず話をしてるから」(ミカ)。スイスの生活になれたのは、ミカのおかげだ。親友だよ。これからもスイスに住みたい。そう思う。だって、そうすれば、いつかスイスのパスポートをとれるんじゃないかな。そしたらもう、ぼくもスイス人だ。スイスはいいところだよ。

カラフル!~世界の子どもたち~
ぼくの新しいくらし(スイス)
ぼくはアイハム。2年前、戦争を逃れてシリアからスイスにやってきた。最初は大変だったけど、ドイツ語も覚えたし友達もできた。サッカー選手になるのが夢なんだ!