チャプターあらすじを読む
scene 01地球の声を聞こう
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大気や水にあふれるわたしたちの地球は、地震(じしん)や噴火(ふんか)が絶え間なく起こる、生きている星です。もし、川の水が氾濫(はんらん)したら? 川の仕組みを長年研究している、東京理科大学土木工学科教授の二瓶泰雄(にへい・やすお)先生といっしょに、その危険(きけん)性を学び、河川氾濫に備えましょう。

scene 02身近な災害「河川氾濫」
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2015年9月に起こった関東・東北豪雨(ごうう)。大雨にみまわれた鬼怒川(きぬがわ)ぞいでは、川の水があふれ、町へと流れ出しました。河川氾濫(はんらん)です。鬼怒川下流の茨城県常総(じょうそう)市では、堤防(ていぼう)がこわれ、市の3分の1が水につかりました。河川氾濫は身近な災害です。日本の年間降水(こうすい)量は世界平均のおよそ2倍。大量の雨は河川が氾濫する要因となります。さらに日本では、川のまわりの氾濫のおそれがある場所に日本全体の人口の半分、建物の4分の3が集中しています。住宅(じゅうたく)街を流れる小さな川でも大きな被害(ひがい)が出ることもあるのです。

scene 03堤防が河川の氾濫から町を守る
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二瓶先生と、千葉県野田(のだ)市立みずき小学校6年生のみんながやってきたのは、学校近くの川です。川のそばには堤防(ていぼう)がありました。堤防は、河川の氾濫(はんらん)から町を守るためのものです。「堤防は何でできているか、知ってる?」と先生がみんなにたずねました。「土」とみんな。そうですね。堤防の上の道はアスファルトで固められていたりします。先生はさらに、「堤防は丈夫(じょうぶ)だと思う?」とたずねました。「丈夫じゃないと意味がない」とみんなは答えます。「丈夫じゃないと町を守れなくなる」(女子)。

scene 04水が堤防をこえると…
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堤防(ていぼう)は本当に丈夫(じょうぶ)なのか、実験で確かめてみましょう。みんながやってきた二瓶先生の実験室にあったのは、高さ1mまで土をもり、上をアスファルトでおおった堤防の模型(もけい)。日本の堤防のほぼすべてが、土で作られているそうです。川側から水を増やしていき、水が堤防をこえたら住宅(じゅうたく)側がどうなるのか確かめてみます。水位がだんだん上がり、アスファルトの面まで到達(とうたつ)。しばらくして、住宅側に水が流れ始めました。すると…、「どんどんけずれていく!」(男子)。堤防の斜面(しゃめん)が徐々(じょじょ)にけずられ始めました。さらに…。

scene 05堤防の土がけずられていく
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「変なところがくぼんでる!」と男子。堤防(ていぼう)の上のアスファルトは強いので残っていますが、その下の土がけずれていたのです。水が堤防をこえて5分後には、さらにけずられていきました。そして…、堤防の土がくずれ始めます。10分後、堤防の斜面(しゃめん)がくずれ、水が滝(たき)のように流れ始めました。そして一時間後。「堤防が今、決壊(けっかい)しましたね」と二瓶先生。堤防はこわれてしまいました。実際の堤防も、川が氾濫(はんらん)し始めるとそれほど長くはもたないのだそうです。関東・東北豪雨(ごうう)のときの鬼怒川の堤防は、水が堤防をこえて2時間後に決壊しました。

scene 06堤防は決して万全ではない
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堤防(ていぼう)がこわれたあと、水の流れにも変化が見られました。流れが速くなっています。堤防がこわれると、川から町へ流れこむ水の勢いをおさえられなくなり、水の速度も速くなるのです。では、堤防はなぜこわれたのでしょうか。今回の実験の場合、川からあふれた水が堤防の上をこえたあと、その流れが斜面(しゃめん)をけずり、こわしてしまいました。一方、水が堤防の下にしみこみ、堤防をもろくしてこわしてしまうこともあります。日本の堤防は昔から土で作られていることが多く、そのため、こうしてこわれてしまう危険(きけん)もあるのです。

scene 07水の中を歩いて避難するのは大変
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河川が氾濫(はんらん)するとすぐに水がせまってきます。水の中を歩いて避難(ひなん)できるのか、実験してみました。流れる水の量が増えると、水中の荷物や段差(だんさ)などに気づくのはむずかしくなります。それを想定して、水の中には障害物(しょうがいぶつ)を置きます。一歩一歩、確かめながら水の中を歩いていきます。水にぬれると服も重くなります。「流れに乗ると前にたおれそう。逆だとうしろにたおれそう」(女子)。水の中を歩くのは大変です。しかし、常総市ではもっと大変でした。「ここの水の速度は秒速20cmくらい。鬼怒川の水害で決壊したところの水の速度は秒速4m」(二瓶先生)。

scene 08ハザードマップを活用しよう
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水が流れこんできてから避難(ひなん)するのはとてもむずかしい。早めの避難が大切。ではどうすれば早く避難できるのか。そのとき役立つのが『ハザードマップ』です。ハザードマップとは、避難場所や予想される被害(ひがい)の状況(じょうきょう)などがかかれた地図のこと。役場の窓口(まどぐち)やホームページなどで手に入れることができます。なかでもハザードマップの色分けに注目。川が氾濫(はんらん)したらその場所がどれくらい浸水(しんすい)するのかを色でしめしてあります。住宅(じゅうたく)街の小さな川の周辺でも、5m以上の水につかる危険(きけん)があるとかかれていました。

scene 09とにかく早めの避難を
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みずき小学校はどうかというと、予想される水位は『2~3m』でした。「3mがどれくらいかというと、校舎の一階がほぼ水没(すいぼつ)してしまうくらい」(二瓶先生)。『5m以上』だと二階まで水没してしまうほどです。河川が氾濫(はんらん)してから避難(ひなん)場所をさがしていては間に合いません。日ごろからハザードマップを見て、どこににげればいいか確認(かくにん)しておきましょう。ここで今日のBOSAIポイント。「堤防(ていぼう)はこわれることもあるので、早めに避難を心がけましょう。ハザードマップで、河川氾濫が起きたらどこに避難すればいいか、日ごろから考えておきましょう」(二瓶先生)。

学ぼうBOSAI
地球の声を聞こう 河川氾濫に備えよう
今回のテーマは河川の氾濫(はんらん)。氾濫の恐れがある場所に人口の約半分が集中している日本では、誰にとっても無関係とは言えない災害だ。その備え方について考える。