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豊作を招く ホウネンエビ

ミクロワールド 豊作を招くホウネンエビ オープニング

ミクロワールド 豊作を招くホウネンエビ オープニング

突然の大発生、そして…

田植えが終わった初夏の田んぼ。水の中に、群れになって泳いでいる小さなものがいました。ホウネンエビです。体長は、およそ2.5cm。たくさんのあしを上に向け、背泳ぎのようにして水面近くを泳ぎます。鳥の羽のような形のあしは、左右に11対。あしで水の流れを起こし、水面近くの植物プランクトンなどを集めて口へ運びます。ホウネンエビが見られるのは、5月の終わりごろからわずか1か月ほどのあいだだけ。突然大発生し、一斉に姿を消してしまうのです。一体どこから来て、どこへ行ってしまうのでしょうか。

土の中で眠っている卵

春、田起こしが終わると、田んぼに水を引き込みます。このあと2、3日すると、ホウネンエビが生まれます。実は、田んぼの土の中に、ホウネンエビの卵が眠っていたのです。およそ0.2mmの小さな卵です。卵は水をたっぷり吸収すると、ふ化を始めます。厚い殻が割れ、中から何か出てきました。透明な膜に包まれた、ホウネンエビの幼生です。

10日ほどで親と同じ姿に

幼生は長い翼のような触角を持ち、最初はこれを使って泳ぎます。幼生が成長するにつれてあしが伸び、およそ10日で、親と同じ姿で泳ぐようになります。ホウネンエビは、小さな卵からわずかなあいだに一斉に成長するため、突然わいて出てきたように見えるのです。

交尾、産卵、死

ホウネンエビのオスがメスを追いかけています。交尾です。交尾を終えたメスを見ると、おなかに突き出した袋の中に卵が入っています。ぶどうの房のようについていた卵は、成熟するにつれてバラバラに離れ、表面に凹凸ができてきます。産卵のときが近づいたのです。土に卵を産み付けたあと、ホウネンエビは一斉に死んで、姿を消してしまいます。

環境がよくなると活動を始める卵

秋。田んぼの土は、カラカラに乾いています。土の中で乾燥したホウネンエビの卵は、春になっても環境が十分によくならないと、このまま何年でも眠り続けます。そして、暖かく十分な水がある環境になると、また一斉に活動を始めます。昔から、ホウネンエビが大量発生した年は豊作になるといわれてきました。そこから、「豊年(ほうねん)エビ」という名前がつけられたのです。