あらすじ一覧

なぜアメリカには人が集まるのだろう?~北アメリカ州~

scene 01世界に大きな影響力を持つ国

国土面積、日本のおよそ25倍(世界3位)。人口、3億2000万人(世界3位)。GDPはおよそ18兆6000億ドル(世界1位)。広大な農地で作るとうもろこしや小麦は世界1位の生産量。ビジネス、エンターテインメント、テクノロジー…。世界に大きな影響力を持つ国、それがアメリカ。ニューヨークの「自由の女神」像は自由と平等の象徴です。さらにもう一つアメリカを象徴するのは、イエロータクシー。ドライバーたちの出身地は100か国以上といわれています。アメリカに住む人々の10人に1人が移民。毎年100万人近い移民が世界中から集まってきます。そこで今回の疑問、『なぜアメリカには人が集まるのだろう?』

scene 02広大な土地を開拓してきた移民たち

まず、「土地」の見方から考えていきましょう。アメリカはもともと、先住民であるネイティブ・アメリカンたちが暮らしていました。15世紀から始まる大航海時代以降、ヨーロッパの人々が移住を始めました。18世紀ごろまでは、イギリス、フランスなどヨーロッパ諸国からの移民が増え、アフリカからは奴隷としてたくさんの人々が連れてこられました。アメリカは未開拓の広大な土地を開拓し農地にするために、たくさんの労働力が必要だったのです。20世紀以降はメキシコ、中南米、中国、インドなど、世界中からさらに多くの人々が集まってきています。彼らは何を求めてアメリカにやってくるのでしょう。

scene 03「自由・平等」の理念

次は、「文化」の見方から考えてみましょう。街じゅうがお祝いムードに包まれる、アメリカ最大の祭典「独立記念日」。1776年7月4日、初代大統領となるジョージ・ワシントンが、アメリカの独立でこう宣言しました。『すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている』。アメリカには、「自由・平等」の権利のもとに、だれにでも夢をつかむチャンスがあるといわれています。たとえば…。「ブロードウェイに立ちたい。」(女性) 「ぼくの夢はいつかNASAで働くことです。いつかきっと実現してみせます。」(男性)

scene 04異なる文化の融合が生み出した新しい文化

アメリカは移民により、異なる文化と文化が互いにぶつかり、高め合い、ミュージカルやジャズなど新しい文化を生み出しました。それは、最先端テクノロジーでも見ることができます。指一本ですべての操作ができるスマートな携帯電話を生み出したのは、シリア人の移民の子どもだったスティーブ・ジョブズ。アメリカは移民を受け入れることで、新しい技術や価値を生み出し、成長を続けているともいえるのです。さらに…。

scene 05実力があれば夢をつかめる社会

北緯37度線に沿った「サンベルト」とよばれる地帯。航空技術、コンピューター、バイオテクノロジーなど、先端技術産業はここで発展しました。なかでもカリフォルニア州のシリコンバレーには、有名なIT企業が集まっています。ここで働くエンジニアのおよそ半分は外国生まれです。アメリカは、実力があれば社会的地位や高い収入を得ることができる実力社会。マイクロソフトやグーグルでは、外国出身のエンジニアが最高経営責任者を務めています。チャンスと成功を夢見て、今日も世界中から人々が集まってきています。しかし、「メキシコとの国境に壁を作る」という政策…。次の見方は、「競争社会」です。

scene 06不法移民という問題

アメリカでは、およそ1000万人もいるといわれる「不法移民」が問題となっています。陸続きのメキシコから不法に国境を越えて入国してくる人も多くいます。そのため、国境の柵を強固にしようというのがトランプ大統領の主張です。アメリカとメキシコでは賃金が10倍以上違います。人々は仕事を求めてアメリカにやってくるのです。アメリカは、「基本的人権は侵してはならない」という考えのもと、アメリカ人も移民も、そして不法移民であっても、すべての人に平等な社会をめざしてきました。しかし逆に考えれば、人が増え続けるということは、競争相手が増え続けるということです。

scene 07アメリカ人の権利を侵害している?

「不法移民は次々やってくる。アメリカにはたくさん失業者がいて仕事を奪われているというのに…。」(男性) 「娘は奨学金をもらえず、望んでいた看護学校に進学できなかった。なのになぜ不法移民は奨学金をもらえるの?」(女性) 不法移民はアメリカ人の権利を侵害しているのでしょうか。実は、農業や建設業など、不法移民がいないと成り立たない仕事も多いのです。また、仕事をした分、税金をアメリカに納め、義務を果たしている人も大勢います。

scene 08アメリカの象徴「自由の女神」

18年前、メキシコから不法入国したエラディオさん。「今はこのビルを建てているんだ。」 エラディオさんは、高層ビルの建設現場で働いています。「アメリカ人は俺たちが頑張ってきたことに気付かないかもしれない。でも、アメリカの屋台骨を支えてきていることに俺は誇りを持っている。」(エラディオさん) ニューヨークで40年タクシードライバーを務める、移民三世のユージーンさんに、アメリカを象徴する場所を教えてもらいました。「やっぱり、『自由の女神』だね。アメリカの理想のシンボルなんだ。ここはどんな人でも認め合い、ともに生きる場所。ずっと自由であり続けてほしい。」(ユージーンさん)

scene 09日本は「移民」とどう向き合う?

「自由と平等」の名のもとに、多民族国家として、今日もアメリカは成長を続けています。今回の疑問、「なぜアメリカには人が集まるのだろう?」 さまざまな見方から、アメリカに人が集まる理由、そして抱えている問題が見えてきました。世界中から人々が集まり、成長するアメリカ。その成長には、移民の力は欠かせないものでしょう。では日本では、移民との向き合い方はどうなのでしょう。いろいろな見方に着目してみんなも考えてみましょう。