あらすじ一覧

政治に声を届けるには?

オープニング

(オープニングタイトル)

scene 01今日のテーマは、「政治参加」

今日のテーマは、「政治参加」です。「そりゃあわたくしもいい大人ですから、選挙には行きますよ。大事なことですから」とタイイク。「選挙も政治参加の一つだよね。じゃあさ、どうして選挙って大事なの?」とダルさんが聞きました。「それは…」とうまく答えられないタイイク。「それは…?」。

scene 02選挙が私たちにとって大事なのは…

どうして選挙は私たちにとって大事なのでしょう。それは、当選した議員が私たちの代表者となって、国や地域の政治についてさまざまなことを決定するからです。選挙は、私たちが政治に参加する最も重要な機会なのです。でも、大事なこの機会をみすみすふいにする人が増えています。衆議院議員選挙の投票率を表したグラフを見ると、1960年代は80%近かったのに、今では50%程度に下がっています。年代別の投票率を見ると若い世代が低く、特に20代はなんと30%台。政治に関心がない、面倒くさいなど理由はさまざまです。

scene 03選挙権のない子どもたちは?

政治を行うのは私たちが選んだ代表者。多くの人が納得できる代表者に政治を行ってほしいものです。選挙に行かないと、「なんでそんな法律が?」、「なぜあの人が議員に?」などと後悔することになるかもしれません。――「でもさ、選挙権があるのは18歳以上だけだよね。選挙権のない子どもたちは政治に参加できないってことだよね」とタイイク。すると、「投票はできなくても、子どもたちの声が政治に反映されることがあるよ」とダルさんが言いました。

scene 04生徒たちの訴えが出発点に

神奈川県相模原(さがみはら)市の中学校では、生徒たちの訴えを出発点に、ある変化が起きました。エアコンです。2015年まで、市内のほとんどの小中学校にはエアコンがついていませんでした。そのため、夏になると教室の温度は35度くらいになることもありました。当時のことを聞いてみると、「教室の中が蒸し暑くなっちゃって、授業が進まない」、「『暑い』ばかり考えていて勉強にならない」(女子生徒)。「合唱の練習はずっと立ったまま歌い続けるので、立ちながら倒れてしまう生徒が出ることがありました」(音楽の先生)。

scene 05市民の声が政治に反映された

「エアコンをつけてほしい!」。生徒たちの声を聞いた先生や保護者は、市役所に願い出ました。その話を聞いたのが市長です。市長は二期目の選挙に出るとき、市内の小中学校にエアコンを付けることを公約にしたのです。市長は二期目も当選。エアコン設置は議会で承認され、2016年、市内すべての中学校への設置が完了。小学校への設置工事も続けられています。「政治って反映されるんだなって、結構身近に感じました」(男子生徒)。私たち市民の生活をよりよくするのは政治の役目です。だから、「困っている」と声を上げることは、政治参加の第一歩なのです。

scene 06政治に参加する方法は選挙だけ?

「困ってることが実現されると、政治って身近に感じるね」とタイイク。「でも、さっきの場合、候補者が当選したからエアコンがついたんだよね。ぼくたちが困ってることを実現するには、やっぱり選挙しかないのかな」とタイイクが言います。すると、「タイイクくん。政治に参加する方法は、ほかにもあるんだよ」とダルさん。

scene 07「陳情」という方法

その一つが、陳情(ちんじょう)。陳情とは、国や地方の行政機関や議員に私たちの要望を伝えることです。2012年、北海道帯広市内の高校生たちが市に対してある陳情を行いました。距離によって変わるバス運賃を、どこまで乗っても変わらない「定額」にできないかと訴えたのです。「路線バスの定額運行は帯広市を活性化させると思います」と五十嵐公輔さん(当時、高校3年)は市議会で訴えました。彼等は自分たちで陳情書を作成し、市議会に提出。しかし検討の結果、残念ながらこの提案は見送られることになりました。それでも、「多くの人がこの陳情を見て、バスのことを考えるきっかけになってくれればと思います」と言います。

scene 08「陳情」は誰でもできる

陳情には年齢制限などまったくありません。誰でもできます。道端に捨てられたゴミ。この現状を何とかしたいと思ったのが…。「なんでゴミを捨てるんだろうって思った」。長野県佐久(さく)市の小学5年生の丸山碩(まるやま・すぐる)くんと、弟で2年生の覚(さとる)くんでした。通学路に落ちているゴミが気になっていた二人。一年間ゴミ拾いを続けましたが、なかなかゴミは減りません。お父さんから陳情のことを教わった二人は、陳情書を作成して、佐久市議会に提出したのです。陳情書には、「大人が捨てたゴミを子どもが拾うなんて悲しい」と書かれていました。

scene 09小学生の願いが条例に!

市議会はこの陳情書について議論しました。すると…。「ご異議なしと認めます。よって、平成21年陳情第4号は可決されました」(市議会にて)。兄弟の願いがかなって、「ポイ捨て防止条例」が全会一致で採択されました。指導や勧告に従わない悪質な違反者は名前を公表し、20万円以下の罰金を課せられることになったのです。「うれしい。みんながゴミを捨てないような、みんなが守れる条例になったらいいと思います」(碩くん)。

scene 10政治参加の方法はいろいろ

陳情以外にも政治に参加する方法はあります。自分の考えに賛成する人の署名を集めて役所などに提出したり、同じ考えを持つ人たちとデモを行ったり、地域の重要な問題について住民投票でみんなの意見を明らかにしたり…。インターネットで自治体などの政策を調べることも政治参加なのです。

scene 11地域や国の課題を考えることから始めよう

「どう? 政治に参加する機会って、みんなにあるんだよ」とダルさん。「地域や国をよりよくしたいと思うことが、政治参加のスタートなのかもしれないね」とタイイク。「そのためには、地域や国の課題を考えることも大事だよ」とダルさんが言いました。「そうか。よーし、ぼくも政治に参加するぞ。そうだな…。もっと音楽にあふれたまちにしたいな。いろんなところにスピーカーを設置して、いろんなところから音楽が流れてくる、みたいな」とタイイク。「それ、個人の希望でしょ」。「そっか…」。