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ミクロワールド アオコ 大発生の秘密 オープニング
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ミクロワールド アオコ 大発生の秘密 オープニング

水面を青緑色に染めるアオコ
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水鳥たちがやってくる、栄養豊かな池。水辺にはヨシなどの植物が茂っています。夏、そんな池が、青緑色のペンキを流したように、一面染まることがあります。アオコが発生したのです。青緑色に染まっているのは、水の表面だけです。水面のアオコが光をさえぎり、中は真っ暗です。アオコはなぜこれほど大発生するのか、その秘密をさぐってみましょう。

アオコの正体は「らん藻」
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アオコをつくるのは、植物プランクトンの仲間、「らん藻(そう)」です。青緑色をしたかたまりの一つをよく見ると、小さな粒がたくさんあります。この一つひとつが、らん藻です。直径がわずか1000分の5mmほどの細胞。その中には光合成をするための「葉緑素(ようりょくそ)」があります。細胞の中の黒く見える部分にはガスの入った小さな袋があるため、らん藻は水面に浮くのです。

種類によって異なるかたまりの形
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らん藻は種類によって、違った形のかたまりになります。たくさんのらん藻が丸い袋の内側に沿って並んでいるクロオコックスの仲間。数珠(じゅず)のようにつながって、らせん状になっているネンジュモの仲間。目に見えるほど長くぎっしりとつながり、ゆれるように動くユレモの仲間もいます。アオコをつくるこれらのらん藻は、すべてがガスの袋を持ち、浮かび上がって光をひとり占めにするのです。

らん藻は強い日ざしも平気
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アオコが大発生するもう一つの秘密は、らん藻が光に強いことにあります。夏に照りつける強い日ざし。多くの植物にとって光は必要です。しかしそれが強すぎると有害なため、細胞の中の葉緑体は光を避けるように移動します。水中の多くの植物プランクトンも同じで、水面の強すぎる光がにがてです。それと比べるとらん藻は光に強く、水面近くでも光合成ができます。そのため、栄養が豊富な池では日ざしが強い夏になると、らん藻だけが大発生するのです。

らん藻が増えすぎないようにする仕組み
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池には、らん藻が増えすぎないようにする仕組みもあります。小さな生き物たちが、らん藻を食べたり分解したりしているのです。たとえば、モナスという小さな生き物。このモナスは、体の中に食べたらん藻がいくつも見えています。モナスは、らん藻を丸ごと体に取り込みます。こうして、わずか1時間で数十個も食べてしまいます。

人間による水環境汚染も原因
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エアロゾマという微生物も、らん藻を食べます。水に溶けた栄養分をもとに増えるらん藻。それをさまざまな微生物が食べることで、ふだんは数のバランスがとれています。しかし家庭での生活排水などが流れ込み、池の栄養分が増えすぎると、このバランスがくずれてしまいます。アオコの大発生。その秘密は、人間による水環境の汚染にもあるのです。

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アオコ 大発生の秘密
夏にアオコをつくるらん藻は、水に浮き水面を占拠して大発生する。
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理科生物水中藻類水質

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