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ミクロワールド ウメノキゴケ 地衣類の不思議 オープニング
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ミクロワールド ウメノキゴケ 地衣類の不思議 オープニング

木の幹につく紙のように薄いもの
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桜の木の幹が、ところどころ白っぽくなっています。ウメノキゴケという地衣類(ちいるい)がついているのです。紙のように薄い体の断面を見ると、上のほうは緑色、下のほうは白い綿のようになっています。緑色のところに集まっている丸い粒の一つひとつが、独立した生き物、トレブクシアという名の藻類です。トレブクシアは細胞の中に葉緑体を持ち、光合成をして自分で栄養を作ります。

菌類と藻類が一体に
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白い部分にある糸のようなもの。これは、藻類とはまったく違う生き物、キノコやカビの仲間、菌類です。菌類は自分で栄養を作ることができません。藻類が作る栄養をもらって生きています。菌類と藻類が一体になって暮らしているのが、地衣類の特徴です。

厳しい環境にも耐えられる地衣類
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地衣類は、ほかの植物がとても生えられない環境でも見られます。乾いたコンクリートについているオレンジ色のもの。ツブダイダイゴケです。断面を見ると、オレンジ色や白い色の菌類が、緑色の藻類を包んでいます。雨が降ったときに起こる変化を見てみましょう。霧吹きで水をかけると、色がオレンジ色から次第に濃い緑色に変わっていきます。

互いに利用しあう菌類と藻類
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表面にある菌類が水を含んで透明になり、下の藻類の緑色が見えるようになるのです。断面で見ると、菌類がスポンジのように水をたくわえていく様子がよくわかります。雨がやんでもしばらくは、藻類はこの水を利用して光合成をすることができます。一方、菌類は藻類から栄養をもらいます。菌類と藻類は互いに利用しあうことで、このような厳しい環境でも生きていくことができます。

日本だけでも1600種類以上
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地衣類は、さまざまな場所で見ることができます。コンクリートの上の白っぽい模様。これも、ハコネイボゴケという地衣類です。岩の表面に生えているのは、ヒメジョウゴゴケ。そのほかニセモジゴケ、コアカミゴケなど、地衣類は日本だけでも1600種類以上も見つかっている、とても繁栄している生き物です。

したたかに生き抜く戦略、「共生」
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地衣類は、生活の場を広げるときも、菌類と藻類の両方が必要です。ウメノキゴケの表面にあるたくさんの粉のようなもの。これは、緑色の藻類が菌類に覆われた粒です。この粒は簡単にちぎれるため、強い風などで飛ばされ、着いたところで新しいウメノキゴケになります。まったく違う二つの生きものが共生する地衣類。厳しい環境もしたたかに生き抜いてきた生き物なのです。

ミクロワールド
ウメノキゴケ 地衣類の不思議
樹皮にへばりついた薄緑の地衣類。藻類と菌類が共生している。
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