オープニング
ひとみちゃんが、みんなとなわ飛びをしています。うでを回したり、ジャンプしたり、うでを曲げたり。人の体はいろんなふうに動きます。うでを特殊(とくしゅ)なカメラで写してみると、中にぼうのようなものが見えます。これが、「骨(ほね)」です。手の中にも骨があります。かたくてじょうぶな骨は人の体をささえています。でも、骨だけで動くのでしょうか。
体が動くしくみを調べようと、ひとみちゃんがやってきたのは、大阪大学にあるロボットの研究室。細田耕(ほそだ・こう)先生は、人の体と同じしくみで動くロボットを作っています。あし、うで、手など、体の部分ごとのロボットを作って研究しているのです。ひとみちゃんが見せてもらったのは、うでのロボット。人のうでと動きがそっくりです。動くしくみを、人そっくりに作ってあるのです。
ひとみちゃん、うでのロボットにさわらせてもらいました。やわらかいチューブのようなものが何本もたばになっています。その中心に、かたいぼうのようなものがありました。かたいぼうと、やわらかいチューブ。かたいぼうは、人の体にもありました。そう、「骨(ほね)」です。ロボットのかたいぼうは、人間の骨に当たる部分でした。
では、うでのロボットにある、やわらかいチューブは何でしょう。チューブだけを取り出して、どんなふうに動くか見せてもらいました。チューブに空気を入れると…、ちぢんで短くなりました。
かんたんな模型(もけい)で、動くしくみを見てみましょう。ぼうの上に、もう1本ぼうをのせて、うでの骨(ほね)の形にします。下のぼうの両側に、チューブを1本ずつ取り付けます。右のチューブに空気を入れると、そのチューブがちぢみ、上のぼうが引っぱられて右に曲がりました。右のチューブ、左のチューブと、かわりばんこに空気を入れると、上のぼうは右、左と動きます。
ロボットのうでも同じしくみで動いています。チューブがちぢむと、うでが引っぱられて、曲がります。かたいぼうを引っぱるチューブ。では、人の体の中でチューブと同じ働きをしているのは、何でしょう。
うでの中にある「骨(ほね)」。その骨のまわりに「筋肉(きんにく)」があります。チューブと同じ働きをしているのは、筋肉。筋肉がちぢむことで骨を引っぱって動かしているのです。