オープニング
ひとみちゃん、プラネタリウムにやってきました。客席の上には、大きなまるい天井(てんじょう)があり、客席の真ん中に、ボールのような形のものがあります。たくさんあながあいていて、このあなから光をだして、たくさんの星をうつすのです。うつせる星の数はおよそ38万こ。冬にはどんな星が見えるのでしょう。
ひとみちゃん、冬の星空を見せてもらいました。北の空には、ひしゃくの形をした7つの星のならびが見えます。北斗七星(ほくとしちせい)です。この北斗七星をしっぽにして大きなクマに見立てたのが、おおぐま座(ざ)です。南の空には、砂時計(すなどけい)のような形に星がならんでいます。オリオン座です。星空を見終わったひとみちゃん、ふと、夏に見たさそり座を思い出しました。さそり座はどこにあったのか聞いてみると、「冬は見えないんですよ」という答え。夏と冬、見える星座がちがう?
ひとみちゃん、外に出て夜空にさそり座(ざ)をさがすことにしました。夏、さそり座は、夜8時ごろ南の空低くに見えました。でも今は…、どこにもありません。ひとみちゃん、冬の夜空にオリオン座を見つけました。オリオン座は夏には見えませんでした。夏と冬では、見える星座がちがうのです。ひとみちゃん、まだ何か気になるようです。そういえば、夏に見えたさそり座は、時間とともに動いていました。
冬に見えるオリオン座(ざ)も動くのでしょうか。ひとみちゃん、カメラを三脚(さんきゃく)で固定して、1時間ごとに南の空の写真をとることにしました。午後8時のオリオン座の位置。午後9時のオリオン座の位置。午後10時のオリオン座の位置。写真を重ねてみると…、オリオン座が動いています。ひと晩(ばん)の動きを見ると、オリオン座も東から西へずっと動き続けていることがわかります。
では、冬の北の空の星座(せいざ)はどうでしょう。日がしずんだあと、北の空に見えるのはカシオペヤ座です。じっと見ていると、少しずつ動いています。でも、動く向きが南の空とはちがいます。夜中に北の空に見えてきたのは北斗七星です。よく見ていると、動かない星が一つだけありました。北極星(ほっきょくせい)です。ほかの星は、北極星を中心にして回っているのです。
ひとみちゃんが小学校にやってきました。天井(てんじょう)からつるされたドームに冬の星空をうつそうというのです。材料は、丸い形をした器、豆電球、星座(せいざ)のシールです。丸い器の内側に、南の空と北の空の星座のシールをはります。せんこうの火で星座の星の位置に小さなあなをあけます。豆電球の光が通るあなです。北極星の位置にぼうを通します。これで、北極星を中心にして回転させることができます。ぼうにつけた豆電球が器の真ん中にくるように器を2つ合わせて球の形にし、明かりがもれないようにして、完成。
できあがった装置(そうち)をドームの真ん中に置き、ぼうを、北極星が見えた方へ向けます。部屋を暗くして、スイッチを入れると…、ドームの内側に星座(せいざ)がうつりました。ぼうを回してみると、北の空では北極星を中心にカシオペヤ座や北斗七星が回り、南の空ではオリオン座がゆっくりと東から西へ動いていました。