オープニング
雲が、西から東へ動く。天気も、西から東へ。
ホナちゃん、四国の高知に旅行に行こうとしていると、高知の友だちから電話です。「え? 台風が近づいてるから旅行はやめたほうがいい!?」。いそいで家に帰ったホナちゃん、テレビで気象情報をチェック。すると、日本のはるか南の海上に、大きくうずをまく雲がありました。このグルグルしたのが台風の雲です。グルグルが来たら、いったいどうなるのでしょう。
台風が近づくと、ものすごく強い風がふきます。そして、はげしい雨がふり、洪水(こうずい)になることもあるのです。でも、今、グルグルは日本の南のほうにあります。このあとグルグルはどこへ行くのでしょう。そういえば、雨をふらせる雲は、西から東へ動いていました。ということは、グルグルも…? ホナちゃんの予想、「グルグルは、西から東へ動く」。
3日後。「天気はどうかな」とテレビをつけるホナちゃん。するとびっくり! 台風は高知に近づいていました。台風、どうして高知に行ってしまったのでしょう。グルグルがどう動いたのか、気象衛星ひまわりの画像で見てみましょう。グルグルは、北へ動いて高知に行きました。ホナちゃんの予想、ハズレです。その後、グルグルは進路を変え、いったん東に動いたあと、さらに進路を変えて北に動いて行きました。
ふつうの雲は、おおむね西から東へ動いていました。でも、グルグルはちがっていました。いったいグルグルは、何者? さっそく調査開始です。まずは、グルグルがどこから来たのか。時間をさかのぼって見てみると…、南の海。こんなところから来たのです。あたたかい南の海は、雲がたくさんできるところ。台風のグルグルは、1年間に20個~40個くらい生まれます。
でも、はじめからグルグルしているわけではありません。はじめは、ムクムクとわきあがるような雲。飛行機で上のほうから見てみると、ニョキッと上にのびています。こんな雲がたくさん集まると、うずをまき始めます。そして、まわりの雲を引き寄せながら大きくなっていきます。これがグルグル。台風の雲の正体です。
ホナちゃん、また高知に行こうとしています。台風はいなくなったからです。ところが、テレビの気象情報を見てみると、台風が南の海にあって日本に接近中! ホナちゃん、グルグルがこのあとどこに行くか、予想を始めました。今、グルグルは九州の南のほう。このあとは…、ホナちゃんの予想は、前のグルグルと同じ動き方。さて、結果は?
このグルグル、どう動くのか、気象衛星の画像でその後の動きを見てみると、ホナちゃんの予想通り北へ…、でもそのまま北へ行ってしまいました。ホナちゃんの予想、またハズレでした。二つの台風の動き、西から東へ、ではなく、南から北へ? それとも…。