オープニング
山。山。たくさんの山。火をふき、けむりをはく山もあります。
モジャくん、鹿児島県の桜島(さくらじま)にやってきました。桜島は、海にうかんだ大きな山のようです。さっそく、探検開始。歩いていると、巨大なけむりが立ち上っているのが見えました。けむりは山から出ています。桜島は、今でもさかんに活動している火山なのです。
モジャくんのそばを車が通ると、ほこりがまい上がるようです。駐車場(ちゅうしゃじょう)では、車が白っぽくなっていました。よく見ると何か積もっています。これは、「火山灰(かざんばい)」、火山から降る細かい灰です。火山からは、砂や大きな石のかたまりが落ちてくることもあります。火山灰がたくさん降ると、昼間でもまわりがよく見えなくなってしまいます。桜島では、降ってきた火山灰をふくろにつめて捨てています。ふくろの中に入っているのは、黒い色ですが、これも火山灰です。
モジャくんが、何か大きな石のかたまりを見つけました。この形は…、神社の鳥居(とりい)のようです。地面の上のほうを手ですくってみると、これも火山灰でした。この鳥居は、およそ100年前、山から降ってきた石や火山灰でうまってしまったのです。
モジャくん、今度は山のふもとにやってきました。あちこちに大きな岩がごろごろしています。岩の表面はでこぼこ。山のふもとは見わたすかぎり、ごつごつした岩ばかりです。その場所を空から見ると、何かが流れたように見えます。調べてみましょう。モジャくんがやってきたのは桜島ビジターセンター。桜島の噴火(ふんか)で出てきた石が展示されていました。桜島は何度も噴火をくりかえしてきました。およそ100年前、噴火で山の中腹(ちゅうふく)から出た岩が、海まで流れ出たのです。
どろどろにとけた熱い岩、溶岩(ようがん)。それが流れ出し、冷えて固まったのが、ごつごつした岩。桜島は、大きな噴火(ふんか)のたびにその姿を変えてきました。たとえば、桜島が陸とつながっている場所。桜島はおよそ100年前までは、陸とつながっていませんでした。ところが1914年、大噴火で流れ出たたくさんの溶岩が、海をうめ、陸とつながったのです。
日本にはほかにもたくさんの火山があります。有珠山(うすざん)、富士山、阿蘇山(あそさん)…。どの火山も、噴火(ふんか)をくりかえしながら、まわりの土地の姿を大きく変えてきました。
モジャくん、最後は海岸にやってきました。おや? 湯気? 岩のあいだから湯気が出ています。ほってみると、お湯がわきだしてきます。温泉です。「あったかーい!」。これも…火山の力?