(オープニングタイトル)
山を切り崩した断面に見られる、しま模様。「地層」です。よく見ると、隣り合った層では含まれているものが違うようです。地層はどうやってできたのでしょうか。
大地に見られるしま模様の地層は、どんなものでできているのでしょうか。層によって、含まれているものが違っています。泥でできている層の下の層は、それより粒が大きい砂でできていました。別の地層では小石が多く含まれています。そのすぐ下は、細かい泥の層です。このように、それぞれの層を作っているものの粒の大きさが異なるので、しま模様に見えるのです。
地層を作るのは、主に「堆積岩(たいせきがん)」と呼ばれる岩石です。堆積岩にはどんなものが含まれているのか、ハンマーで砕いてみると…。小石などの「れき」、砂、そして泥。それぞれ粒の大きさの違うものが固まってできた岩石、「れき岩」、「砂岩(さがん)」、「泥岩(でいがん)」です。また、「凝灰岩(ぎょうかいがん)」でできた層もあります。凝灰岩をつぶすと細かい粒になります。火山灰です。凝灰岩は、火山灰が固まってできた岩石です。こうした粒の大きさや発生もとが違うものが別々の層になって、しま模様になっています。
地層を作るのは、れきや砂、泥の粒、火山灰などが固まったもの。では、地層の層によって粒の大きさが違うのはどうしてでしょう。原因は、水と関係のある場合があります。粒の沈み方を見てみましょう。水を入れた長い筒に、粒の大きさが違う砂や泥などを混ぜた物を入れます。水のにごりがなくなってから積もり方を見ると、れきや砂の層の上に、粒が細かい泥が積もっています。泥は軽いので、水の中に長くただよっているのです。
流れがある場合には、どう積もるのでしょう。水の流れによって運ばれたものは、海など、流れがゆるやかになったところで堆積(たいせき)します。このとき、粒の大きさや重さで、積もる場所が違っています。長くただよう泥は、より遠くまで運ばれます。
では、凝灰岩はどうして層になったのでしょう。火山の噴火で降り積もる火山灰。それが長い年月で圧縮され、凝灰岩となり、層になります。地層の層によって粒の大きさが違うのは、それぞれ堆積(たいせき)する環境が違うからなのです。
幾重にも重なったしま模様。このような地層はどのようにできるのでしょう。海や湖の底で作られる地層では、川などによって運ばれた泥や砂やれきが、水の底にゆっくりと積もっていきます。岸から遠くのところに積もるのは、泥です。しかし長い時間のあいだには、地球規模の気候の変動などにより、海面の高さが変わります。海面が下がると、川によって運ばれてきた泥や砂の積もる場所が変わります。それまで泥が積もっていた場所に、れきが積もるようになる場合があります。海面の位置が変わるなどすることで、しま模様のような地層ができていくのです。
このようにして作られた地層が、押し上げられて陸になることがあります。陸になると、水や風のはたらきで浸食されます。長い時間をかけてけずられると、地層が現れてくるのです。
千葉県にある屏風ヶ浦(びょうぶがうら)。海岸線に連なる断崖(だんがい)絶壁は、高さおよそ60m。がけの表面を見ると、砂岩や泥岩の層を見つけることができます。海岸線をどこまで行っても、同じ地層が続いています。その距離は、およそ10kmにも及びます。見えている断面だけではありません。がけが途切れたところに注目すると、同じ地層が奥にもつながっていることがわかります。断面だけでなく、地層をはがしていくと、今ある地面の下にはそれぞれの層が広い範囲に続いているのです。
世界には、もっと地層の広がりを見ることができる場所があります。アメリカのグランドキャニオンです。壮大な渓谷の切り立ったがけに、同じようなしま模様の地層が見えます。数億年という長い時間をかけて川に浸食され、地層が現れたのです。