(オープニングタイトル)
秋になって、野原や山の様子がかわってきました。夏にはいなかった虫もすがたを見せています。秋の森で耳をすますと、草むらで鳴いている虫の声が聞こえます。キリギリスです。カンタンという虫の声も聞こえます。秋になると、鳴く虫がたくさん出てきます。くらくなると、ますますたくさんの虫が鳴きだしました。木の上で鳴くのはアオマツムシ。地面ではエンマコオロギ。虫によって、鳴き方もいろいろです。みんなのまわりには、どんな鳴く虫がいるかな。
夜の草むらで大きな声で鳴いているエンマコオロギはどうやって鳴いているのか、近づいてよく見てみましょう。どうやら、鳴くときに羽をふるわせているようです。羽をよく見ると、右がわの羽のうらにはギザギザがついています。そして、左がわの羽には、とがった部分がついています。この2つをこすりあわせて、音を出しているのです。コオロギの鳴き声のひみつは、羽にありました。
コオロギをよく見ると、鳴くコオロギと鳴かないコオロギがいます。2つをくらべてみると、鳴かないコオロギは羽が小さく、おしりから長いくだが出ています。鳴かないのはメスのコオロギなのです。オスとメスをいっしょにすると、オスが鳴き出しました。鳴き声でメスをよんでいるのです。オスどうしを近づけると、それまでとは鳴き方がかわります。オスどうしは、自分の場所を守るために、強い鳴き声を出してけんかをします。エンマコオロギはいろいろな鳴き方をして、なかまとお話をしているのです。
秋、オスのエンマコオロギがメスをよびよせてしばらくすると、メスはおしりのくだを土につきさしました。土の中にたまごをうみつけているのです。秋の終わり、エンマコオロギはオスもメスもみんな死んでしまいます。土の中のたまごは寒い冬を土の中ですごし、次の年の夏のはじめ、たまごから幼虫(ようちゅう)が出てきます。幼虫は、8月にさいごのだっぴが終わると、羽を持った成虫(せいちゅう)になります。成虫になって、はじめてオスは鳴くことができます。エンマコオロギのオスは、秋のあいだだけ、メスをよぶために鳴くのです。
コオロギは身近にあるものでかうことができます。せまいところに入りこむ習性(しゅうせい)があるので、でこぼこやすきまができるものなど、かくれがになるものを入れてやります。メスがたまごをうむための土も入れておきます。オス2ひきに対してメス3びきくらい入れると、けんかも少なくうまくかえます。コオロギの動きや鳴き方をかんさつしたり、やさい、くだもの、かつおぶしなどいろいろなえさをためして、コオロギのすきなものを見つけてみましょう。