(オープニングタイトル)
ミスターQのクイズの時間。クイズに答えるのは、今回もたまごのランさんです。では第一問。校庭の水飲み場に、だれかが置きわすれたじょうろがあります。水しか入れていなかったのに、一週間ほどたつと、なぞの生きものがあらわれていました。この生きものの正体は何でしょう。1.水から生まれた水のようせい。2.水の中のほこりやちりから生まれた生きもの。3.外から飛んできた虫のたまごから生まれた生きもの。「空を飛ぶようには思えないし。ほこりやちりから生まれたんじゃないかしら」とランさんは考えますが…。
なぞの生きものの大きさは、およそ5mm。100ぴき以上もいて、しっぽを水面に出し、頭を下にして口をさかんに動かしています。二日たつと、体の形が変わり、何も食べなくなりました。さらに二日後、変わった動きを始めました。せなかがわれて、何かが出てきます。カです。なぞの生きものは、カに変身しました。外からやってきたカが、じょうろの中に入り、たまごを産んだのです。カは、一度に200~300ものたまごを水面に産み付けます。水の中に急にあらわれた生きものは、たまごからかえったカのよう虫だったのです。
第一問の正解は、「外からやってきたカが産んだよう虫」でした。ざんねん、ランさん、はずれです。では第二問。カップに入ったコンソメスープ、最初はとうめいですが、数日ほうっておくと、にごっていやなにおいがします。スープがくさったのです。実は、この中には「び生物」とよばれる、目に見えないほど小さな生きものがたくさんいます。このび生物もたまごから生まれるのでしょうか。「どんなに小さくても、やっぱりたまごから生まれるのじゃないかしら」とランさんは答えます。
けんび鏡を使うと、目では見えないほどの小さな生きもの「び生物」の様子を観察することができます。くさったスープの中のび生物は、1mmの100分の1~1000分の1ほどの大きさです。どうやってび生物の子どもが生まれるのか観察します。丸い形をした大人のび生物の上のほうでふくらんできたのが、子どもです。子どもは時間とともに成長していきます。び生物には、このように親から分かれて生まれるものがあるのです。第二問の正解は、「親から分かれて生まれる」でした。ランさん、はずれです。
び生物が親から分かれて増えていくということは、もとになる親がいるということです。では、第三問。スープをくさらせたび生物の最初の親は、どのようにしてあらわれたのでしょう。「最初からいたんじゃないのかな。スープは栄養があるし、その栄養分から生まれたんじゃないかしら」とランさん。「び生物には、栄養から生まれるものもある」というランさんの答えですが…。
「び生物は栄養さえあれば自然に生まれる」という考えがまちがいであることを実験で確かめたのが、フランスの科学者ルイ・パスツールです。首を細長く2回おりまげて外の空気以外は入らないようにしたフラスコと、ふつうのフラスコにスープを入れ、火で熱して、中にいるび生物を殺しておきます。もし、スープの栄養からび生物が生まれるのであれば、両方のスープがにごるはずです。3日後、ふつうのフラスコのスープだけがにごりました。外からび生物が入ったフラスコのスープだけがくさったのです。
地球最初の生命は、数十億年前の海で生まれたび生物だと考えられています。北極の近くのグリーンランドで見つかる岩の一部をけんび鏡でかくだいしてみると、黒いつぶが見えます。これが、今から38億年前のび生物の体の一部と考えられています。しかし、世界中の科学者が生命たんじょうのなぞに取り組んできましたが、まだそのなぞは解けてはいません。地球最初の生命がどのようにして生まれたのかという第四問、「わからない」というのが答えなのです。ランさん、みごとに(?)正解でした。
1676年、オランダのレーベン・フックは自作のけんび鏡で池の水を観察し、目で見えないようなび生物を発見しました。この「レーベン・フックのけんび鏡」を身近な材料で作りましょう。ペットボトルのふたの真ん中に小さなあなをあけ、あなをふさぐようにガラスビーズをセロハンテープでとめれば、けんび鏡のレンズのできあがり。ペットボトルから小さな板を切り出して観察するものをのせ、切り取ったペットボトルの口にセロハンテープではりつけます。レンズ付きのふたのしめかげんでピントを合わせ、いろいろなものを観察してみましょう。