（オープニングタイトル）

今回の解答者は、４回目の登場のヤジロウさんです。まずミスターＱが、「ふりこ」のえい像を見せます。ふりことは、おもりを糸などにつるして、ふれるようにしたもののことです。ふりこのおもりをふらせる位置から真ん中までのきょりを「ふれはば」といいます。ここで第一問。ふれはばを変えると、ふりこが動く速さはどうなるのでしょう。１．短くすると速く動く。２．長くすると速く動く。３．変わらない。「そりゃあ、きょりが短いほうが、ちゃちゃっと行って、ちゃちゃっともどってくるんじゃないかい」とヤジロウさんは言いますが…。

ふれはばを変えると、ふりこの動く速さはどのように変わるのでしょうか。長さ１．５ｍ、おもりの重さ １０ｋｇのふりこのふれはばを変えて、５回往復する時間を比べてみましょう。ふれはばが６０ｃｍでは、１２秒７３でした。ふれはば３０ｃｍでは、１２秒７１。ふれはば９０ｃｍでは、１２秒８４です。ふれはばを大きくしても小さくしても、ふりこの往復する時間はほとんど変わらないのです。

第一問は、ヤジロウさん、不正解でした。続いて第二問。ふりこを速く動かすには、おもりの重さはどうすればよいのでしょう。１．重くする。２．軽くする。３．重さを変えても速くはならない。「オレっちみたいに重いほうが、なんかギューンといきそうな気がするなァ」と、ヤジロウさんは１番を選びました。

ふりこの動く速さは、おもりの重さによって変わるのでしょうか。おもりの重さを変えて、ふりこが５往復する時間を比べます。１．５ｍのひもに５ｋｇのおもりをつけたふりこを、ふれはば４５ｃｍで動かすと、１２秒７１でした。ひもの長さとふれはばは同じで、２．５ｋｇのおもりで動かしてみると、１２秒５５です。１０ｋｇのおもりで同じように動かしてみると、１２秒７２でした。おもりの重さが変わっても、ふりこが往復する時間はほとんど変わらないのです。

ヤジロウさん、また不正解です。では第三問。ひもの長さを変えると、ふりこの動く速さはどうなるのでしょう。１．短くすると速くなる。２．長くすると速くなる。３．長さは関係ない。「ひもが短いと、ちゃきちゃき速く動きそうだな。１番だ。てやんでい！」とヤジロウさんは答えました。

ふりこが動く速さは、ひもの長さによって変わるのでしょうか。１０ｋｇのおもりのひもの長さを変えて、５往復する時間を比べてみます。ひもの長さ１．５ｍ、ふれはばは４５ｃｍでふりこを動かすと、１２秒７１でした。次に、ひもの長さは２ｍ、ふれはばは同じ４５ｃｍで動かすと、１４秒５５でした。最後に、ひもの長さは１ｍ、同じふれはばで動かすと、１０秒１３でした。ひもの長さが短いほど、ふりこが往復する時間は短くなるのです。ヤジロウさん、第三問は正解でした。

ふりこのひもの長さを一定にすると、ふれはばを大きくしても小さくしても、往復する時間は同じ。このことを発見したのは、16世紀のイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイです。1583年のある日の夕方、ガリレオはピサという町の大せい堂に入りました。中では明かりをともされたばかりのランプが大きくゆれていました。ゆれるランプを何気なく見ていたガリレオは、ふと気づきました。大きくゆれるのと、小さくゆれるのと、ランプが往復する時間は変わらないようだ。ふりこのきまりを発見したのはこのときだといわれています。

いよいよ、最後の問題。まずミスターＱが、えい像を見せます。同じ量の水を入れた同じ重さのペットボトルです。同じ長さのひものかたほうに１本、もうかたほうに２本ぶらさげてゆらします。ひもの長さが同じなので、往復する時間は同じです。ここで問題。水の入っている量がちがうペットボトルを、同じ長さのひもにつけてゆらした場合、どちらのふりこが速く往復するのでしょうか。「はぁ？　重さが変わってもひもの長さが同じなら往復する時間は同じだって言ったところじゃあないかい」とヤジロウさんは答えます。

水の量を少なくしたペットボトルと、水をいっぱいに入れたペットボトルを、ひもの長さとふれはばを同じにしてゆらします。すると、水の量が少ないほうがだんだんおそくなっていきます。二つのペットボトルは水の位置、つまり、おもりの位置がちがいます。ひもを支えているところからおもりまでの長さを「ふりこの長さ」といいます。二つのふりこは、ひもの長さは同じでも、ふりこの長さがちがっていました。ふりこが往復する時間は、ひもの長さではなく、ふりこの長さによって変わるのです。ヤジロウさん、最後の問題は不正解でした。