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(オープニングタイトル)
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冬になり、森の一面に葉っぱが積もると、動物たちのすがたは見当たらなくなります。しかし、石を動かしてみるとアリがいました。くさった木のかげにはムカデなどの生きものがいます。地面に落ちた葉っぱの中にも、1cmほどの大きさのダンゴムシがいました。葉っぱの下には3mmほどしかないダニの仲間がいます。さらに拡大すると、もっと小さな生きものもいます。この小さな生きものは、大人の足ぐらいの広さに1000びきもいるといわれています。森の土の中には、小さな生きものたちの世界が広がっているのです。
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ダンゴムシは、春の終わりごろ、母親のおなかの中で卵からかえります。幼虫の大きさは1mmもありません。雨の降る季節、落ち葉の表面の白い糸のようなカビが成長し、落ち葉の表面をとかしてやわらかくします。ダンゴムシの幼虫はこのやわらかい葉をたくさん食べて成長します。幼虫は7回ほどだっぴして成虫になります。じゅ命はおよそ3年。死ぬと、体はカビにおおわれて分解され、やがて土になります。落ち葉の下で生まれ、葉っぱを食べて成長するダンゴムシ。死んだあとは土となり、森の木の命を育みます。
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秋に木から落ちた落ち葉は、ダンゴムシなどの小さな生きものに食べられます。そして、ふんなどになって体の外に出され、すがたを小さく変えていきます。ダンゴムシのふんや土のつぶのすきまには、カビやバクテリアなど多くの生きものがすんでいます。土の中の生きものたちは、地上の生きもののように、食べたり食べられたりしながら生きています。こうすることで、養分の豊かな土ができていくのです。この養分を植物が利用します。落ち葉はたくさんの生きものたちによって分解され、やがて、葉を生いしげらせる木々にもどっていきます。
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落ち葉から養分たっぷりの土ができます。集めてきた落ち葉を、くさりかけた落ち葉の上に乗せます。くさりかけた落ち葉の中にはダンゴムシやダニなどの生きものがいます。それらの生きものが全体に行きわたるようよくかき混ぜます。水をかけ、さらによくかき混ぜます。落ち葉の中から湯気(ゆげ)が出てきました。葉っぱにはカビやバクテリアなど小さな生きものがたくさんついています。水をかけた結果、そうした生きものが活発に活動し、熱が出たのです。小さな生きものたちの活動により葉っぱが分解され、養分の豊かな土が作られるのです。