(オープニングタイトル)
地球には多くの生き物がすんでいます。わたしたち人間や、ゾウ、サル、イルカ、クジラなど、母乳を飲んで育つほ乳類。さまざまな種類の鳥たち。カメやトカゲ、ヘビなどのは虫類。水辺にすむカエルなどの両生類。草むらの中には虫たちがたくさんいます。海の中には魚たちや、目に見えないほど小さなプランクトンもいます。生き物は動物だけではありません。木や草、小さなコケなども地球上の生き物です。すべての生き物を合わせると、名前が付いているものだけで200万種類。発見されていないものもまだまだあると考えられています。
わたしたちは、何かを食べなくては生きていくことができません。人間が食べるのは米や野菜などの植物と、魚や動物の肉などほかの生き物です。シマウマなどの草食動物は草を食べます。ライオンのように動物の肉を食べる肉食動物もいます。チョウの幼虫は葉っぱを食べ、チョウは花のみつを吸います。一方で、虫をつかまえてそれを栄養にして生きる植物もいます。動物の死がいは虫やび生物に食べられて分解され、やがて土を豊かにし、木や草の栄養となります。地球上の生き物は、食べたり食べられたりしながらつながっているのです。
生き物のなかには助け合って生きているものもいます。花のくきにアリと小さなアブラムシがたくさんいます。アブラムシはくきのしるを吸い、アリはアブラムシがおしりから出すあまいみつを食べます。そこへテントウムシがやってきました。テントウムシはアブラムシが大好物。さっそくアブラムシを食べようとすると、アリがじゃまをして、とうとうテントウムシを追いはらってしまいました。アリは、アブラムシからみつをもらう代わりに、敵を追いはらいます。このように、助け合って生きていく関係を「共生(きょうせい)」といいます。
植物も動物も、水がないと生きていくことができません。わたしたち人間の体も、60%以上が水です。植物も、わたしたちが水を飲むように水を必要とします。根から吸収された水は、葉にある「気こう」という小さな穴から水蒸気となって出ていきます。水はもっと大きく地球上をめぐっています。地球上の水の97%が、海の水です。海からは水が蒸発し、その水蒸気が空の上で雲になります。雲となった水蒸気は雨となって降り、雨は集まって小さな流れから大きな川となり、また海に注ぎます。
青森県の陸奥湾(むつわん)ではホタテを養しょくしています。ホタテは貝がらを開け閉めしながら呼吸し、海中にただよう植物プランクトンを食べて成長します。その植物プランクトンを育てるのが、実は山だといわれています。山に生えているブナは、秋になると葉を落とします。落ち葉はやがて分解され、栄養分の豊かな土になります。そして山に雨が降ると、土の中の栄養分が水とともに海まで運ばれ、その栄養分によって植物プランクトンが増えるのです。魚や貝が育つ豊かな海は、そこにつながる山の豊かさと大きく関係しています。