(オープニングタイトル)
「わたしはテミルン。あらゆる事件を解決してきた探偵(たんてい)だ。が、このわたしにも解けない事件が起きてしまった!」と、ふしぎモンスターのテミルン。事件現場は、福島県福島市立森合(もりあい)小学校。このクラスでは、電磁石(でんじしゃく)の力を強くするにはどうしたらいいのかを調べていました。1班(ぱん)と2班、どちらも導線をまく回数が多いほど、電磁石が強くなると予想しました。そこで、同じ材料をそろえ、同じ実験を行ったのです。
100回まきコイルと、200回まきコイル。クリップがつく数で電磁石(でんじしゃく)の強さをくらべるため、3回ずつ実験を行いました。「その結果が…、事件なのだ!」とテミルン。1班(ぱん)は、ついたクリップの数が3回ともほぼ同じになっています。ところが、2班の「200回まき」の結果に注目。1回目、0個。2回目、5個。3回目、6個。結果にずいぶんばらつきが出てしまったのです。「同じ実験をしていたはずなのに、なぜなんだ~~っ!?」。
ばらつきが多かった2班(はん)の実験を見てみましょう。「何か手がかりがあるはずだ!」。1回目…。2回目…。そして3回目…。「ふむふむ。おお? うーん…」。さすがのテミルンにも、特にちがいがわからないようです。そこで、クラスのみんなに助けてもらうことに…。
何かわかったかな? まず、「電池の残量です」という意見。「電池の残量が減っていくと磁力(じりょく)がにぶくなるので、クリップがとれる量も少なくなると思いました」。2班(はん)の電池は残りが少なくなっていたのではないか、というのです。そこで、検証。まず、2班が使った電池で試します。ついたクリップの数、1回目は6個、2回目は1個、3回目は7個でした。次に、新しい電池に取りかえて同じ実験。もし原因が電池なら、結果はばらつかないはずです。結果は…、1回目は5個、2回目は7個、3回目は1個。ばらつきあり。電池を取りかえる前とほぼ変わりません。「あー、なぞは深まるばかりだ…」。
では、結果にばらつきのなかった1班(ぱん)の実験と比べてみてはどうでしょう。実験道具をくらべると…。何か気づいたことは? すると、「1班と2班で導線の長さを統一したほうがいいと思いました」という意見が。導線の長さがちがう? 同じ長さに見えますが…。「まさか、2班は導線を切っていた? これが真相か!?」とテミルン。そこで2班に確かめますが、「導線は切ってません」という返事です。2班は導線を切っていなかった。ということは、導線の長さは1班と同じです。導線の長さでもないとなると、原因は何でしょう。
「ほかに見落としたことがあったのか?」とこまってしまうテミルン。すると、「同じ人で3回実験をすればいいと思いました」という意見が。「ちがう人がやると、力加減がちがっちゃって、少しちがう結果になってしまう」と言うのです。そこで、2班(はん)の実験をもう一度見てみましょう。1回目、2回目、3回目…。「人が、代わってる! それに…、力加減…。そうか!」とテミルン。
今度は、クリップへのつけ方に注目してみましょう。1回目、2回目、3回目…。「ん? んん? ああっ! コイルを縦(たて)にしたり、横にしたり、つけ方ちがう!」とテミルン。つけ方が原因だとすれば、1班(ぱん)と比べてみる必要がありそうです。1班の1回目。「1、2、3、4…」と数を数え始めました。なぜ数えているのでしょう。「…9、10」。10まで数えると、クリップにつけていた電磁石(でんじしゃく)を持ち上げました。2回目も同じように、10まで数えてから持ち上げます。3回目も同じでした。「もしかして、3回ともつける時間をそろえていた?」とテミルン。
電磁石(でんじしゃく)のクリップへのつけ方も、よく見ると…、そろえていました。ということは、2班(はん)もつけ方にルールを決めて、もう一度実験すればいいかもしれません。「ヒャッホーイ! これで事件、解決? 結果のばらつき、なくなりそう?」。みんなも、実験結果に疑問(ぎもん)を持ったら、見直してみましょう。原因をさぐることが大切です。「実験、やり直しテミルン!」。