モーターを作ってみました。回る、回る。でもモーターの一部を外すと…?とまった。 もどすと…? 「わあ~! くるくる回る~!」とテミルン。「ふしぎ~!調べテミルン!」。
このモーターの仕組みを見てみましょう。材料は、コイル、クリップ、かん電池、磁石(じしゃく)、これだけです。かん電池の両はしにクリップをつけて立て、丸くまいたコイルの両はしをクリップにのせます。コイルのはしはけずられていますが、かたほうは上半分だけけずられています。けずられたコイルがクリップにふれると…。電流が流れます。「電流…コイル…もしかして?」。これを方位磁針(じしん)に近づけると…、「針(はり)が動いた! ということは、コイルが電磁石になっているんだ!」。
コイルの下に磁石(じしゃく)を置くと…。このモーター、磁石の性質を利用して回っています。「わぁ~、くるっくるっ! ぼくも作っテミルン!」。そして…、「ジャーン! ぼくのモーター、で~きた!」。テミルンがモーターを作りました。さっそく磁石を置いてみますが…。「あれえ? 全然回ってない! どうして?」。
今日は、愛知県名古屋市立相原(あいばら)小学校のみんなといっしょに考えてみましょう。テミルンが作ったコイルモーター、回すにはどうしたらいいのでしょう。まず、「ここの高さがちがうと思いました」という意見。クリップの高さがちがっているというのです。でも、「え~、一生けんめい作ったのに! だからクリップの高さはかえたくない~!」とテミルンが言います。この高さのまま、回せないのでしょうか。「回す方法、考えテミルン!」。
すると、「コイルの大きさをかえる」という意見。コイルの大きさとはどういうことでしょう。「磁石(じしゃく)とのあいだが関係あるのかなと思って、コイルの大きさを大きくして、磁石とのあいだをせまくして近くしたほうがいいと思ったからです」と言います。コイルを大きくすれば、磁石とのきょりが近くなって磁石の力を受けやすくなる、と予想したのです。コイルが大きくなれば回るのでしょうか…? 「ほかにも回す方法、ある?」。
「磁石(じしゃく)の極だと思います」という意見。「磁石はS極とN極が向かい合うとおたがいが引きつけ合うけど、N極とN極だとしりぞけ合って引っつかないからです」と言います。テミルンのモーターは、コイルの極と磁石の極が引き合っているから回らない、と予想したのです。だから、磁石の極をかえれば、コイルの極と反発してコイルが回るはず、と考えました。実際に反発するのでしょうか…? ほかにもいろいろな方法が出てきました。コイルのまき数、磁石の大きさ、かん電池の大きさ…。「こんなにあるから、どれかは絶対回るはずだ! さっそく試しテミルン!」。
まずは、磁石(じしゃく)の極をかえる方法。磁石の極をかえるとコイルの極と反発して回るはず、という考えです。やってみると…、「動きません」。次は、コイルの大きさをかえる方法。コイルの大きさをかえると磁石とのきょりが近くなって回るはず、という考えです。やってみると…。「うーん。あとちょっとで回りません」。少しだけ動きました。続いて、磁石の大きさをかえる方法。やってみると…。「動いてる?」。これも少しだけ動いていますが、回りません。「磁石やコイル、いろいろかえてみたけど回らなかった…。どうしたらいいの~?」とテミルン。
そこで、作戦会議。みんなで知恵(ちえ)を出し合います。すると、「あ、回った!」と言う子。モーターが回っています。さっきはコイルを大きくしていましたが、そのコイルがぐるぐる回っています。何かかえたのでしょうか。「磁石(じしゃく)の大きさが大きくなったからそれが関係しているんだと思います」という意見。コイルを大きくするだけでなく、磁石も大きくしたのです。「まーわるんル~ン!」。
コイルと磁石(じしゃく)。それぞれを大きくしただけのときは、少ししか動きません。でも、合体させると…! 2つの方法を組み合わせてみたら、テミルンのモーターが回りました。「みんな、ありがとう!」。モノ作りに失敗はつきもの。あきらめずに、いろいろな方法を試してみてください。「やっテミルン!」。