(オープニングタイトル)
「探究のとびら」。比べることで生まれる「違和感」。そこから「探究すべき不思議」は見つかる。2016年4月14日。熊本で大規模な地震が発生しました。この地震のゆれのデータを比べて、不思議を探しましょう。熊本の地震の際に、ある地点で記録されたゆれのデータ。縦方向の波の幅は「ゆれの大きさ」、横軸は「地震発生からの時間」を表しています。「0秒」が、震源で地震の起きたタイミングです。ゆれ始めからの時間でゆれの大きさを比べると…。不思議に思うことはない?
次は、別の場所のデータと比べましょう。ゆれ始めの時間を比べると…? 大きなゆれまでの時間を比べると…?
最後は、3つのデータの計測地点を比べます。震源の真上の熊本。熊本からおよそ100km離れた大分。そして、およそ240km離れた広島。地震の起きた場所からの距離で、データを比べると…。不思議、見つかった?
不思議を解き明かすための手がかり、「探究のかぎ」。今回のかぎは、ゆれの伝わり方。つるした鉄のおもりを、等間隔にばねでつなげた実験装置。この装置で、ゆれの伝わり方を見てみましょう。まず、端のおもりを真後ろにひいて放します。ゴール地点から見ると…。ゆれは、前後に振れながら伝わります。
今度は、おもりを横にひいて放します。ゴール地点から見ると…。ゆれは、左右に振れながら伝わります。2つのゆれを、スタートを同時にして比べると…。ゴールに到達するまでの時間は?
最後は、おもりを斜めにひいて放してみます。ゴール地点から見ると…。3つのおもりのひき方で比べてみます。後ろにひく場合と斜めにひく場合では…? 横にひく場合と斜めにひく場合では…? どんな決まりがある? 「探究のかぎ」、見つかった?
新たな世界が見えてくる、「理科の見方・考え方」のコーナー。今回は、「空間」で捉えるという見方。身の回りのものを例に働かせてみましょう。東京23区の6地点の、同じ時間の平均気温のデータ。これを見ると気温に差があるようです。ここで、空間的に捉えてみます。気温を地図に書き入れます。さらに、ほかの場所のデータも足して、気温別に色分けしてみると…。都心から離れるにつれて、気温が下がっている? なぜ? 不思議が見つかりました。空間的に捉えると、それまで見えていなかったものが見えてきます。
最後は、見つけたかぎで謎にいどむ、「もっと探究」。大きな地震が起きると、テレビなどに緊急地震速報が流れます。震源から離れた地域に、これから大きなゆれが来ることを伝え、備えてもらうためです。緊急地震速報を出すのは、気象庁。なぜ、大きなゆれが来る前に速報を出せるのでしょうか。
手がかりは3つ。1つめは、地震観測網。日本では、ゆれを計測する地震計などが、全国に1600か所以上設置されています。地震のゆれが観測されると、瞬時に、気象庁に情報が集まる仕組みです。手がかりの2つめは、実験装置で再現した、ゆれの伝わり方。3つめは、ゆれの広がり方。地震のゆれは、地下のつくりが同じならば、震源を中心に、同心円状に広がっていきます。このとき、地表でも、ゆれは震源の真上を中心に、同心円状に広がっていきます。なぜ、大きなゆれが来る前に緊急地震速報を出せるのか…? 探究せよ!