(オープニングタイトル)
「探究のとびら」。不思議に思うことを、知識や経験と関係づけて考えると、根拠ある仮説が生まれる。スマートフォンの充電器。この上にスマートフォンを置くと…、充電が始まります。このスマートフォン、充電器の回路とつながっていないのに、なぜ充電できるのでしょう。仮説を立てるためには、手がかりが必要です。
充電できるスマートフォンと、充電できないスマートフォンを比べます。中を見てみると…。充電できるほうには大きなコイルがあります。充電器の中を見ると…、中央にコイルがあります。コイルはどう関係しているのでしょう。仮説を立てるには、さらにどんな手がかりがあるといい?
仮説を立てるための手がかり、「探究のかぎ」。今回は、コイルを電流が流れるときのさまざまな現象から手がかりを見つけましょう。コイルを回路の中に組み込んだ装置。この装置を横から見ると、コイルの中に板が設置してあります。このコイルに電流を流したときに起こる現象を見てみましょう。コイルの回りとコイルの中に方位磁針を置くと、すべて同じ方向を向きます。電源を入れると…。方位磁針の向きはどうなった? N極の向きを表すと…。電流の向きを逆にすると…。方位磁針の向きは? どんな決まりがありそう?
次は、鉄線を、電流が流れているコイルの回りにまいてみます。すると…、模様ができます。電圧を上げ、電流を大きくしたものと比べると…。どんな決まりがありそう?
最後は、コイルと磁石と検流計を使って実験です。コイルの中に磁石を入れると…? 電流が流れるのは、どんなときでしょう。磁石をコイルから出すと…? 磁力が弱い磁石だと…? 仮説を立てるかぎ、見つかった?
新たな世界が見えてくる、「理科の見方・考え方」のコーナー。今回は、「関係づけ」という考え方。身近なものを例に働かせてみましょう。地上を走る電車。線路の回りに、石が敷き詰められています。一方、地下を走る電車。線路には、石は敷き詰められていません。なぜでしょう。
ここで、「関係づけ」という考え方を働かせてみます。たとえば、ほかに石が使われている場面と関係づけてみます。広げたシートに置かれた石。シートが風に飛ばされないように、おもりの役目をしています。もしかして線路の石も、線路が動かないようにしているのでしょうか。
次は、石が線路の下にあることから、何かの下にあるものと関係づけてみます。コップの下のコースター。コップの水滴を吸収しています。部屋で子どもが遊ぶ下に敷くのは、柔らかいマット。けがを防いだり、音がひびかないようにしたりしています。もしかして線路の石も、水や振動を吸収しているのでしょうか。関係づけて考えると、根拠のある予想が生まれます。
最後は、立てた仮説を検証するための実験方法を考える、「もっと探究」。今回は、ワイヤレス充電の仕組みについて、コイルがついた回路2つを使って考えます。一方は、充電器に見立てた回路。コイルと電池、スイッチをつないであります。もう一方は、スマートフォンに見立てた回路。コイルと電球をつないであります。電流が流れているときに明かりがつき、充電できることを示します。コイルの上に、もう一方のコイルを置きます。このとき、2つのコイルは接触していません。充電器に見立てた回路のスイッチを入れると…。切ると…。これでは、スマートフォンは一瞬しか充電できません。充電し続けるにはどうしたらいいのでしょう。
たとえば、この仮説。充電し続けるには、「充電器を流れる電流の大きさを変え続ける」。さらに、こんな仮説。「充電器のコイルを動かし続ける」。これらの仮説を確かめる実験方法を考えてみてください。探究せよ!