(オープニングタイトル)
今日のテーマは、熊本県。熊本県は九州地方の中央部にあり、県庁所在地は熊本市、人口はおよそ179万です。熊本県を知るキーワードはこの三つ。「阿蘇山(あそさん)」、「トマト」、「馬(ば)さし」です。阿蘇山は熊本県の北東部にある火山。今も活動していて、熊本が“火の国”ともいわれるゆえんです。噴火(ふんか)のあとにできたくぼ地を「カルデラ」といい、阿蘇山のカルデラはおよそ9万年前にできました。南北25km、東西18km。その中に農地や牧草地(ぼくそうち)が広がり、3万人以上がくらしています。
熊本県は、トマトの生産量(せいさんりょう)が日本一。トマトは寒さがにがてで、冬でも平均(へいきん)気温が7℃の熊本県はトマトさいばいにてきしています。平成26年、熊本県で生産されたトマトの量はおよそ13万トン。全国の17%をしめます。そして熊本の郷土料理(きょうどりょうり)の一つが、馬さし。馬の肉のおさしみです。熊本県ではおよそ5000頭の食用馬を育てていて、日本一の生産量です。そして熊本にはほかにも特産(とくさん)品があります。それは、畳表(たたみおもて)を作るのに使われる「いぐさ」です。
みえるくんがやってきたのは熊本県八代(やつしろ)市。およそ800ヘクタールでいぐさをさいばいしていて、収穫量(しゅうかくりょう)日本一です。八代市は冬の平均(へいきん)気温が11℃。6、7月に雨が多く、いぐさが育つのにぴったりの環境(かんきょう)です。この地域(ちいき)の土地は水はけが悪く、作物があまりできませんでした。500年ほど前、岩崎忠久(いわさき・ただひさ)という武士(ぶし)がこの地域をおさめるようになり、湿地(しっち)でも育ついぐさ作りをすすめたといわれています。
長年いぐさを育ててきたベテラン農家、下永(しもなが)さんからの問題。「いぐさを真っ直ぐ長く育てるために必要(ひつよう)なものは何でしょう?」。答えは…、「あみ」です。いぐさは、あみをはってその一マスに一かぶずつ入れて育てます。いぐさの成長(せいちょう)に合わせてあみの高さを調節(ちょうせつ)して真っ直ぐ長く育てます。
7月。いぐさが130cmくらいになると収穫(しゅうかく)です。あみを外し、かり取りはいぐさ専用(せんよう)の機械(きかい)で行います。かり取ると、自動的におよそ2000本のたばが作られます。それをず加工(かこう)場に運び、水でよごれを落とします。次は、泥(どろ)ぞめ。いぐさの表面に泥をつける作業です。兵庫県と広島県から取りよせたきめの細かい土を水とまぜた泥にひたすのです。
その後、14時間かけてかんそうさせます。泥(どろ)をつけてかんそうさせると、いぐさを真っ直ぐにたもつことができます。また、かわいた泥は、いぐさの中の水分をすばやく吸収(きゅうしゅう)し、しんまでかんそうさせます。するといぐさは長いあいだ緑色をたもつことができます。朝4時、じっくり時間をかけたかんそうが終わると、いぐさをゆすってよぶんな泥を落とします。畳表(たたみおもて)の原料(げんりょう)となる、いぐさの完成(かんせい)です。
いぐさの生産量(せいさんりょう)は年々へってきています。畳(たたみ)をあまり使わなくなったこと、安い外国産や化学製品(せいひん)の畳ができたことが理由です。しかし熊本がのこったのはなぜでしょう? みえるくんがたずねたのは畳表を作る工場です。まずはいぐさの選別(せんべつ)。きずや太さ、色をたしかめます。あみこむ直前に水分をふくませてやわらかくします。一畳(いちじょう)分をおりあげるのにおよそ一時間。そして人の目でチェック。きずのあるところは直します。こうして、一まいの畳表の完成(かんせい)です。
畳表(たたみおもて)は天然(てんねん)のいぐさを使ったものと、化学製品(せいひん)のものに分けられます。熊本産の天然の畳表と外国産をくらべると、熊本産の畳の目の細かいことがわかります。そのひみつは、「ひのみどり」といういぐさ。熊本県が10年かけて作り出した品種(ひんしゅ)で、ほかのいぐさより細く、ふつう畳一畳(いちじょう)にいぐさを4000本使いますが、ひのみどりは7000本必要(ひつよう)。きめが細かく美しいひのみどりの畳は大人気で、熊本でいぐさが作りつづけられている理由の一つになっています。
チーズちゃんの「都道府県クイズ」! ゾウの頭部のような形の都道府県、どこだかわかるかな? ヒント1.武田信玄(たけだ・しんげん)という武将(ぶしょう)がいた。ヒント2.富士山があるところ。ヒント3.「ほうとう」という郷土料理(きょうどりょうり)が有名。答えは…、山梨県でした。山梨県は、中部地方の南東部にあります。
山梨県の中央にある甲府盆地(こうふぼんち)は、1月と8月の気温差(さ)が24℃にもなります。四方の山から流れ出た土がつもってできた土地は水はけがよく、この土地と気候(きこう)を利用(りよう)して作られているのがぶどうです。生産量(せいさんりょう)は日本一。平成26年は全国の24%をしめます。そのぶどうを使って作られるのがワイン。山梨県でワインが作られたのは、130年ほど前。二人のわかものがフランスで技術(ぎじゅつ)を学び、つたえたのが始まりです。以来、全国一のワインの産地となりました。