(オープニングテーマ)
チーズちゃんが食べているおいしそうなタコ焼(や)き。このタコ焼きの発祥(はっしょう)の地は、大阪です。そこで今日は、大阪のことを調べましょう。大阪府は近畿(きんき)地方の真ん中にあり、人口はおよそ885万。府庁(ふちょう)がある大阪市は西日本最大(さいだい)の都市です。大阪を知るためのキーワードが三つあります。それは「商人」、「水」、そして「食」です。
400年以上前、大阪城(おおさかじょう)をつくった豊臣秀吉(とよとみ・ひでよし)は、城下にたくさんの商人を集めました。いろいろなお店ができ、以来、大阪は「商人の町」となりました。大阪の町を歩くとよく目にするのが、「橋」のつく地名。昔、橋があったところです。今も町のいたるところに川が流れていて、大阪は「水の町」といわれます。そして大阪名物の食べ物といえば、タコ焼(や)き。町なかにはタコ焼き屋さんがたくさんあり、ほかにもおこのみ焼きやうどんなど、大阪は「食の町」としても知られています。
ここで、大阪についてチーズちゃんが出した数字、「17352」。実はこれは、大阪府にある工場の数。工場数1万7352は日本一です。なかでも東大阪市はいちばんたくさん工場が集まっているところです。一体何を作っているのか調べてみましょう。東大阪市は人口およそ50万。大阪府で3番目に大きい町です。町を歩いてみると工場からいろいろな音が聞こえてきました。東大阪市には「町工場(まちこうば)」とよばれる小さな工場がたくさんあり、「この町では作れないものは何もない」ともいわれてます。
町工場の一つをたずねてみると、工場の中にはいろいろな機械(きかい)がならんでいます。何を作っているのかきくと、見せてくれたのは小さなねじでした。ここは金属(きんぞく)のねじを作る町工場。一日におよそ1万こ作っています。ねじ職人(しょくにん)の川端(かわばた)さんは、この道40年のベテランです。いっしょにねじを作っているのは息子さん。おくさんは事務(じむ)、むすめさんは営業(えいぎょう)を担当(たんとう)し、家族4人で工場を切りもりしています。
この工場で作るねじの多くは、ミシンの部品として使われます。画びょうより小さなねじもあります。ねじの材料(ざいりょう)は長い金属(きんぞく)のぼうです。ねじの種類(しゅるい)や大きさに合わせてぼうをえらび、機械(きかい)でけずります。作っているねじは、なんと500種類。お客さんから注文が入ると、川端さんは図面を見てねじの材料や作り方を考えます。どんな細かい注文にもこたえることができるのが、町工場の強みです。「うちのモットーは、“ぜったいにことわらない”です」(川端さん)。
ねじの形を作るのは、金属(きんぞく)の材料(ざいりょう)をけずる「バイト」という刃物(はもの)です。一見同じようなバイトに見えますが、びみょうな刃のちがいで、ねじの形がかわります。川端さんは自分で刃をといでバイトを作ります。「ねじの形をイメージして、手作業で刃を作っています。先輩(せんぱい)や父親のけずるすがたを見ておぼえるわけです」。長い経験(けいけん)によってつちかわれた職人(しょくにん)のわざ。東大阪の町工場は、こうした高い技術(ぎじゅつ)によってささえられているのです。
多いときには1万をこえる工場があった東大阪市。しかし今では半分近くにへってしまいました。景気(けいき)が悪くなった上に、外国から安い製品(せいひん)がたくさん入ってきて注文がへってしまったからです。しかし負けてはいません。宇宙(うちゅう)へ行くロケットにのせられた人工衛星(えいせい)「まいど一号」。“東大阪から宇宙へ”を合言葉に、東大阪の町工場が力を合わせて作り上げました。2009年1月、まいど一号は宇宙へ打ち上げられました。東大阪の技術(ぎじゅつ)力は、今や宇宙の分野にまで広がっています。
ねじを作っている川端さんも負けてはいません。きれいにつつまれたチョコレートのようなつめあわせ。じつはこれ、全部ねじなのです。クレヨンのように見えるものも、やっぱりねじ。ものをつなぎとめる役割(やくわり)しかなかったねじに、おしゃれなデザインを取り入れました。作り始めてから、新しいお客さんの注文がふえたといいます。頭にうかんだアイデアをもとに、次々と新しいねじに挑戦(ちょうせん)する川端さん。高い技術(ぎじゅつ)力があるからこそ、新しいものを生み出すことができるのです。
チーズちゃんの「都道府県クイズ」! 松(まつ)ぼっくりをかじっているリスのような形の都道府県、どこだかわかるかな? ヒント1.国の史跡(しせき)、鶴ヶ城(つるがじょう)がある。ヒント2.昔、炭鉱(たんこう)でさかえた町がある。ヒント3.喜多方(きたかた)ラーメン発祥(はっしょう)の地。答えは…、福島県でした。福島県は、東北地方の南のはしにあります。
いわき市は人口32万。福島県で2番目に人口の多い町です。40年ほど前までは炭鉱(たんこう)でさかえた町でした。その跡(あと)にできたのが、ハワイをテーマにした観光施設(かんこうしせつ)。この施設の目玉はフラダンス・ショー。映画(えいが)にも取り上げられ、全国に知られるようになりました。ショーに出た人が町の人たちにフラダンスを教え、いわきではフラダンスを楽しむ人たちがふえています。幼稚園(ようちえん)のおゆうぎもフラダンス。今、いわきではフラダンスが町を元気にしています。