(オープニングテーマ)
今日のテーマは埼玉(さいたま)県。埼玉県は、関東地方の東京のすぐ北がわにあります。人口はおよそ725万。県庁(けんちょう)があるのはさいたま市です。埼玉県を知るためのキーワードは、この三つ。「小江戸(こえど)」、「秩父(ちちぶ)山地」、「狭山(さやま)茶」です。
埼玉県の中央にある川越(かわごえ)市。ここは、昔の東京、つまり江戸のような町なみをしているという意味で、「小江戸」とよばれています。古い家や蔵(くら)を大切に保存(ほぞん)していて、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分が味わえると人気です。そして、埼玉県の西部にあるのが秩父山地。埼玉県のおよそ5分の1にもおよぶ広い森です。春は美しい草花、夏は新緑…と、四季折々(しきおりおり)の美しさを見せてくれます。東京から近いとあって、登山客を中心に多くの人たちがおとずれます。
埼玉県でさかんなのが、狭山茶というお茶のさいばいです。一年中すずしい気候(きこう)なので、お茶作りにてきしています。つみとったお茶の葉をよくかんそうさせればできあがり。味がこくてとてもおいしいお茶です。ところで、実は埼玉県は、ひな人形を全国でいちばんたくさん作っている県。生産量(せいさんりょう)全体の半分近くが埼玉県です。今日は、埼玉県のひな人形作りについて調べましょう。
みえるくんがやってきたのは、さいたま市にある岩槻(いわつき)区。ここには、ひな人形を売るお店が、50軒(けん)ほどあります。ひな人形とは、3月3日のひなまつりをいわって、家などにかざる人形のことです。女の子の健康(けんこう)と幸せをねがう気持ちがこめられています。お店にならんでいるお人形は、すべて職人(しょくにん)さんの手作りなのだそうです。
みえるくんは、人形を作っているところをたずねました。20代から70代まで、30人ほどの職人(しょくにん)さんがはたらいています。人形の顔は、「石膏(せっこう)」という白い粘土(ねんど)のようなものでできています。まずは、顔を作る職人さんに仕事を見せてもらいました。道具は、墨(すみ)と筆。さまざまな太さの筆を使い分けて、人形の下まつげやくちびるを書き入れていきます。10年近く修業(しゅぎょう)して、ようやく細かな筆づかいを身につけることができるそうです。
かみの毛をつける作業は、のりをかみの毛につけて、何度もとかしながら形を整えていきます。まるで本物のかみの毛のようなつややかさです。ひな人形の衣装(いしょう)には、150まい以上の布(ぬの)が使われています。職人(しょくにん)さんは色の組み合わせを見ながらデザインします。胴体(どうたい)は、わらで作った太い棒(ぼう)。これに布を重ねていきます。あらかじめ作っておいたすそを取りつけ、うでをつけ、上着を着せます。さいごに、かたやひじを曲げ、先ほどできた顔を取りつけると完成(かんせい)です。
今でもひな人形の職人(しょくにん)さんが300人以上いるという岩槻。なぜこんなに人形作りがさかんなのでしょう。それは今から400年前のこと。当時、日光東照宮(とうしょうぐう)が作られていて、東照宮に彫刻(ちょうこく)をほどこすために、うでのいい職人さんがおおぜい集められました。職人さんたちは、岩槻の町と日光を行き来していましたが、そのうちの何人かが、彫刻の技術(ぎじゅつ)を生かして人形作りを始めたのです。ところで、ひな人形はとてもごうかな衣装(いしょう)を着ています。なぜでしょう。
みえるくんがやってきたのは、埼玉県にくらす田中さんの家。孫(まご)の愛華(あいか)ちゃんがいます。田中さんの家では、岩槻の職人(しょくにん)さんが作ったひな人形を毎年かざっています。このひな人形は、愛華ちゃんが生まれたのを機(き)に買いもとめました。ひな人形のモデルは、昔のおひめ様。はなやかな衣装(いしょう)をまとい、幸せにくらすすがたを表しています。自分の子どもにもおひめ様のように幸せになってもらいたいとねがい、ひな人形をかざります。
田中さんの家のひなかざりの横に、大きな箱がありました。その中から出てきたのは、古いひな人形。田中さんのなくなったお母さんが買ってくれたものです。岩槻の職人(しょくにん)さんがていねいに作ってくれたひな人形が、今も、田中さん一家を見守ってくれています。
チーズちゃんの「都道府県クイズ」! リボンがついた長ぐつみたいな形の都道府県、どこだかわかるかな? ヒント1.雪で作った「かまくら」がある。ヒント2.伝統(でんとう)行事の「なまはげ」が有名。ヒント3.名物料理(りょうり)は、あつあつの「きりたんぽ」。答えは…、秋田県でした。秋田県は、東北地方の日本海がわにあります。
秋田県の北部にある大館(おおだて)市。ここは「秋田杉(すぎ)」とよばれる杉の産地(さんち)です。この杉から作られた「曲げわっぱ」というべんとう箱は、全国でも有名です。作り方は、うすくけずった秋田杉の板を80℃のお湯であたためます。木がやわらかくなったところで、型(かた)におしあて、べんとう箱の形に曲げていきます。金具は使わず、サクラの木の皮で杉板をとめつけます。このほうが丈夫(じょうぶ)で長持ちするのです。秋田杉がごはんのよぶんな水分をすってくれるので、さめてもおいしく食べられます。