(オープニングテーマ)
今日のテーマは、神奈川県。神奈川県は関東地方の南部、東京都のすぐ南にあります。県庁所在地は横浜市。人口はおよそ912万です。神奈川県を知るキーワードはこの三つ。「箱根」、「鎌倉(かまくら)」、「三浦大根(みうらだいこん)」。箱根は、神奈川県西部、標高(ひょうこう)1000m級の山々にかこまれた地域(ちいき)です。古くから温泉(おんせん)がわき出ていて、今では大小17の温泉があります。近くには美術(びじゅつ)館などの観光(かんこう)スポットもあり、年間2000万人近い観光客がおとずれます。
神奈川県南部、太平洋に面した鎌倉は、およそ800年前、武士(ぶし)たちによる政治(せいじ)の中心地となったところです。高さおよそ11m、国宝(こくほう)の鎌倉大仏(だいぶつ)は、武士たちの文化と中国からもたらされた文化がむすびつき生まれたものです。三浦大根は、神奈川県南部の三浦半島が主な産地(さんち)です。特徴(とくちょう)は下がふくらんだ形と、にるほどに味がしみこむこと。にものやおでんにぴったりの大根です。9月に種(たね)をまき、12月下旬(げじゅん)に出荷をむかえます。
箱根、鎌倉、三浦。どれも神奈川県を代表する場所ですが、わすれてはならないのは横浜港です。およそ160年前の横浜港に外国の代表の人たちが来たときの様子をえがいた絵があります。絵のおくにかかれているのはアメリカの船です。横浜港は、アメリカやヨーロッパの国々との交流を日本で最初(さいしょ)に始めた港です。このあたりの海はとても深く、大きな船でも入りやすく、港にてきしていたのです。横浜には外国からさまざまな文化が入ってきました。それは…。
みえるくんがやってきたのは、港が見える丘(おか)にある「山手」とよばれる地区。80年以上前にたてられた洋館が40軒(けん)近くたちならんでいます。イギリスの商人がたて、2000年まで学校として使われていた建物(たてもの)に入ると、昔、ダンスをしたりパーティーをしたりした広い部屋がありました。横浜にはヨーロッパだけでなくアジアの文化も入ってきました。中国からうつり住んだ人々がつくった横浜中華街(ちゅうかがい)には、今もその文化と伝統(でんとう)が息づいています。
横浜港を通じて入ってきた外国の文化は、日本の人々に大きなえいきょうをあたえました。当時の様子をつたえる「馬車道祭り」。そこで見られるドレス、馬車、そしてガス灯(とう)。これらはすべて、横浜ではじめてお目見えしました。ほかにも、アイスクリームやホテル、鉄道など、さまざまなものが横浜を通じて日本につたわりました。みえるくんがたずねたお店にも、当時のあるものがつたわっているそうですが…。
実はこのお店、日本ではじめて牛肉料理(りょうり)を出した店の一つです。当時、日本には牛肉を食べる習慣(しゅうかん)がありませんでした。そこで、その独特(どくとく)の風味を日本風にするようくふうしました。それは、ネギとみそ。イノシシの肉を食べる「シシ鍋(なべ)」からヒントをえました。「牛鍋」は大ヒット。今もその味は守られています。横浜では日本と外国の文化を合わせたものが次々に生み出されました。ここは当時、日本で最先端(さいせんたん)の文化発信(はっしん)地だったのです。
みえるくんがやってきたのは、横浜港を見下ろす灯台(とうだい)です。ここで1時間、どんな船がやってくるのか調べることにしました。LPG船、自動車専用(せんよう)船、コンテナ船…。1時間のうちに通った船は、14種類(しゅるい)45隻(せき)でした。横浜港は日本でもっとも交通量(りょう)の多い港といわれています。横浜市港湾(こうわん)局の海務課(かいむか)では、24時間体制(たいせい)で、船が安全にとめられるよう場所や順番(じゅんばん)を調整しています。このようなしくみがあるのは、日本では横浜港だけです。
安全に船を誘導(ゆうどう)するためにはたらく人はほかにもいます。水先案内(あんない)人、“パイロット”。この日、ベテランパイロットの長塚(ながつか)さんが乗りこむのは、2万7000トンのコンテナ船。なわばしごを使って高さ7mの船に乗りこみます。指示(しじ)はすべて英語。漁船(ぎょせん)や小型(こがた)船に気をつけながら指示をしていきます。次々と船が入ってくるので、すばやく岸によせることがもとめられます。横浜港では、こうした人々の努力(どりょく)によって船の安全がたもたれているのです。
チーズちゃんの「都道府県クイズ」! 鷹(たか)の顔のような形の都道府県、どこだかわかるかな? ヒント1.武士(ぶし)の時代を終わらせた西郷隆盛(さいごうたかもり)が生まれたところ。ヒント2.日本最大(さいだい)級のロケット発射基地(はっしゃきち)、種子島(たねがしま)がある。ヒント3.世界遺産(いさん)の屋久島(やくしま)がある。答えは…、鹿児島県でした。鹿児島県は、九州地方の南のはしにあります。
鹿児島県のシンボル、桜島(さくらじま)。ここには今も活動している火山があります。噴火(ふんか)によって「火山灰(ばい)」とよばれるすなのようなものがとんできます。火山灰は日ざしをさえぎったり、すいこむと肺(はい)などをきずつけたりします。しかし火山灰からできた土は特産(とくさん)品も生みました。それはサツマイモ。生産量(せいさんりょう)日本一です。さらに、サツマイモをえさにして黒豚(くろぶた)の飼育(しいく)もさかんです。鹿児島の人たちは、火山灰をうまく産業に生かしているのです。