チャプターあらすじを読む
scene 01宇宙からやってきたズビ
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「ぼくの名前はハジメ。ここ、民奈野(みんなの)市でマンガ家をしている。売れてないけどね。この日、ぼくの毎日をかえる出会いが、空からやってきた。」上空から何か落ちてきました。ドカーン! まどを開けて見たハジメは「えーっ?!」とびっくり。――「いや~、助かったよ。オイラはズビ。宇宙(うちゅう)から来たんだけど、とちゅうで乗り物がこわれちゃって。」空から落ちてきたのは、なんと宇宙人でした。「実は、おいらの星にはマチがなくてさぁ、みんなふべんなくらしをしてるんだ。そんなとき、地球にはくらしやすいマチがあるって聞いて、どんなものなのか調べに来たんだ。」と言います。

scene 02落とした通信機をさがそう
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「さっそくだけどハジメ、手つだってくれ」とズビが言います。「実は、大切な通信機(つうしんき)を落としちゃったんだ。いっしょにさがしてくれ。そして、コノマチを案内(あんない)してくれよ~。」と言うのです。「でも、ぼく、このマチのことあんまりくわしくないんだよねぇ。」とハジメ。すると、「ちぇーっ。じゃあいいよ。オイラだけでさがすよ。とりあえず、この家の上からまわりを見てみよう!」そう言うと、ズビはまどからとんで出ていきました。

scene 03これがマチかぁ!
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「おお~、これがマチかぁ!」上空からぐるっとまわりを見わたすズビ。「こっちには、川と、遠くに山が見えるぞ。向こうがわは、なんだか大きな建物(たてもの)が多いなあ。こっちには、家があるなあ。丘(おか)の向こうにもいっぱいあるのかなあ。」もう一度見わたして、「通信機(つうしんき)を落としたのは…、きっとあっちだ!」ズビがハジメの部屋にもどってきました。「ハジメ! 落とした場所、大体わかったんだ。取りにいってもどってくるから!」と、またとんでいきました。「ちょっと待って。行っちゃった…。一人でだいじょうぶかな。」としんぱいになるハジメ。

scene 04通信機を見つけたけど…
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「ふんふふーん♪」ズビが住宅街(じゅうたくがい)をとんでいきます。「家がいっぱい! たくさんの人がすんでるんだろうなあ。」住宅街をぬけて、町のはずれにやってきました。「えーと、ここらへんかなあ…。」すると草むらの中に、「あ、あった!」ズビの通信機(つうしんき)が落ちていました。さっそく頭のアンテナに取りつけます。「よーし。これで星とも通信ができるぞ」と大よろこび。「そうだ、ハジメにも、見つかったってれんらくしてやろう!」そう言ってとびあがったズビですが、木のえだに引っかかってしまいました。「あれえ? 動けない! どうしよう! ハジメー!」

scene 05「ハジメー! 助けてくれー!」
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「うーん、だいじょうぶかなあ」ハジメがしんぱいしていると、「ハジメー!」と、どこからかズビの声が聞こえました。「ズビか? 何これ、テレパシー?!」とおどろくハジメ。「助けてくれー!」と聞こえます。「どういうこと? ズビ?」でもそこでズビの声は切れてしまいました。あわててさがしに行こうとするハジメ。でも、どこへ行けばいいのかわかりません。すると、「ハジメ~!」とまたズビの声ですです。「今助けに行くから! どこにいるんだ?」と聞くと、「ハジメの家から、家の多いところをぬけて、にぎやかなところをこえた、その先だよ!」とズビ。そこでまた声が切れました。

scene 06方向はどっちなんだー!
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急いで外に出てきたハジメ。「そもそもこのへんは家ばっかだよ。どっちに行けばいいんだ?」ハジメはスケッチブックに絵地図をかき始めました。「ぼくの家がここ。まわりにはたくさんの家があって…。近くのにぎやかなところは、もしかして小学校かな。その先にあるのは…公園?」走り出すハジメ、小学校の前を走りぬけ、公園にやってきました。「あ、あった! 公園!」でも、ズビはいません。「いない! 方向はどっちなんだー!」とさけぶハジメ。

scene 07ズビを助けてくれたおじさん
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そのころ…。「うりゃ、ぬけろ!」ズビがえだにはさまれてもがいていました。「ハジメ~、場所を教えたのになんで来てくれないんだよ~。」するとそこへ、おじさんがやってきました。「北、キタキタキタ~! こっち南こっち北!」何かを見ながら歩いています。「わお! ぬいぐるみ発見!」とおじさん。「ぬいぐるみじゃないよ。オイラはズビだよ」とズビ。「おじさん、助けてくれ! 体が引っかかっちゃったんだ。」と言うと、おじさんは「いいよ」と、ズビを引っぱり出してくれました。「ありがとう。友だちのハジメに、むかえに来てってれんらくしたんだけど、なかなか来てくれなくてこまってたんだ。」とズビ。

scene 08「方位じしん」でせつめいしてくれた
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するとおじさんは、「ハジメちゃんちって、どっちのほうにあるの?」と聞きました。「えっと…向こうだったよ。」とズビが指さすと、「向こうね…。ということは、こっちが北だから、『南の方位(ほうい)』っていうんだよ。」と、手に持った方位じしん(じしゃく)を見せてくれました。「この赤いはりがつねに北をさしてるから、このはりに北の文字を合わせます。」そうすると、南、東、西の方角もわかるのです。「これで方向がわかるのか。べんりな道具だなあ。よし、さっそくハジメに伝えてみようっと。」とズビ。「えーと、ハジメの家は、ここから南のほうにある。ということは、ハジメから見るとこの場所は、北だ!」

scene 09ハジメの家から北のほうにいる!
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「ズビ、一体どこにいっちゃったんだ」とほうにくれているハジメに、「ハジメー!」とズビの声。「どこにいるんだ?」と聞くと、「ハジメの家から北のほうにいるんだ」と言います。「北か!」ハジメはまた絵地図をかいてみます。「たしかこの家の北には、大きな道路があったはず。」さっそく大きな道路に出てみると、たくさんの車が走っていました。「にぎやかな場所ってここかぁ。」そしてその先には…。「あっ、ズビ~!」「ハジメ~!」ズビがいました。「さがしたよぉ。でも、よく方位(ほうい)なんかわかったな。」と聞くと、「へんなおじさんが教えてくれたんだ…、あれ?」もうあのおじさんはいなくなっていました。

scene 10「方位じしん」を星にほうこく!
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ズビがおぼえたという方位(ほうい)をイラストでまとめることにしました。「マチに出かけるときに大切なのが、方向を表す『方位』だ。方位じしんを使って、自分のいる位置(いち)から東・西・南・北を調べることで、行きたい場所に行けるようになる。」とハジメ。「方位ってすごく大事なんだな。よし、星に報告(ほうこく)しよう!」ズビが頭のアンテナを使ってイラストを星へ送りました。すると…、「方位じしんか!」「東西南北がわかるわ。」「べんり、べんり!」星の人たちがよろこんでいます。ズビはしばらくハジメの家でくらして、コノマチのことをハジメといっしょに調べることにしました。「よろしくな~」

コノマチ☆リサーチ
オイラはズビ!コノマチを調べに来たぞ!
遠い宇宙から“マチ”のひみつを調べにやってきた宇宙人ズビと、その手伝いを頼まれた漫画家ハジメ。2人は民奈野市の調査を始め、方角(東西南北)の重要さを学ぶ。