ハジメとズビは、お祭りが行われる神社で話を聞いてみることにしました。神社の中原(なかはら)さんに、お祭りの意味を教えてもらいます。「昔から行われているお祭りなんです。秋に、しゅうかくを感謝(かんしゃ)して神様にほうこくするというお祭りです」(中原さん)。この神社ができたのは、およそ500年前。秋のお祭りは、農作物がたくさんとれたことを神様に感謝する行事なのです。でも、神社のまわりには田んぼや畑は見当たりません。
ハジメとズビは、お祭りが行われる神社で話を聞いてみることにしました。神社の中原(なかはら)さんに、お祭りの意味を教えてもらいます。「昔から行われているお祭りなんです。秋に、しゅうかくを感謝(かんしゃ)して神様にほうこくするというお祭りです」(中原さん)。この神社ができたのは、およそ500年前。秋のお祭りは、農作物がたくさんとれたことを神様に感謝する行事なのです。でも、神社のまわりには田んぼや畑は見当たりません。
すると中原さんが昔の写真を見せてくれました。今からおよそ130年前の神社のまわりの様子です。まわりは畑でした。そのころのまちの地図を見ると、田畑がたくさんあります。およそ45年後、まちに電車が通ると家やお店がふえてきました。そして今の地図には家がびっしり。「今は畑がないのに、なぜお祭りは行われているんですか?」と聞くと、「今、お祭りは地域(ちいき)の人たちがおだやかにくらせるようにいのったり、お店の商売はんじょうをねがったりして受けつがれてきています」とのこと。「マチの変化(へんか)とともに、オマツリをやる意味もかわってきたんだなぁ」とズビ。
お祭りのときに出る「おみこし」。これは昔からつづいています。畑がたくさんあったころは、主に農家の人たちがかつぎ、まちじゅうをねり歩きました。でも、畑がへっていくなかで、おみこしをかつぐ人はだんだん少なくなってしまったといいます。ついには、かつぐ人がだれもいなくなってしまった時期があったそうです。一体、どうやっておみこしを復活(ふっかつ)させたのでしょう。
15年前におみこしを復活(ふっかつ)させた清水(しみず)さん親子。清水さんは神社近くの商店街(がい)で長年商売をつづけています。「このまちの活気がなかったので、おみこしがあればもりあがると思って」(父の定雄さん)。なんとか復活させたいと、まちの人たちに声をかけつづけました。そのかいあって、ついにおみこしをかつぐグループが誕生(たんじょう)。今、そのリーダーは息子の祐輔(ゆうすけ)さんがつとめています。でも…。「わかい人たちはおみこしやお祭りへの関心(かんしん)がうすくて、人を集めることがたいへん。おみこしをつなげていくためにいろいろ工夫(くふう)もしている」とのこと。その工夫とは?
おまつりの前夜。ハジメとズビが祐輔さんをたずねました。「今みこし組んでるとこだから、手つだってってくれよ」と言われ、「よーし、やるぞ!」とハジメはやる気まんまん。「オイラもわくわくしてきたぞ!」とズビ。そしていよいよお祭りの日。おみこしをかつぐときがやってきました。おみこしをかつぐときの「はんてん」を着て、じゅんびばんたん。ズビもはんてんを着て、「オイラもじゅんびオッケーだぞ!」。おみこしの出発です。エイサ、ホイサ、エイサ、ホイサ…。ハジメもかつがせてもらいました。でも、リズムをとるのがむずかしい! 「かんばれハジメ! エイサ! ホイサ! エイサ! ホイサ!」。
きゅうけい中、見回してみると、さまざまなはんてんを着た人たちがいることに気づきました。これは何なのか祐輔さんに聞くと、「この祭りを手つだいに来てくれている人たちなんだよ」と言います。10の団体(だんたい)が来てくれているそうです。聞いてみると、「となりのまちから来て、協力(きょうりょく)しておみこしをやってます」「おみこしも、お祭りも、みんなで協力し合ってなりたっている」とのことでした。まちの各地(かくち)でおみこしがかつがれるたびに、しゅうへんのグループが手つだいに行くのです。「おみこしをつづけるための工夫(くふう)って、ほかのマチの人たちと協力することだったんだなぁ」。
日がくれて、おみこしが神社に入ってきました。「宮入(みやいり)」といって、いちばんもりあがる時間です。「ドッコイソーリャア! ドッコイドッコイ! ドッコイドッコイ!…」。おみこしと人でぎっしり。すごい熱気(ねっき)です。そして、手びょうしの一本じめでしめくくり。「いよおーっ」。シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャンシャンシャンシャン! 祐輔さんに、お祭りにこめた思いを聞いてみました。「お祭りがたえないようにつづけていくことが大切。おじいちゃんおばあちゃんと、子どもたちと、みんなでお祭りが楽しくできることをいちばんに思ってます」とのことでした。
部屋にもどったハジメは、今日調べたことをイラストにまとめることにしました。そして…、「よし、できた!」。お祭りは、まちの人たちに大切にされてきた行事。その意味は、まちの変化(へんか)とともにかわってきました。にぎわったときも、人がいなくなってしまったときもありました。「でも、マチの人たちの努力(どりょく)や工夫(くふう)で、今につづいているんだなぁ。よし、オイラの星にも、オマツリをつくるぞ!」。
ズビがイラストを星に送ります。すると…、星のマチでオマツリが行われました。「マツリだ! マツリだ!」「マチをもっと元気にしていくぞ!」「長くつづくオマツリにしよう~!」と、星の人たちもよろこんでいます。「エイサー! ホイサー!」。ズビがお祭りのはんてんを着てはしゃいでいます。「おいズビ、またそんなかっこうして…。祭りはもう終わったぞ」と言うハジメに、「だってすごく楽しかったんだもん!」とズビ。「また来年も行こうな」と言うハジメでした。