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scene 01“地球最後の秘境”
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“空中都市”マチュピチュ(ペルー)。大空を写す“天空の鏡”ウユニ塩湖(ボリビア)…。すばらしい大自然があふれる南アメリカ州。今回は、世界最大の熱帯雨林、アマゾンについて考えてみましょう。アマゾン川流域の広大な原生林には多種多様な生き物たちが生息し、そのなかには、いまだ未知のものも…。アマゾンは、“地球最後の秘境”とも呼ばれ、さまざまな理由で世界中の関心を集めています。そこで今回の疑問、『なぜアマゾンの熱帯雨林は注目を集めているの?』

scene 02地球上で最も生物の多様性に富む場所
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まずは、アマゾンを「多様性」という見方から考えていきましょう。アマゾンは、地球をぐるっと回って日本の裏側にあります。アマゾンとは、ブラジルを中心に7か国にまたがる熱帯雨林のこと。面積はなんと、日本の17倍もあります。そこは地球上で最も生物の多様性に富んだ場所。地球上に存在する種の4分の1が生息しているといわれています。アマゾンには未知の生き物がまだまだ存在しています。2015年までの過去17年間で、およそ2000種類もの新種の生き物が発見されました。

scene 03果物、植物にも世界が注目
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さらにアマゾンは、フルーツの宝庫です。日本でも知られるようになったアサイー。鉄分はレバーの3倍以上といわれています。そしてビタミンCがレモンの60倍以上といわれるカムカムなど、“スーパーフード”と呼ばれる果物もアマゾン原産です。もう一つ、世界が特に熱い視線を送っているのが、高温多湿な環境で育つ多種多様なアマゾンの植物。その数、6万種を超えるともいわれています。それらの植物には、薬として使える可能性のあるものがまだまだあるといいます。がんやエイズなど、難病の特効薬が生まれるかもしれません。こうしたアマゾンの多様性に、世界が注目しているのです。

scene 04密林の中の農地や牧場
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南米の衛星画像を見てみましょう。アマゾンの真ん中に寄っていってみると…。大きな川沿いに町が見えました。アマゾンの真ん中に町ができています。近くには、密林の中に魚の骨のような跡が見えます。これは、大きな道路を中心に、両外側に向かって開拓が進められているところです。大量にある四角い形のものは、農地や牧場。これが、アマゾンの産業として注目を集めているのです。

scene 05アマゾンとコーヒーとの深い関係
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次は、「産業」の見方から考えてみましょう。アマゾンの面積の6割を占める国、ブラジルの産業は、コーヒー。生産量、輸出量ともに世界第1位のコーヒー大国です。アマゾンの産業発展にはブラジルのコーヒーの歴史が関係しています。アフリカ原産のコーヒーがブラジルに植えられたのは、18世紀。20世紀初めには、コーヒーの世界シェアは80%。外貨収入のおよそ90%もコーヒー。さらに、ブラジルの労働人口の90%がコーヒー産業に従事していたといわれています。

scene 06林業、畜産業、農業
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しかし1929年10月24日、木曜日。のちに“暗黒の木曜日”と呼ばれるこの日、ニューヨーク市場の大暴落が起きました。世界恐慌です。しこう品であるコーヒーの需要は激減し、ブラジル経済は大きな痛手を負いました。そこで、コーヒー以外の産業も作ろうと動き出します。その一つが林業。アマゾンの木材は安くて加工しやすいため、ベニヤ板を作る木材としてアジアで人気があります。木を切ったあとは、森を焼き払い、牧場や農地を作りました。今やブラジルの牛の数は2億頭ともいわれ、世界1位。安くて赤身の多い牛肉は世界中で人気があり、輸出量は世界2位。また、大豆畑も年々拡大し、今では大豆輸出量世界1位を誇ります。

scene 07産業の反面失われていく森林
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さらにアマゾンの中には、世界最大級の鉄鉱石の鉱山が眠っていました。飛行機でしか行けないジャングルの中の鉱山を、日本をはじめ世界から支援を受けて開発を進めました。その結果、鉄鉱石の輸出量は、今では世界2位となっています。さまざまな産業の面からも、アマゾンが生み出す恵みに世界中が注目しているのです。その反面、アマゾンの森林の減少も進行し、そのことにも世界中の関心が寄せられています。ブラジルにあるアマゾンの森林だけで、過去50年のあいだに20%が失われたといわれています。これは、日本の面積の2倍にもあたります。2050年には、アマゾンの森林が40%失われるという予測も立てられています。

scene 08膨大な酸素を作り出す熱帯雨林
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アマゾンの森林が減るとどんな影響があるのか、次は「気候」から考えてみましょう。アマゾンの熱帯雨林の植物は、光合成で二酸化炭素を取り込み、酸素を作り出しています。その森林の広大さから、地球の酸素のおよそ25%を作っているという説もあるほどです。つまり、アマゾンの森林の減少は、温暖化を加速させ、砂漠化の進行など世界に悪影響を与えてしまうおそれがあるのです。

scene 09世界の“気候安定装置”
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そしてもう一つ。アマゾンの植物が作る水蒸気は、気流に水分をのせ、雨を降らせるのに関わっています。ブラジル最大の都市サンパウロで降水量が減り、年々深刻になる干ばつは、アマゾンの森林減少が原因だという研究も発表されています。アマゾンの森林は世界の“気候安定装置”としても働いているため、世界中の人が注目している理由の一つなのです。今回の疑問、「なぜアマゾンの熱帯雨林は注目を集めているの?」は、「多様性」「産業」「気候」という見方から考えると、その理由と抱えている問題も見えてきました。では、アマゾンの森林減少は日本にどんな影響を与えるのでしょう。みんなも考えてみましょう。

10min.ボックス  地理
なぜアマゾンの熱帯雨林は注目を集めているの?~南アメリカ州~
様々な生き物や植物が生息するアマゾン。一方、その森林減少で地球温暖化が進む可能性も。なぜアマゾンが注目されるのか「多様性」や「産業」などの「見方」をもとに探る。