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scene 01身近な地域について考える
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みんなは、自分が暮らしている身近な地域のことをどれだけ知っていますか。今回の舞台は、東京都葛飾(かつしか)区。葛飾区立水元(みずもと)中学校のみんなと一緒に、身近な地域について考えてみましょう。地理の授業で、自分たちが住んでいる水元地区の課題「洪水被害」について学んでいる生徒たち。自分たちの地域で洪水が起こったらどうするかを考え、それをまとめて発表するのです。そこで今回の疑問、『もし洪水が起きたら?』。

scene 02たびたび洪水に見舞われてきた地区
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まずは、「地域の特徴」という見方で考えてみましょう。水元地区は、江戸川(えどがわ)、中川(なかがわ)、大場川(おおばがわ)の三つの川に囲まれています。この地域はたびたび洪水に見舞われてきました。1947年の「カスリーン台風」の際は、猛烈な大雨によって利根川(とねがわ)が埼玉県内で決壊。家屋の浸水や流出が起こり、多数の死者や行方不明者を出しました。その影響は水元にまで及び、大きな被害をもたらしました。その後も水元地区は、何度も台風による洪水に見舞われています。

scene 03ハザードマップで予想被害を調べる
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こうした洪水が起こった場合、水元の被害はどれくらいなのか、みんなは「ハザードマップ」で見てみました。ハザードマップとは、災害による被害の程度を予測した地図のことで、地域ごとに作られています。葛飾区の「江戸川洪水ハザードマップ」は、3日間の総雨量318mmの大雨により堤防が決壊した場合を想定しています。洪水によって地面からどの高さまで水が覆うか、浸水の深さごとに色分けされています。水色は浸水1m未満。緑色は1.5m未満。黄色は2m未満。オレンジ色は3m未満。あくまで想定ですが、水元地区は建物の2階部分までつかる場所の多いことがわかります。

scene 04洪水になったらどこに逃げるか
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もし自分たちが生活する水元地区が洪水になった場合、どこに逃げればいいのか、みんなは学校の屋上から見てみることにしました。まず北を見て、逃げられそうな場所は…。「小学校がありました」(男子)。それ以外に高い建物は…。「ありません」(男子)。ほかの方角も見てみますが、東は「水元公園があった」(女子)。でも高い建物はありません。西にも南にも、高い建物はあまりありません。水元の町を屋上から見てみると、高い建物が少ないため、洪水が起こったときの避難場所があまりないということがわかりました。

scene 05避難する場所を探してみる
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では一体、どこに避難すればいいのでしょう。みんなは通学路を実際に歩いて、避難できそうな高い建物はないか探してみることにしました。すると、道ばたの電柱に何か発見したようです。洪水が起こったときに、この地点で予測される浸水の深さを示す標識でした。この標識は、町のあちこちにあります。住民が実際の避難経路を考えるとき、こうした情報はとても大切です。そして中学校からおよそ500m離れたところで、高い建物を見つけました。水元総合スポーツセンターです。

scene 06「洪水緊急避難建物」という建物
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ほかにはどうでしょうか。東水元小学校がありました。門に、あるマークを見つけました。「洪水緊急避難建物」とあります。これは、洪水の際に緊急避難する建物を示すマークです。「トイレもあるし、建物が高いからいいのかな」(男子)。そこで先生が、「このマークどっかで見たことある?」と聞きました。「水元中学校」とみんなが答えました。そう、みんなが通う水元中学校にも同じマークがあるのです。洪水緊急避難建物に指定されているのは、学校やスポーツセンターなどの高い建物で、ハザードマップにも記されています。

scene 07地域の人たちのために何ができるか
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ハザードマップでは、浸水の危険が少ないほかの区域に避難するよう指示しています。しかし、何らかの理由で避難する時間的余裕のない人にとっては、洪水緊急避難建物は一時的な避難場所として機能するのです。洪水に備えるためには、こうした避難場所を住民が前もって確認しておくことが大切です。もし洪水が起こったら、水元中学校も避難場所になります。そうなったとき、地域の人のために自分たちは何ができるのでしょう。次は、「自分の行動」という見方で考えてみましょう。

scene 08電気も使えなくなったら…
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洪水が起こったとき自分たちはどんな行動をとるべきか、みんなはグループに分かれて話し合いました。「家に1個、防災グッズを置くように呼びかける」(女子)。「車イスが重いよね」(女子)。「浸水したら電気使えないでしょ。だからエレベーターも使えないし、階段も車イスの人や松葉づえの人だったら無理だから、そこでおれたちが、けがの人をどうやって助けられるか」(男子)。洪水が起こったとき、地域の人々のために自分たちがどう行動すればいいか。みんなで話し合うなかで、いろいろな意見が出ました。

scene 09未来のために私たちができること
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そしていよいよ発表です。「私たちのテーマは『これからの東水元の対策』です。…たとえば、食料がなくなった場合のために準備する。また地域の方々と、呼びかけなどをして協力することが大事です」。別のグループは、「テーマは『未来のために』です。…今、私たちにできることは、災害時に積極的に手伝うことです。具体的には、学校に避難してきた人に学校案内や介護ができます」。また別のグループは、「未来私たちができること。…避難所の手伝いをする。たとえば、小さい子のめんどうを見たり高齢者の介護をしたり。インターネットなどの情報力があるので、それで避難の声をかける」と発表しました。

scene 10自分の住む地域にはどんな課題がある?
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この授業を通して、地域の持つ課題を自分のこととして具体的に考えられるようになりました。「当事者意識を持つようになった。さらに、前向きに地域のことをとらえられるようになった。そういう意味でこの授業をやったなかで、生徒の成長があったと思います」(社会科担当の東野先生)。今回の疑問、「もし洪水が起きたら?」。葛飾区水元地区について、「地域の特徴」や「自分の行動」などいろいろな視点から考えてみました。みんなが住んでいる地域にはどんな課題があるのでしょう。みんなで話し合ってみてください。

10min.ボックス  地理
もし洪水が起きたら?~身近な地域の調査 将来どうする?~
洪水による被害がたびたび起きた東京都葛飾区水元地区。もし洪水が起きたらどう考え、行動すればいいか、「地域の特徴」や「自分の行動」などの見方をもとに探る。

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