(オープニングタイトル)
「どうも~。公民なのに体育。岡崎体育で~す」とタイイク。続いて、「ダルさんです」と公民ダルマも自己紹介。「さっそくだけど、今日のテーマは?」とタイイクか聞くと、「情報社会だ!」とダルさん。「まぁ、岡崎といえば情報社会の申し子ですよ。ネットのおかげでいろんな人に自分の曲を聴いてもらえるようになったし」とタイイク。でも、「ほぉー。じゃあ、情報社会ってどんな社会?」とダルさんに聞かれ、「そりゃあ…、情報にあふれた社会ですよ…」と曖昧な返事。そこで、「まず、これを見て!」とダルさんが言いました。
私たちはインターネットなどを使ってさまざまな情報を手に入れたり、発信したりしています。このように、大量の情報が世界中を行き交う社会。それが「情報社会」です。たとえばSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。スマートフォンやパソコンを使って誰もが気軽に意見や情報を発信することができます。自動改札機はICカードの情報を瞬時に読み取っているし、コンビニエンスストアでも大量の情報がやりとりされています。たとえば店内に置かれたATMを使うと銀行口座からお金を引き出せます。銀行などとネットワークでつながっていて、情報のやりとりをしているのです。
コンビニなどで使われるポイントカードも、ただポイントが貯まるだけではありません。情報を読み取ると、カードに登録されている年齢や性別といった情報と買った商品とが関連付けられて処理されます。コンビニ側はその情報を販売戦略や商品開発に役立てているのです。たとえば、あるコンビニでは朝コーヒーを買う人の多くが同時にサンドイッチを買っていることがわかりました。そのためサンドイッチの品ぞろえを増やし、品切れにならないようにしています。情報社会のおかげで、私たちの暮らしはどんどん効率よく便利になっているのです。
「いやぁ、すごいね情報社会。チョ~便利」と感心するタイイク。すると、「でもね、気をつけないといけないこともあるよ。それが、個人情報の流失」とダルさん。「タイイクの住所とか電話番号が知らないうちに広まってしまうかもしれない」と言われ、思わず「怖いわ、情報社会…」と言うタイイク。するとダルさんが、「確かに怖い。けど便利。だから情報化の波は止まらないと思うよ」と言いました。「これからどうなっていくんだろう」と心配そうなタイイク。「そこでお次は、今最も進化中、注目の情報技術を見てみよう」とダルさんが言いました。「何?」。「AI=人工知能だ!」。
スマートフォンに知りたいことを話しかけると…。「明日の天気」。『渋谷は、明日は31℃で、快晴でしょう』。ほしい情報をすぐに教えてくれます。お掃除ロボットは動き回りながら部屋の広さや家具の位置などを把握して、効率的に掃除してくれます。これらの機能を可能にしたのが、AI=人工知能です。AIは大量の情報を瞬時に処理できるだけでなく、まるで人間のように、自ら学習することができます。
わかりやすい例を紹介しましょう。AIと将棋のプロ棋士との対戦です。将棋用に開発されたAI『ポナンザ』は、今まで人間には一度も負けたことがありません。どうしてそんなに強いのか。それは、ポナンザが自ら繰り返し学習したからです。まずポナンザに、過去のプロ棋士の対局5万局の情報を読み込ませました。続いて、ポナンザ同士で対局。その数なんと700万局。人間が一年で3000局対戦しても2000年以上かかるとてつもない数です。どう駒を動かせば勝ちにつながるのか、ポナンザは700万局分のデータを蓄積しました。
そしていよいよ人間の棋士との対戦。ポナンザの第一手。それは常識では考えられない手でした。ポナンザ、本当にこれでいいのでしょうか。そして…。「参りました」とプロ棋士。今回もAIの力が人間を上回ったようです。「自分で勉強してどんどん賢くなっていくって、AIすごいなぁ」とタイイク。「いずれAIは人間の知能を超えるのではないかと予想する人もいるんだ」とダルさん。「てことは、これからもっともっと便利になっていくってことだよね。いいことじゃん」とタイイク。「確かに人工知能によって仕事の効率化が進むといわれている。それによって、こんなことがあるんだ」…。
人間の能力を上回るAIが身近なところにも現れています。あるタクシー会社では、売り上げが伸び悩んでいたことから、AIの導入に踏み切りました。AIを搭載したカーナビ。画面の地図の上に並んだ数字は、30分間にそのエリアに何人のお客さんが現れるかを予測したものです。AIが使うデータは、街にいる人の携帯電話の位置情報。そして過去一年間の運転手1900人分のタクシーの乗降データ。どの場所で、いつ、どれくらいの客が乗り降りしたのかというデータです。この2つを分析すれば、今、どのエリアに客が多いかを予測できます。
実際にそのカーナビを使うところを見せてもらいました。AIは、客のいそうなエリアだけでなく、どの道をどの方向に走れば客と出会う確率が高いのかも矢印で示してくれます。矢印通りに走って5分。いきなり最初のお客さんに遭遇。さらに、AIの指示に従って、普段は走らない道に入ってみると…。またも予測的中。お客さんを見つけました。AIを導入してから、この会社では売り上げが20%も増えたそうです。走れば走るほどAIは自分で学習して、精度を上げていきます。これなら効率よく客を見つけることができそうです。でも、AIがさらに進化したら…、もうドライバーは要らない?
「今まで人がやってきたことをAIがするようになるってことは、仕事がなくなっちゃう人が出てくるってこと?」と驚くタイイク。「そうかもね。こんなデータがあるよ」とダルさんが見せたのは、AIの導入によって雇用が減ると予想されている業種のデータです。人間がする仕事と、AIにまかせる仕事。分かれていくかもしれませんね。「AIが得意なことは、AIにまかせるとか」。「そう。だから人間に求められる能力が変わってくるかも知れないね」とダルさん。「えっ? てことは、どんな準備をしたらいいんだろう。効率よくサボるとか? AIは効率よくサボれないよね…」。