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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene 01今日のテーマは、「金融」
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「ねえ、タイイク。ちゃんと貯金してる?」とダルさんが言いました。「ダルさん、急にどうしたの。ちゃんと銀行にお金を預けてますよ」とタイイク。「さすが売れっ子! 君のそのお金が日本経済を支えているかもしれないんだよ」。ダルさんにそう言われ、「いや、いくらなんでもそんなにたくさんは…。ていうか、なんでぼくのお金が日本経済を支えているってことになるのさ」とタイイク。「知りたい?」。「うん、知りたい」。「ほんとに?」。「ほんとに」。「じゃあ、教えちゃう!」。

scene 02銀行は預かったお金を企業に貸し出している
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私たちがお金を預けるときに利用する、銀行。実は銀行は、預かったお金を企業などに貸し出してもうけています。たとえば、ある企業が「新しい商品を作りたいけどお金が足りない」という場合、銀行からお金を借りることができれば解決できます。そして新商品がヒットすれば、企業はもうかって社員の給料もアップします。すると、お金が世の中に回っていくようになる。つまり、景気がよくなります。銀行は貸出先の企業から利子を取ります。そしてそのお金の一部を、預金した人に利息として支払います。この差額が銀行のもうけです。

scene 03およそ47兆円もの“タンス預金”
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しかし、このところ普通預金の金利は0.001%程度。お金を預けてもほとんど増えません。そのためお金を銀行に預けず自宅に保管する人もいます。こうしたお金は“タンス預金”と呼ばれ、その額およそ47兆円。世の中に出回らないお金なので、企業も借りられません。タンス預金は景気を停滞させているといわれているのです。

scene 04一般銀行と「中央銀行」
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「ぼくが銀行に預けたお金は企業の資金になるわけだ。確かに、預かるだけじゃ銀行ももうからないもんね」とタイイク。するとダルさんが、「タイイク、銀行にはみんながお金を預ける一般の銀行のほかに、『中央銀行』って呼ばれるところがあるんだ。日本銀行って聞いたことない?」と言いました。「よくニュースで“日銀”っていわれているやつだよね?」。「その通り。日銀には一般の銀行とは違う役割があるんだよ」とダルさん。

scene 05日本銀行の三つの主要業務
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日本銀行の主な業務は三つあります。一つめは、紙幣の発行。私たちが使っている一万円札などの紙幣。よく見ると、「日本銀行券」と書かれています。紙幣を発行できるのは日銀だけです。二つめは、政府のお金の管理。政府は日銀に口座を持っていて、国民から集めた税金や社会保険料を預けています。公共事業の費用や国民に支払う年金などは、この口座から出ています。三つめが、「銀行の銀行」としての業務。一般の銀行も日銀に口座を持っています。預けている金額によって、利息も支払われています。必要に応じて、銀行に資金の貸し出しもしています。

scene 06日本経済の安定のために
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日銀がこうした特別な業務を担うのは、大きな使命があるからです。それは、日本経済の安定。2016年、停滞する経済を活性化させようと、日銀はある政策を発表しました。それは…、マイナス金利。なんと、銀行から預かっているお金の一部に対して、利息がマイナスになるようにしたのです。つまり、日銀にお金を預けていると銀行は損をするということ。ねらいは、世の中に出回るお金の量を増やすこと。「損をするくらいなら企業に貸し出そう」と銀行が考えるのではと期待したのです。2018年現在、この政策は続いています。効果があるのかどうか、意見が分かれています。

scene 07最近つかわれるようになった“仮想通貨”
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「なるほど。日銀が世の中のお金をコントロールしているんだね」とタイイク。「日銀のような中央銀行はほとんどの国にある。中央銀行がお金をきちんと管理していれば、価値が安定して、みんなが安心して使えるんだ。でも…」とダルさん。「でも?」。「最近、国が発行しているお金以外も取引に使われるようになってきたんだよ」。「もしかして、仮想通貨ってやつ?」とタイイク。「おおっ! よく知ってんじゃん!」。

scene 08仮想通貨とは
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仮想通貨とは、インターネット上で電子的にやり取りされるデジタル通貨。円やドルなど、国家が価値を保証しているお金とはまったく違う仕組みで成り立っています。仮想通貨の信用を支えているのが、テクノロジー。データを暗号化することで、偽造したり、使用した履歴を改ざんしたりできないようになっています。世界にはこうした仮想通貨がおよそ2000種類もあるといわれています。

scene 09キプロス危機をきっかけに
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仮想通貨の利用が拡大するきっかけとなったのは、2013年のキプロス危機。経営に行き詰まった銀行を救済するために、キプロス政府は国民の銀行預金の一部を強制的に徴収することにしたのです。自分たちの預金が減ってしまうと知って国民は猛反発。その結果、銀行は閉鎖され、預金者がお金を引き出したり送金したりすることができなくなってしまいました。そこで注目されたのが、仮想通貨。国や銀行に管理されていないからこそ信用できると考える人が増えたのです。

scene 10手数料が安いというメリット
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仮想通貨は日本でも利用が始まっています。東京・六本木のあるレストランでは仮想通貨で支払いができます。お店側にとって仮想通貨を導入するメリットは、銀行やクレジットカードと比べて手数料が安いこと。クレジットカードの場合、客がカードを使用するごとに、お店はクレジット会社に手数料を支払っています。一方、仮想通貨は銀行やカード会社を通さないなどの理由で手数料を安くできるのです。「すごく便利、速い。安心して使っている。全然心配はありません」(レストランのオーナー)。

scene 11仮想通貨の多くの課題
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ところが、仮想通貨とお金を交換する取引所で、データが盗まれるという事件が次々と起こりました。被害額は、2018年だけでもおよそ650億円相当。事件後、仮想通貨の価値は大きく下がってしまいました。仮想通貨を扱う業者のセキュリティに不安があることや、通貨の価値が安定しないことなど、仮想通貨にはまだまだ多くの課題があるのです。

scene 12信用できる? 信用できない?
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「うーん、仮想通貨か。ぼくはちょっと信用できないなぁ。だって、国の後ろ盾がないんでしょ?」とタイイク。すると、「でも、ハイパーインフレになって、円の価値がすごーく下がっちゃうことだってあるかもよ」とダルさんが言います。「うーん、そう言われると…。じゃあ、いざというときに備えて仮想通貨を持っていれば安心、てことになるのかなぁ。みんなが仮想通貨を持っていれば、円はいらなくなるし…ってなってくると、“世界通貨”ってことになるのかなぁ。やっぱりちょっと不安だなぁ…」とタイイク。

アクティブ10 公民
仮想通貨って信用できる?
国家が価値を保障する通貨とは別に、インターネット上で取引される仮想通貨が様々な場面で利用されはじめている。利用が広まった背景から通貨や金融の役割について考える。

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