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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene 01『日本国憲法とみんなの暮らしの関係を調べよ』
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ここは『ドキリ社会研究所』。みんなが幸せに暮らせるよう、社会の仕組みを調べている研究所です。「今日からここで働くのかぁ」。新人研究員のアッキーがやってきました。「お、いたいた。おはよう、キリ!」。AIアシスタントのキリに声をかけます。でもキリは無反応。「あ、ちがった。何だっけ? えーと、“オーキドーキー”、キリ!」。すると、「おはようございます、アッキー。そろそろ所長からのミッションが送られてくる時間です」とキリが言います。そこへ所長から初ミッションのファクスが届きました。『日本国憲法とみんなの暮らしの関係を調べよ』とあります。「え~っ。憲法って、なんかむずかしそうなやつでしょ」。

scene 02国の仕組みを作り、動かすためのルール
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するとキリが、「憲法についてこんなものが見つかりました」と日本国憲法の原本を映し出しました。日本国憲法は、国の仕組みを作り、動かすためのルール。1947年5月3日に施行(しこう)されました。日本のすべての法律や決まりは憲法に従って作られています。「日本でいちばん大事なルールが憲法ってことね。で、何のために作られたの?」とアッキー。キリがたとえ話で説明します。ドキリ王国には強い権力を持つリーダーがいました。リーダーは時にわがままを言い、暴れることがあったので、国民はおびえていました。そこでリーダーの行動を制限し、国民を守るルールができました。これが、私たちにとっての憲法です。

scene 03社会の仕組みが見える“ドキリ・ガジェット”
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「なるほどねぇ。とはいえ…、ふだんの生活と憲法がどう関係しているかなんて、いまいちピンとこないなぁ。ふだん憲法なんて全然考えないし、どうすればいいの?」とアッキー。「そんなアッキーには、こちら」とキリが見せたのは、目に見えない『社会の仕組み』が見える“ドキリ・ガジェット”。今回は、「日本国憲法モード」に設定しています。「どれどれ? 何が憲法に関係しているのかな…」。ドキリ・ガジェットを装着してまわりを見回すアッキー。すると…、「え? 天気予報にロックオン? なんで?」。ドキリ! 「天気予報を知ることができるのも、現在の憲法があるからです」とキリ。「そうなの?」とアッキー。

scene 04今の憲法がなかった時代は
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「え? ちょっと待ってよ。じゃあ、今の憲法がないときはどうしてたの?」とアッキーが言うと、キリが1940年ごろの映像を映し出しました。そのころ、日本は外国と戦争をしていました。気象データは、爆弾(ばくだん)を落とすタイミングなど、戦争を有利に進めるかぎをにぎっていたため、秘密にされていました。台風の上陸を国民は知らされず、死者・行方不明者が1100人をこえたこともありました。「そうか…。憲法の大切さが少しわかってきた気がする。よし、このドキリ・ガジェットを使って、暮らしの中の憲法を調べてくるか!」。アッキーがドキリ・ガジェットをかけて調査に出かけます。

scene 05小学生と憲法!?
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「暮らしの中の憲法はどこだ…?」。アッキーがドキリ・ガジェットをかけてまちを調べていると…、ドン! 「すみません、ごめんなさい」。小学生たちとぶつかってしまいました。「だいじょうぶ?」と声をかけるアッキーですが、ドキリ・ガジェットが小学生に反応しました。「え? 小学生にロックオンした。なんで?」。ドキリ! 「小学生が憲法と関係しているの?」とアッキー。すると、「はい。憲法があることによって、だれもが教育を受けることができます」とキリ。「そうなんだ! 学校に通えるのは当たり前だと思ってたなぁ」。

scene 06点字ブロックと憲法!?
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「ほかには何が…」。さらにまちを調べるアッキー。すると、ドキリ・ガジェットが歩道の点字ブロックに反応しました。「え? 今度は点字ブロックにロックオン。なんで?」。ドキリ! 「点字ブロックが憲法と関係しているの?」。すると、「はい。憲法があることによって、だれもが自由に外出したり、旅行したりできます」とキリ。「そうか。目の不自由な人たちが自由に外出するためにあるんだ」。

scene 07本もお金も、トイレも憲法!?
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商店街を歩くアッキー。「そうだ。本、予約してたんだ」。本屋さんに入ると…。「あれ? たくさんの本に反応してる」。ドキリ! 「本が憲法と関係しているの?」。「はい。憲法があることによって、本を読んだり書いたりできます」とキリ。そして、お金をはらって本を受け取ろうとすると…。「え、お金にロックオン? 何で?」。ドキリ! 「お金も憲法?」。「はい。憲法があることによって、自分のお金を自由に使えます」とキリ。「そうか、あれもこれも憲法が関係しているんだなぁ」。帰りに駅のトイレに寄ろうとしたアッキー。「はあ? トイレも憲法? なんで?」。ここで、ドキリ・ガジェットのバッテリーが切れました。

scene 08トイレと憲法のつながりとは?
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「充電(じゅうでん)、充電!」。アッキーが研究所にもどってきました。キリが、「急速充電~!」と、急いでドキリ・ガジェットを充電します。「さっきのトイレ、どういうことだったんだろう。ちょっと調べてみよう」。記録してきたトイレの映像をアッキーがチェックします。「トイレと憲法のつながりかぁ。うん? 子どもトイレ? 子どもサイズがあるのが、憲法? あれ? 多目的トイレが2つある。めずらしいな。これも憲法に関係しているのかなぁ?」。さらに調べると、「あ、このトイレを作った人の動画だ。何かヒントがあるかも」。アッキーは動画を再生してみます。

scene 09一人ひとりを大事にする
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このトイレを設計した小林純子(こばやし・じゅんこ)さん。小林さんが心がけているのは、お年寄りから子どもまで、さまざまな利用者の声に耳をかたむけることです。「トイレって、一人ひとりに話を聞いてみると、行為(こうい)は同じようだけど、やっぱり少しずつちがう。体が不自由な人は手すりがよりどころなんです。だから、右しか使えない人は、右側の手すりが命づな。使えるのが左の人は、左側の手すりが命づな。左右対称(たいしょう)に手すりを付けたもので、多目的トイレは2か所あるんですね。ただ便器が置いてあるだけのトイレではなく、一人ひとりを大事にしようと」(小林さん)。

scene 10当たり前の毎日が憲法とつながっている
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「一人ひとりを大事にする、か…。確かに、障害のある方や高齢者(こうれいしゃ)、子どもたちが使いにくいトイレは困るよね」とアッキー。「はい。憲法があることによって、だれもが平等にあつかわれます。日本国憲法には、『基本的人権の尊重』が定められています。基本的人権とは、だれもが自分らしく生きることができる権利です」とキリ。「天気予報やトイレ。ぼくたちの当たり前の毎日は、憲法とつながっている! ようし、報告、報告…」。所長に報告するアッキー。みんな、社会に“ドキリ!”としたかな?

社会にドキリ
日本国憲法
天気予報を知ることも、小学校へ通えるのも、実は憲法があるからだと知ったアッキー。自分たちの暮らしに憲法がどう関わっているのか主体的に考えられるようになっていく。