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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene 01家や学校、工場などから出る「下水」
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「ごちそうさまでした」。ココロ、チズル、トッキーの3人の食事が終わりました。「お皿きれいにするね。ポチッと」。チズルが取り出した機械のスイッチを入れてお皿を照らすと、お皿がたちまちきれいになりました。「はい、トッキー」。トッキーにも機械をわたします。「そういえば、日本では水を使ってお皿をきれいにしてたのよね、ファンファン?」とトッキーが言いました。「そうだね。家や学校、工場などで使われた水はよごれていて、『下水(げすい)』とよばれている。そして下水は、下水処理(しょり)場できれいにされているよ」とファンファン。

scene 02よごれた水をきれいにするわけは
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「え、なんで? よごれた水をきれいにするの?」とチズル。「それは、水がじゅんかんしているからなんだ。使った水は川や海に流され、蒸発(じょうはつ)して雲となる。やがて雨になってまた生活にもどってくるんだ」とファンファン。「ふーん、なるほど」。下水処理(しょり)場できれいにすることで、川や海をよごさずにくりかえし水を使うことができるのです。すると、「下水処理場って、どんなところなんだろうね」とココロ。「よし。じゃあぼくが調査(ちょうさ)に行ってくるよ」とチズルが立ち上がりました。「よろしく! ファンファン!」。「りょうかい!」。

scene 03下水道管の中は…
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チズルがやってきたのは、大都市東京。「えー? ファンファン、ここどこ?」。建物の中のようですが、にごった、いやなにおいのする水が流れています。すると、「こんにちは、おどろいた? ここは、みんなが家や学校で使ってよごれた水が流れてくる下水道管の中ですよ」と下水道局の樋田(といた)さんがあらわれました。下水は、地下にうまっている下水道管を通って下水処理(しょり)場へと流れていきます。下水道管には、生活から出たよごれた水のほかに、雨水もいっしょに流れこんでいます。

scene 04東京の下水道管の全長は約16000km!
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東京23区の下水道管を表した地図。あみの目のように下水道管が引かれていて、くらしている人全員が下水を使えるようになっています。管をつなげた長さは、およそ16000km。東京とオーストラリアのシドニーをおうふくできるきょりです。「地下にうまっているのでふだん目にすることはありませんが、みなさんの安全で安心な生活を縁(えん)の下でささえる重要な役割(やくわり)をになっているんですよ」(樋田さん)。「へぇー。でも、これが本当にきれいになるのかなぁ?」と、にごった、いやなにおいのする流れを見下ろすチズル。そこで…。

scene 05水の再生を行う「下水処理場」
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下水道管をたどって下水処理(しょり)場に向かいました。やってきたのは、東京都にある下水処理場の一つ、三河島(みかわしま)水再生(みずさいせい)センター。むかえてくれたのは、下水道局の髙橋さん。まず案内されたのは、下水が初めに入ってくる「ちんさ池(ち)」です。ここでは、下水といっしょに流れてきたごみやすなを取りのぞいています。「これ、みんな下水に流れてきたごみなんだよ」と髙橋さん。「すごい! こんなにたくさんのごみが!?」とおどろくチズル。おかしのふくろやウェットティッシュなどもあります。「ほとんど、人が出したごみですね」。

scene 06微生物の力でよごれを分解
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大きなごみを取りのぞいたあと、細かなよごれも時間をかけて取っていきます。さらに、目に見えないよごれまでなくしていきます。「ここでは微(び)生物が下水のよごれを分解(ぶんかい)してきれいにしているんだ」(髙橋さん)。茶色く見えているのは、よごれではなく微生物。およそ60種類のとても小さな生き物がよごれを食べているのです。よごれを食べた微生物が重くなってしずんでいくと、だんだん水がきれいになっていきます。「あと何か気づいたことはない?」と聞かれ、「においがしません」とチズル。微生物で、よごれだけでなくにおいも分解できるのです。

scene 07きれいによみがえった水を川へ流す
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微(び)生物の力を借りてよごれとにおいを取りのぞいたら、働きを終えた微生物をしずめて上ずみを集めます。「すごい! 透明(とうめい)になってる!」とおどろくチズル。「最初はあんなににおいがきつかったのに、こんなにきれいになるとは思ってませんでした」。水再生センターに流れこんできた下水は、およそ15時間かけて、魚や生き物がくらせるほどによみがえります。「こうやって、水再生センターできれいになってから、川に放流されるんだね」とチズル。すると、「ねえファンファン、下水道の歴史についても知りたいわ」とトッキーが言ってきました。「りょうかい。これを見て!」とファンファン。

scene 08下水道が整備されるまで
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ファンファンが見せたのは、1960年ごろの東京の様子です。家庭や工場から出たよごれた水は、直接(ちょくせつ)、川や海に流されていました。生き物がくらすことができないほど川や海はよごれ、不衛生(ふえいせい)で病気も起きました。問題を改善(かいぜん)するために下水道の整備(せいび)が進められました。そして1995年には、東京23区でくらす全員が下水道を使えるようになりました。人々も衛生的なくらしを送れるようになり、川には魚がもどったのです。すると、「下水道があるくらしを、どんな人たちがささえているんだろう?」とココロが聞いてきました。

scene 0924時間下水道を見守る人たち
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三河島水再生センターの「中央監視(かんし)室」。下水処理(しょり)が止まったり、まちに雨水があふれたりしないように、24時間監視をしています。さらに、処理した水がちゃんときれいになっているかチェックする人たちもいます。その「水質(すいしつ)管理室」では、分析(ぶんせき)するだけでなく、微(び)生物の管理などもしています。

scene 10下水道管の点検・清掃
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ほかにもこんな人たちが…。「あれ? 何をしているんだろう?」。マンホールのふたを外している人たち。これは、カメラがついたロボットを使って下水道管を調査(ちょうさ)しているのです。中を正面・上下左右くまなくさつえいして、ひびわれやよごれがないか点検(てんけん)します。家庭やお店から流れてきた油が固まっているところも。もっとひどくなると、管がつまって下水があふれたり悪臭(あくしゅう)がしたりします。発見したらすぐに清掃(せいそう)しています。「みんなが当たり前にトイレを使えたり、キッチンやおふろを使えたり、そういったことをささえるためにこの仕事をがんばっています」(点検している人)。

scene 11もっと調べてみよう!
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「ただいま!」。チズルがもどってきました。「おかえり!」とココロとトッキー。「たくさんの人たちが、下水の処理(しょり)が止まらないように努力していたよ」とチズルが言います。「下水の処理は、きれいなまちを守ることにも大事なのね」とトッキー。「けど、下水道管のよごれ、びっくりしたね。たとえばこのお皿も、こうやって油をふき取れば、よごれた水がへるんじゃないかな?」と、ココロがよごれたお皿を紙でふきました。「どうしたら水をよごさずにすむか、ほかにも調べてみよう」とチズルが言いました。「うん!」。

よろしく!ファンファン
水をくりかえし使う工夫
人々の健康と生活環境を支える下水道の仕組みを調べる。下水道の設備や歴史を学び、水がくりかえし循環して使われていることを理解するとともに、働く人々の努力を知る。