チャプターあらすじを読む
scene 01徳川260年のなぞに迫る…?
ないようを読む

ここは、とある歴史番組の収録現場。ちょうど収録が終わったところです。「で、豊本(とよもと)ちゃん、次のネタ考えた?」とプロデューサーの飯塚(いいづか)がディレクターの豊本に言いました。「もちのろんです」と答えた豊本。「ズバリ! 江戸幕府はなぜ長く続いたのか? 徳川260年のなぞに迫る!…みたいな」と言います。「いいねえ。で、どうして?」と飯塚。「どうしてとは?」と聞き返す豊本。「理由、理由。なんで長続きしたの?」と聞かれ、「将軍ががんばったから!…みたいな」としか言えません。すると、「もういいわ。何も考えてないじゃん。あれ呼ぶわ」と飯塚がスマホでなにかを注文しました。

scene 02歴史デリバリー“レキデリ”
ないようを読む

するとスタジオに、「レキデリでーす!」と、レキデリ配達員の角田(かくた)がやって来ました。「ご注文は確か、江戸幕府が長く続いた理由についての資料ですよね」と言います。「資料? 教えてくれるんじゃないの?」と豊本が聞くと、「お客さん、歴史は資料から探究してこそ楽しいんです」と角田が言いました。「今日もいい資料、届いてますよ。まずはこちらです。よいしょ!」。角田が取り出したのは…。

scene 03資料No.1『大名配置図』
ないようを読む

資料番号1『大名配置図』。江戸時代、大名の領地は幕府が決定していました。この資料は、江戸幕府が開かれておよそ60年後、1664年の配置図です。幕府の領地はピンク、徳川家の親戚である「親藩(しんぱん)」と、昔からの家臣の「譜代(ふだい)大名」はオレンジ、関ヶ原の戦い以後家臣となった「外様(とざま)大名」はブルーで表記してあります。

scene 04大都市のまわりは幕府領
ないようを読む

「いかがでしょうか。まず…」。角田がオレンジとブルーで示した部分を取り除くと、幕府の領地だけが現れました。「どんな都市が含まれているかに注目してください」と角田。「当然、江戸は幕府領だし、大阪、京都…。あ、大都市とそのまわりは幕府領ですね」と豊本は気がつきました。「ナイス読み取り!」と角田。「では続いてこちら。親藩と譜代大名の領地です」。角田が幕府の領地の地図の上に親藩・譜代大名の領地地図を重ねました。「さあ、どうですか?」。「うーん。幕府の領地を囲むように配置されている?」と飯塚。「ナイス読み取り!」と角田。

scene 05“疑わしき者は遠くへ”
ないようを読む

最後に、角田が外様大名の領地図を重ねます。「さあ、どうでしょうか」。「うーん。外様は江戸から遠ざかっていってるよね。どうしてだろう?」と飯塚。すると豊本が、「わかった! 好みですよ。ぼくが幕府の立場だったら絶対そうしますよ。もともと外様は敵だったんですよ。いつ逆らうかわかったもんじゃない。信用できない。近くにいてほしくない」と言いました。「逆に言えば、それだけ外様の反乱を警戒していたってことかな」と飯塚。「そう。疑わしき者は遠くへ、です」と豊本が言うと、「いいですねぇ。探究が進んできましたよ」と角田が言います。

scene 06資料No.2『拾万石御加増後初御入国御供立之図』
ないようを読む

続いての資料を角田が運んできました。パネルがずいぶんたくさんあります。資料番号2『拾万石御加増後初御入国御供立之図』。中国地方の大名、津山(つやま)藩の参勤交代の様子が描かれた7枚のふすま絵です。全部つなげた長さは13m以上になります。参勤交代とは、幕府が、親藩、譜代、外様に関係なくどの大名にも義務付けた制度です。大名は原則として、一年おきに領地から江戸に向かい、一年間江戸に住むことが決められていました。

scene 07800人以上が17日かけての参勤交代
ないようを読む

ふすま絵の大きさにびっくりする飯塚。「すげー人が多い!」とさらにびっくりする飯塚。この絵には812人の人物が描かれていますが、実際はもっと多かったそうです。「こんな人数が歩いて移動なんて、けっこう時間がかかりますよね」と豊本が言うと、「江戸-津山間、約700kmあったんですが、なんと17日かけて移動したそうです」と角田。

scene 08参勤交代は宿泊費だけで1億円以上!
ないようを読む

じっくり資料を見ていた豊本は、大名行列の中に、「料理人」の文字を発見! 飯塚も、「風呂釜(ふろがま)」を発見! 「風呂を持ち歩いているなんて、そうとうお金かかってるよ」と驚いています。電卓を取り出して、「仮に、一人一泊10000円と考えて…」と、10000円×812人×16泊を計算してみた飯塚、「宿泊費だけで1億円以上!」とびっくり。「でもまあ、出張費ってふつう会社が出してくれますからね」と豊本が言い、「ということは、大名を呼びつける幕府ってそうとうお金持ってるんだなぁ」と納得する飯塚。すると…。

scene 09大名がどんどん貧乏になる
ないようを読む

「ナイス勘違い!」と角田。実は、参勤交代の費用はすべて大名持ちでした。参勤交代は、もともと大名が自発的に始めたことです。幕府を裏切らない証として、妻子を江戸に住まわせたのです。大名行列にかかる費用は、いちばん石高(こくだか)の多い加賀の前田家の場合、現在のお金にして5億円くらい。さらに「江戸での滞在費も含めますと、藩の支出の半分近くを占めるそうです」と角田。「支出の半分!」。「これが一年おき…」。「これじゃ大名がどんどん貧乏になる一方ですよ」。すると、「あっ。オレ、なんで江戸幕府が長く続いたのか、見えてきたような気がする」と飯塚が言いました。

scene 10資料から読み取れたことは
ないようを読む

資料から読み取ったことを関係づけてまとめると…。「大名配置図から見えたのは、幕府は外様大名を警戒しているから遠くに配置した。さらに、経済の要所を幕府領にしてがっちり押さえた」と飯塚。豊本は、「参勤交代から見えたのは、大名の経済負担が大きい。しかも、江戸から遠い外様大名ほどきつい」と言います。「結果、大名と幕府の財力はどんどん差がつき、幕府に刃向かえなくなった。だから、大きな戦が起こらず…!」。そこで飯塚は答えを見つけたようです。

scene 11資料No.3『長崎港図』
ないようを読む

「てことかな? 江戸幕府が長く続いたのは。ね?」と飯塚。ところが角田は、「そう…かもしれませんね。ただ、歴史の解釈に正解はございません。ほかにも理由は考えられますよ」と言って次の資料を見せました。資料番号3『長崎港図』。19世紀初めの長崎港を描いた絵画です。長崎は、江戸幕府誕生から明治になるまで、幕府が直接治めていた土地でした。「へぇ」と絵に見入る豊本。すると、「船に注目して見て下さい」と角田が言います。「船?」。

scene 12幕府領の長崎に外国船?
ないようを読む

よーく船を見た二人は…。「あ、外国の船じゃない?」。「ほんとだ。オランダの国旗?」。そのとき、「ピピピ、ピピピ」と角田に呼び出しコールがかかってきました。「ああっ、次の配達に行かないと」と角田は行ってしまいました。「えー、どういうことだ? 長崎は幕府領で、外国船?」と考え込む飯塚。「幕府が長続きしたことと関係あるんですかね?」と豊本も不思議そうです。「ああ、もやもやする。もっと資料が欲しい!」と飯塚。

アクティブ10 レキデリ
江戸幕府はなぜ長く続いたのか?
今回のテーマは、ズバリ!江戸幕府はなぜ長く続いたのか?徳川260年のなぞに迫る!≪レキデリ≫が持ってきた歴史的に重要な3つの資料から読み解いていきます。

クリップ

教材きょうざい資料しりょう

教材・資料(先生向け)

配信はいしんリスト

今年度こんねんど放送ほうそう

その放送ほうそう