チャプターあらすじを読む
scene 01帝国の野望に迫る!
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ここは、とある歴史番組の収録現場。「で、豊本(とよもと)ちゃん。次回のテーマなんだけど」とプロデューサーの飯塚(いいづか)が言いかけると、「すでに考えてあります」とディレクターの豊本が答えます。「ズバリ! 元はなぜ日本を攻めたのか? 帝国の野望に迫る!…みたいな。わざわざ海を越えて二度も来てるんですよ。日本をよっぽど手に入れたい理由があったわけなんですよ」と…。でもその理由が答えられず豊本は、「あの人、呼んじゃいますね」とレキデリに資料を注文します。

scene 02歴史資料デリバリー“レキデリ”
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「お待たせしました。“レキデリ”です~!」と、レキデリ配達員の角田(かくた)がやってきました。「今回のご注文は、元はなぜ日本を攻めたのかについての資料ですね」と角田。「そうなんですよ。わざわざ海を越えて日本を攻めてきたその理由が知りたいんですよ」と豊本。「なるほどねえ。争いごとの背景には何かしらの思惑(おもわく)があるはずですからねえ。そこを探究したいなんて、すばらしい!」と角田が言います。角田が取り出した資料は…。

scene 03資料No.1『モンゴル帝国の領土』
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資料番号1『モンゴル帝国の領土』。今回は、モンゴル軍が最初に日本を攻めてきた1274年の「文永の役(ぶんえいのえき)」当時の地図を用意。モンゴル帝国は、騎馬による高い機動力を生かし、短期間で次々と勢力を拡大。歴史上最も広大な領土を持つ帝国となります。第五代の皇帝フビライは、帝国のうち、モンゴルと中国にまたがる領土を「元(げん)」と名付けました。

scene 04中国全土が元ではなかった?
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「やっぱりでかいなぁ。さすが帝国だね」と感嘆する飯塚。豊本は「あれ? 南宋(なんそう)?」と、地図にある「南宋」という国に気がつきました。「え? 中国全土が元じゃないんですね」。すると、「ナイス読み取り!」と角田。「文永の役、当時、中華王朝の南宋が健在でした。元にとって最大の敵。川をはさんで戦っていました。さらに、元に服属した朝鮮半島の高麗(こうらい)でも、たびたび反乱が起こっていた、と書いてあります」と角田が説明します。

scene 05対立する立場から探究してみる
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「ということは、元は日本を味方にしたかったんじゃないの? そうしたら海からも南宋を攻められるじゃない」と飯塚が言います。「なるほど。騎馬民族だから船での戦いって苦手そうですもんね」と豊本。さらに「逆に言ったら、南宋も高麗もピンチなんだから、日本を味方にしたかったという考え方もありますよね」と言います。「元としては、そうなる前に日本を手に入れたかったのかも!」と飯塚。

scene 06資料No.2『13世紀後半のおもな交易路』
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「続いての資料ですが、また地図です」と角田は次の資料を取り出しました。資料番号2『13世紀後半のおもな交易路』。モンゴル帝国は、征服した地域の商人を優遇し、東西の交易を活発化。巨万の利益を得ていました。「この陸地の交易ルートって、いわゆる“シルクロード”ですよね」と豊本。「シルクロードがほぼ領土だもんね。帝国の財政は万全だったってわけだ」と感心する飯塚。

scene 07海の交易ルートにも注目
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続いて「海の交易ルートにも注目して下さい」と角田が言いました。「海の交易ルートは…南宋に集中していませんか?」と豊本。「南宋の都市臨安(りんあん)、今の杭州(こうしゅう)は、当時の東アジア最大の貿易港。日本を含むアジア諸国との取引で莫大な利益を得ていたそうです」と角田が説明します。「陸路より船のほうがいっぱい運べるもんね。そうなってくると元はやっぱり南宋を手に入れたいよね」と飯塚が言うと、「ナイス読み取り!」と角田。「日本の船も南宋に行ってますよね。元はそれも気に入らなかったのかも知れませんね」と豊本が言います。「そうだね。敵と交易してるんだもんね」と飯塚。

scene 08日本を二度攻めた理由は?
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すると豊本が、「ちょっと気になったんですけど、元って、日本を二度攻めてますよね。二度目のときの南宋ってどういう状態だったんですか?」と聞きました。「ナイスクエスチョン! 南宋は…」と角田が地図の一部をはがします。南宋は1279年に滅亡していたのです。「えぇーっ!」とびっくりする飯塚と豊本。「じゃ、なんで元は日本にこだわってるの? 海のルートも手に入れたのに」と飯塚。「これはますます謎が深まってきますよね。続いての資料は、ある本の文章です」と角田が次の資料を見せます。

scene 09資料No.3『東方見聞録』
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資料番号3『東方見聞録(とうほうけんぶんろく)』。イタリアの商人マルコ=ポーロが、モンゴル帝国やアジア諸国について話したことをまとめたもの。この本でマルコ=ポーロは、皇帝フビライに仕えていたと言っています。「東方見聞録には当時の日本の様子も書かれております」と角田が一部の要約を見せました。『この国にはいたるところに黄金が見つかる。誰もが莫大(ばくだい)な黄金を持っている』。「そうだったんですか?!」と豊本はびっくり。すると、「実は、マルコ=ポーロは日本に来ていません。さらには、モンゴル自体にも行っていないのでは、という説もあります」と角田が言いました。

scene 10南宋を手に入れ…そして?
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「信憑性(しんぴょうせい)は今イチですが、彼は、この話を聞いたフビライが『武力をもって征服しようと決意した』とも言っております」と角田。「少なくとも、当時の日本はすごく豊かな国だと思われていたってことだよね…。あ!」と飯塚が何かに気づきました。「元が日本を手に入れようとしたのは…、アジアに広がる交易ルートを持つ南宋を手に入れたい」と飯塚が言うと、「そのためには、日本を支配すれば南宋との戦いに有利になるかもしれない」と続ける豊本。「ついでに、うわさになっている日本の莫大(ばくだい)な黄金も手に入れたい…ってことかな?」と飯塚。「そう!…かもしれませんねぇ」と角田。

scene 11元からの手紙を無視した鎌倉幕府
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「ちなみに、元はいきなり日本を攻めてきたわけではありません」と角田が付け加えました。「最初の元寇(げんこう)の8年前から、支配下に入るよう日本に手紙を出しているんですね」。「日本はどんな対応を?」と飯塚が聞くと、「鎌倉幕府は、無視したそうです」と答えました。「それがきっかけで攻めてきたんじゃないの?」と飯塚。「でもなんで日本は無視したんですか? 地図を見るととても勝ち目はないように思えるんですけど」と豊本。「それはですね。こちらをごらん下さい」。角田は1枚の写真を見せます。

scene 12鎌倉幕府と南宋はつながっていた?
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お寺の写真です。「お寺?」。不思議そうな飯塚。「鎌倉にある臨済宗(りんざいしゅう)のお寺、建長寺(けんちょうじ)ですね。鎌倉幕府が招いた南宋の僧侶が開いたそうです」と角田が言いました。「え? 幕府と南宋はつながってたんだ!」と飯塚はびっくり。「日本から南宋に留学した僧侶もいたそうですよ」と角田が言います。「それって、元を無視したことと関係あるんですか?」と豊本が聞くと、「えーとですね、元がどんな国かを幕府は誰から聞い…」。

scene 13資料から読み取れたことは
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そのとき、角田を呼び出すアラーム音が鳴ります。「あ、ごめんなさい。次の配達に行かなくちゃ。資料、あとで取りに来ますんで」。そう言って角田は行ってしまいました。「ちょっと!」。「レキデリさん!」。そこで豊本がまとめようとします。「ちょっと待って下さい。えーと、幕府の情報源は、南宋から来た僧侶ってことですよね?」。「それか、留学した人?」と飯塚。「南宋にとって元は敵だから…。あ! わかったような…。わからないような…」と豊本。「どっちだよ!」。「えー、難しいなぁ…」。残された二人の探究は続く…。

アクティブ10 レキデリ
元はなぜ日本を攻めた?
今回のテーマは、ズバリ!「元はなぜ日本を攻めた?」2度に渡って攻めてきた帝国の野望に迫る!歴史資料デリバリー会社≪レキデリ≫が持ってきた資料から読み解きます。

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