チャプターあらすじを読む
scene 01国際社会にデビューした日本が目指す国とは?
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とある歴史番組のオンライン会議。「次回のテーマなんだけど、なんかアイデアある?」とプロデューサーの飯塚(いいづか)が聞くと、ディレクターの豊本(とよもと)が「明治政府はどんな国を目指したのか、なんてどうです? 明治になると日本は本格的に国際社会にデビューしますよね。つまり、江戸時代とはちがう国を目指したと思うんですよ」と自信満々。さっそくレキデリを注文しようとする豊本に、「いや、オンライン会議じゃ呼べないでしょ」と飯塚。すると豊本がスマホを見せます。そこには「オンラインはじめました」の文字が!

scene 02今回のレキデリはオンラインで
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「オンラインでのご利用、ありがとうございます」と、レキデリ配達員の角田(かくた)が画面に現れました。「今回のご注文は、明治政府はどんな国を目指したか、についての資料ですね。オンラインでも、最高の資料を用意しましたので、まずはこちら、ごらん下さい」。

scene 03資料No.1『岩倉使節団』
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資料番号1『岩倉使節団』。1871年、明治政府は岩倉具視(いわくら・ともみ)をリーダーとする使節団を結成します。人数は、留学生も含めると100名以上。アメリカ、イギリス、フランスなど12か国を訪問しました。「主な使節団員の写真をご用意しました」と角田が写真を見せます。「すごいメンバーじゃない? 岩倉具視、大久保利通(おおくぼ・としみち)、木戸孝允(きど・たかよし)、伊藤博文(いとう・ひろぶみ)。みんな聞いたことあるよ!」とおどろく飯塚。「今で言うと、内閣の主要メンバーの半分にあたりますね」と角田。しかもみんな若いことに豊本もびっくり。いちばん年上の岩倉具視で47歳なのです。

scene 04岩倉使節団の目的① 条約改正の下交渉
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「続いてこちらは、視察ルートを示した地図です」と角田が地図を見せます。「すごいなぁ。世界を一周していますよ」と豊本。「2年近くも行ってたんだ」と飯塚もびっくり。ここで豊本が、「ところで、使節団の目的は?」とたずねると、「目的は、大きく二つです。まずは、江戸時代に結んだ通商条約改正の下交渉。近いうちに条約改正の交渉をしたいと伝えることですね」と角田が言います。「じゃ、行ったのは全部条約を結んでいる国ってこと?」と飯塚。「その通り!」と角田。

scene 05岩倉使節団の目的 ②欧米社会の調査
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「あともう一つの目的は?」と豊本が聞くと、「欧米社会の調査だったそうです」と角田が言います。ここで使節団の顔ぶれを思い出した豊本が、「もしかして、国づくりの参考にするつもりだったんじゃありませんか?」と言いました。「確かにそうだ。だから政府の主要メンバーで行ったんだ」と飯塚も言います。すると、「ナイス探究!」と角田。「それにしても大胆ですよね。2年近くですよ」と豊本が言うと、「それだけ国づくりに真剣だったってことだね」と飯塚がしみじみと言いました。

scene 06資料No.2『特命全権大使米欧回覧実記』
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「続いての資料はこちらです!」と角田。資料番号2『特命全権大使米欧回覧実記』。岩倉使節団のメンバー、久米邦武(くめ・くにたけ)がまとめた記録書です。視察した各地の様子が、挿絵をちりばめながら詳細に記録されています。「米欧回覧実記の挿絵をいくつかご用意しました」と角田。「国会議事堂、裁判所、造幣局、役所。なるほど、政治の仕組みを調査していたってことだね」と飯塚。すると、「ナイス読み取り! なかでも木戸孝允は、各国の憲法に注目し、積極的に調査を行ったそうです」と角田。

scene 07欧米の国力に圧倒されながらも
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「確か、当時の日本は憲法もなかったんですよね」と豊本が言うと、「アツいよなぁ、明治政府」と飯塚。そこで飯塚が気づきました。「あれ? この絵の線。これ、電線じゃない?」。挿絵には線がたくさん描かれていました。「本当だ。欧米じゃもう電気が使われていたんですね。いやぁ、驚いただろうなぁ」と豊本も気がつきました。「電気の普及とかって、国の支援も必要じゃない? 政治の力にも圧倒されたんじゃない?」と飯塚。すると、「ナイス読み取り!」と角田。「ただし彼らは、圧倒されたばかりではなかったようです。米欧回覧実記にはこんなことが書かれています」と角田が紹介したのは…。

scene 08経済なら欧米に追いつける?
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『ヨーロッパが豊かになったのは1800年以後であり、いちじるしく発展したのは、ここ40年にすぎない(要約)』という記述です。「経済なら追いつけるぞという自信を感じますね」と豊本が言うと、「何を根拠にそう思ったのかねぇ」と飯塚。すると、「ナイスクエスチョン!」と角田が言いました。「それは、イギリスで視察した工場です。こちらをご覧ください」。角田が見せたのは、視察したビスケット工場の挿絵です。「このときの記録から読み解いてみましょう」と角田が紹介したのは…。

scene 09使節団が工場で注目したのは?
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『広さは想像を超えていた。機械でごうごうと音を立てて作る様子はまるで製鉄所のようだ(要約)』という記述です。「彼らが注目していたこと、わかりますか?」と角田。「大きな工場、機械で作っている…」と豊本が言いかけると、「あっ! 大量生産ってことじゃない?」と飯塚が気づきました。すかさず、「ナイス読み取り! この調子でもう一つ探究してみましょう」と駅の挿絵を提示します。「奥に工場があるんじゃない? 煙が出てるもん」と飯塚。角田が「駅のそばに工場があるということは?」とたずねますが、二人ともわかりません。「たくさんの工場を視察した彼らは、イギリスが豊かな理由をこのように分析しております」と角田。

scene 10蒸気機関、蒸気船、鉄道…経済発展との関係は?
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『イギリスの富の基本は、豊富に採れる鉄と石炭にある。二つの資源を利用して蒸気機関、蒸気船、鉄道を発明し、経済を発展させた(要約)』。「蒸気機関、蒸気船、鉄道。なんでそれが経済発展につながるんですか?」と考える豊本。すると飯塚が、「あ、わかった。機械を使えば大量生産できる。蒸気船や鉄道があれば早く運べる。しかも工場のそばに鉄道があれば効率的でしょ」と言います。「ということは、日本でも機械や鉄道を整備すれば…」と豊本。「あ!」。二人はなにかに気づいたようです。

scene 11資料から読み取れたことは
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二人が資料から読み取ったことをまとめます。「明治政府は欧米諸国の実情を調査するため、大規模な視察を行った」。「政治や文化に差を感じつつも、経済では追いつけると思った」。「そこでまず工場の機械化や鉄道の普及に注目して、近代化を進めようと思った」。「て、ことなんじゃない!?」と飯塚が言うと、「そう…だと思います!」と角田が言いました。「実際、使節団の帰国後、明治政府は工場や交通網の整備を進めました。ただ、経済面ではその通りだと思うんですが、それだけで欧米と肩を並べられるかというと…う~ん」と角田。「どういうこと?」と飯塚が聞くと…。

scene 12近代化を目指す明治政府、ほかにはどんな課題が?
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「たとえば、不平等条約があるかぎり、貿易をしてもあまりもうかりませんね」と角田。「そうか。改正するなら、法律の整備も必要ですよ」と豊本。「だったら、教育だって必要だよね。外国と対等に渡り合える優秀な人材を増やしたいから」と飯塚が言うと、角田は5人の女性の写真を提示します。「この女性たち、使節団と一緒に渡米した留学生です。このうちいちばん小さい子が、後に女子大学をつくる…」。そのとき、角田を呼び出すアラーム音が鳴ります。「あー、申し訳ない! 次のオンラインがあるんで、失礼します」。角田は退出してしまいました。「この人って、あの人だよね。今度お札になる…わかってる?」。

アクティブ10 レキデリ
明治政府はどんな国を目指した?
歴史資料をオンラインでお届け!?今回のテーマは、ズバリ!「明治政府はどんな国を目指した?」。日本近代化の行方を探る旅『岩倉使節団』の資料から読み解きます。

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