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scene 01もう一歩踏み込んだ探究を
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とある歴史番組の収録現場。収録が終わったプロデューサーの飯塚(いいづか)は、レキデリ配達員の角田(かくた)がスタジオにいたのでびっくり。「え? なんでいるの?」。「どうしても収録を見学したいって…」とディレクターの豊本(とよもと)。「いやぁ、今日の収録の『応仁の乱』の原因、大名たちの権力争い! 最高でしたねぇ」と大絶賛の角田、「ただねぇ、もう一歩踏み込んだ探究してもよかったかな」と言いました。「『応仁の乱がもたらした影響とは?』みたいな感じ? レキデリさん、資料!」と飯塚。ところが、「携帯で注文お願いします」とそっけなく言われてしまいました。

scene 02資料No.1『真如堂縁起』
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角田の携帯に着信です。「確かに注文承りました。ご注文は、『応仁の乱がもたらした影響は?』ですね?」。最初に角田が見せた資料は、『真如堂縁起(しんにょどうえんぎ)』。応仁の乱の様子を知ることができる絵巻物です。今回は、京都にある真如堂というお寺に兵士が押し掛けた場面を用意していました。「何か気づくことございませんか?」。「馬に乗っている人はよろいを着てますから、武将ってことですかね」と豊本。「それ以外の人は、戦にしてはだいぶ軽装備だよね」と飯塚。そこで豊本が「この人たち、柱とかとびらとか、なんだか略奪してるっぽくないですか?」と気がつくと…。

scene 03足軽とは?
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「ナイス着眼点! この方たちは『足軽(あしがる)』です。足軽とは、臨時で雇われた兵士です」と角田が言いました。「でもなんでこんな危険なバイトしてんの?」と飯塚が聞くと、「応仁の乱が始まる前、大規模な干ばつが続いたそうです」と角田。「生活が苦しくて、農民がアルバイトしたんですね。で、戦いの中、隙を見て物を盗んでいた」と豊本。武将が見ているのにそんなことできるのか不思議に思う飯塚に、「足軽は臨時で雇われた兵士だったので、なかには言うことを聞かない者もいたそうです」と角田。「大名たちの戦いに加えて足軽が暴れてたら、被害は広がる一方ですよ」と豊本が言うと、再び「ナイス探究!」と角田。

scene 04京都の半分が焼けてしまった
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「実際に、応仁の乱でいちばん被害が大きかった京都の町はどうなったかと言いますと…」と角田が京都の地図を見せました。「ピンク色のところが戦で焼けてしまった地域といわれています」。「京都の半分くらいは焼けちゃってるね」と飯塚。「当時の守護大名たちは地方を管理する仕事をしておりましたが、京都に住んで室町幕府を支えておりました」と角田が説明します。豊本が、「住むところがめちゃくちゃになるまで権力争いをしていたら、幕府を支えるどころじゃなくなっちゃいますよ」と言います。すると角田が、「守護大名たちはどうすると思いますか?」とたずねました。

scene 05地方に移り住んだ守護大名たち
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「引っ越した!」と飯塚。「どこに?」。「あ…どこかに」。「そこが大事なんですよ」と角田。「わかった! 管理していた地方の土地に引っ越したんだ」と飯塚。「ナイス探究! 多くの守護大名は地方に移り住み、直接政治を行うようになっていったそうです」と角田。すると豊本が地図を指差して、「あれ? あの『内裏(だいり)』と書いてあるところは、天皇が住んでいるところですよね。その周りも焼けてますよ」と気づきました。「内裏の周りには天皇に仕えている『公家(くげ)』と呼ばれる貴族の住まいがありました」と角田。「ほかにもお寺や神社が焼けてますよ。公家や僧侶は一体どうしたんですかね」と考えこむ豊本。

scene 06資料No.2『四万十市中村の航空写真』
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「続いての資料はこちらです」と角田が見せたのは、高知県の『四万十(しまんと)市中村(なかむら)の航空写真』。応仁の乱のころから整備された、地方都市の一つです。「何か気づくことございませんか?」と角田。すると飯塚が、「あ、町がマス目みたいに区切られてない?」と気づきました。「京都みたいに碁盤の目になってますね」と豊本。すると、「ナイス着眼点! 中村は、“土佐の京都”と呼ばれることもありますね」と角田。「どうして京都に似た町のつくりになっているんですか?」と豊本が聞くと、「京都で関白を務めた公家の一条氏の私有地である荘園(しょうえん)があった場所なんです」と角田が言いました。

scene 07公家たちも地方に移り住み…
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「わかった。公家たちは、自分たちのゆかりのある土地に引っ越したんじゃない?」と飯塚。「そこで、京都の暮らしをなつかしんで、町のつくりを再現したんですね」と豊本。すかさず、「ナイス探究!」と角田。「ちなみに、こちらご覧下さい」と取り出したのは、大文字の送り火の写真です。「中村市では京都で行われている大文字の送り火に似た行事も行われています。一条氏が始めたという言い伝えものこされています」と言います。「公家って、一条氏以外にもいますよね。てことは、ほかの地域にもこういうものが伝わったということですかね?」と豊本。角田は、「ほかにもたくさんあります」と全国の地図を見せました。

scene 08守護大名はなぜ公家や僧侶を招いた?
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「一般的に公家や僧侶は、地域の支配者となった守護大名に招かれて、連歌(れんが)や蹴鞠(けまり)など京都の最先端の文化を伝えたようですね」と角田が言います。「守護大名だってもともと京都にいたわけだから、京都の文化をなつかしんだだろうね」と飯塚。「でも、京都をなつかしむという気持ちだけでそこまでする価値ありますかね?」と豊本は不思議に思います。すると、「ナイスクエスチョン! 今回は、そこが重要な探究ポイントなんですね」と角田。飯塚と豊本にヒントを言います。「守護大名など、土地の支配者の気持ちになって考えて下さい」。

scene 09自分の権威を高めるため?
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なぜ守護大名が公家や僧侶を招いたのか考える飯塚。「都があった京都の町のつくりや文化は庶民のあこがれだから…」と飯塚。「部下や庶民がそれを体験できれば喜びますよね。『守護大名様、ありがとうございます!』って権威も高まるんじゃないですか?」と豊本。すると、「ナイス探究!」と角田。そこで飯塚が「だから、地方の守護大名は、避難先に困った公家や僧侶がいたら彼らを招いて…」と言いかけたところで、「あ!」と飯塚と豊本が同時に何かに気づきました。

scene 10資料から読み取れたことは
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資料から読み取ったことをまとめると…。「応仁の乱で、政治と文化の中心だった京都は荒廃」。「政治の担い手だった守護大名は、京都を離れ、地方で政治を行うようになった」。「一方、文化の担い手だった公家や僧侶は、ゆかりがある土地を探して地方に向かい、京都の文化を広げた」。「その結果、地方でも政治や文化が発達していった」。「て、ことなんじゃない!?」と豊本と飯塚が声を合わせて言いました。すると、「そう…かもしれません!」と角田。「私わかりませんから、正解は」。

scene 11守護大名が力をつけていくと…
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「まあでも、応仁の乱があって地方が発達したから結果よかったんじゃないですか?」と豊本が言います。すると角田が、「ところが、そうとばかりは言えないんですよね」と言います。「こうして地方が力をつけていきますと…」。そのとき、角田を呼び出すアラーム音が鳴ります。「ああっ、ごめんなさい! 時間です。すみません」。角田はモヤモヤした気持ちの二人を置いて行ってしまいました。「豊本ちゃんが地方の守護大名だとして、力をつけていったらどうなる?」と飯塚がたずねました。「まず、まわりを支配する快感におぼれて、もっと多くを支配したくなりますよね。で、ゆくゆくは…」。「あ!」と声をそろえる二人。

アクティブ10 レキデリ
応仁の乱がもたらした影響は?
今回のテーマは、ズバリ!「応仁の乱がもたらした影響は?」歴史資料デリバリー会社≪レキデリ≫が持ってきた資料から社会が変貌していく姿に迫る!

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