チャプターあらすじを読む
scene 01鎌倉時代には市場が始まっていた
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とある歴史番組の収録現場。プロデューサーの飯塚(いいづか)が「次回のテーマなんだけど、どうする?」と言います。ディレクターの豊本(とよもと)はカバンの中を何か探しています。収録前に市場に行ってきたという豊本が取り出したのは、レキデリさんグッズ…。「ところで飯塚さん。市場っていつから始まったか知ってますか。鎌倉時代には月3回定期市が開かれるようになったみたいですよ」。「そんな昔からあったんだ」。「ということで、次回のテーマはズバリ! 『定期市で庶民の生活はどう変わった?』。これにします」と豊本。でも、「どう変わったの?」と聞かれ、答えられません。「レキデリさんを呼ぼうか」と飯塚。

scene 02資料No.1『松崎天神縁起絵巻』
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「お待たせしました。レキデリです」と、レキデリ配達員の角田(かくた)がやってきました。豊本が着ているレキデリさんグッズのTシャツを見て角田は大喜び。「今回の資料は、『定期市で庶民の生活はどう変わった?』についての資料ですね? 最初の資料は、こちら!」。角田が見せたのは、14世紀ごろに描かれた『松崎天神縁起絵巻(まつざきてんじんえんぎえまき)』です。菅原道真(すがわらのみちざね)がまつられている松崎天神の歴史や、当時の庶民の暮らしがわかる風景が描かれています。

scene 03農業技術が発展して米の生産量も上がり…
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「これ、田んぼを耕している様子でしょ?」と飯塚。豊本も、「牛が何かを引っ張って耕しているように見えますね」と言います。すると、「正解!」と角田。「これは、牛に田んぼを耕す犂(すき)を引かせている様子です」と言いました。「人の力で耕すよりも早く作業終わるしね」と飯塚。「なるほど。農業技術が発展して米の生産量も上がったということですね?」と豊本。すると、「ナイス探究!」と角田。「では、庶民の生活はどう変わったと思いますか?」と二人に尋ねます。「余った米を売るようになって、生活が豊かになった!」と自信満々の豊本。でも、「ナイス勘違い!」と角田に言われてしまいました。

scene 04米以外の作物も作るようになった
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「米はたくさん作れても、年貢として取られてしまいます」と角田が言います。すると、「わかった! 米以外の作物を作るようになったんじゃない?」と飯塚。ここでまた、「ナイス探究!」と角田。「豆や、油の原料になる荏胡麻(えごま)などを栽培するようになりました」と言います。さらに飯塚が、「わかった! 米以外の作物を売るようになったんじゃない?」と言いました。でも角田はあっさりと、「いいですよ~」とだけ言いました。そして、「ちなみに、どこで売ったと思われます?」と聞きます。すかさず、「自分ちの庭で!」と豊本。「残念!」と即答する角田。

scene 05資料No.2『一遍上人絵伝』
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角田が次の資料を見せます。13世紀末に描かれた絵巻物『一遍上人絵伝(いっぺんしょうにんえでん)』です。一遍上人が自ら興した仏教を全国に布教するために旅した様子が描かれています。取り上げたのは、現在の岡山県を訪れたときの絵巻。これを見て、「小屋の中にはいろんな品物が描かれてるよね。魚でしょ。米俵だからお米かな。あっ、これお店なんじゃない? もしかして、市場かな」と飯塚が言います。すかさず、「ナイス探究!」と角田。「こちらは、備前国福岡荘(びぜんのくにふくおかのしょう)で開かれていた市場の様子です」と言いました。

scene 06当時の人の気持ちになって考える
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さらに飯塚が、「わかった! 作物は市場で売るようになったんじゃない?」と言うと、再び「ナイス探究!」と角田。「市場では、商人や武士、農民などさまざまな人が集まって売り買いをしていました。さらに、下駄(げた)などの手工業品や鉄製農具を作る職人も生まれ、市場で売るようになりました」と言います。すると豊本が、「一つ疑問なんですけど、この時代の品物の売買って、どうやって行われてたんですか?」と尋ねました。軽く、「いい疑問だね」と角田。「どうしていたのか、当時の人の気持ちになって考えてみましょう。ということで、こちらをご用意しました!」と角田が見せたのは…。

scene 07鎌倉時代の買い物の様子(1)
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鎌倉時代の買い物事情を再現してみましょう。「いらっしゃい、いらっしゃい。いかがですか」。角田が魚を売っています。そこへ豊本がやってきました。「お客さん、今日もいい品物入ってますよ。どうですか?」。「お祝い事があるんで、魚がほしいんですけど」。「お祝い事。だったらどうですか、めでたい魚、鯛(たい)」。「いいねぇ。じゃあ支払いは、おいらの畑で採れた豆で」。「あ、豆、だめだめ。豆はね、もう持ってるのよ。ちょっと交換はできないな」。「いや、そこをなんとか」。「本当に申し訳ない。お引き取り下さい」。「お願いしますって、豆で」。そこへ…。

scene 08鎌倉時代の買い物の様子(2)
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「レキちゃん! お祝い事があって魚欲しいんだけど」と飯塚がやってきました。「鯛(たい)、入ってるよ」。「いい魚あるじゃない。これちょうだい」。「何と交換する?」。「宋銭(そうせん)でどう?」。「それだったら大丈夫。ウチらも今、宋銭使ってるから」。「じゃ、売買成立ということで」。「はいどうも」。「ちょ、ちょっと待って飯塚さん。その魚、先に僕が買おうとしたんですよ」。そのまま立ち去ろうとする飯塚。「こっちに来て! 飯塚さん、豆、好きじゃないですか。だから僕の豆あげますので、その魚…」。「いらない。宋銭だったらいいよ」と飯塚は即答。「市場では、物々交換ではなく宋銭が必要か…」と豊本はがっくり。

scene 09「宋銭」が流通し始めていた
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「いかがでしょうか。当時の人の気持ちになって考えてみると…。ちなみにこちらが、当時使われていました宋銭(そうせん)です」と、角田が宋銭の拡大写真を見せました。「平安時代から貿易をしていた宋という国のお金です」。表面に『祥符元寶』の文字があります。「これは『祥符(しょうふ)』という時代に作られたお金=『元寶(げんぽう)』という意味です。宋から輸入したお金は商人たちを中心に日本各地で取引に使われ、広く流通していました」と角田が説明します。「それが定期市でも使われるようになって…」と言いかけて、飯塚は「あ!」と何かに気づきました。

scene 10資料から読み取れたことは
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資料から読み取ったことをまとめると…。「鎌倉時代、農業技術が発展。農民は米以外の作物を作れるようになった」。「その作物は定期市で売り、いろんな商品と交換した」。「定期市では、当時流通していた宋銭(そうせん)を使って取引されていた」。「結果、庶民も貨幣を使うようになっていった」。「て、ことなんじゃない!?」と角田に迫る飯塚。すると、「そう! …かもしれませんね!」と角田。「私は判断できませんから。ちなみに、庶民が貨幣を使うようになった理由はほかにもありまして、年貢を納める方法が、米などを納める物納から、宋銭で納める『代銭納(だいせんのう)』に変わり始めました」と言います。

scene 11貨幣が普及すると生まれた新しいサービス業とは
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「そうしたら庶民もお金が必要になるから、市場でたくさん売り買いしそうだよね」と飯塚。「さらにですね、貨幣が日本で浸透しますと、新しいサービス業が…」。角田がここまで言ったとき、角田を呼び出すアラーム音が鳴ります。「あーっ! ごめんなさい、次あるんで。これ置いておくんであとはなんかやっといて下さい」。角田は行ってしまいました。置いていったのは『借上』と書かれたパネルです。「新しいサービス業?」と考え込む豊本。「これのことなんじゃない? か…かりあげ?」と飯塚。「かりあげって、髪型ですよね?」。(正解は『かしあげ』)。「散髪屋なんですか?」。どんどん考えがまとまらなくなる二人…。

アクティブ10 レキデリ
定期市で庶民の生活はどう変わった?
鎌倉時代 定期的に開かれるようになった市場。庶民の暮らしにはどんな影響を与えたのか?「松崎天神縁起絵巻」「一遍上人絵伝」さらに東京03の歴史コントで紐解く!

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