(オープニングタイトル)
家(いえ)の中でがんぺーちゃんとあそんでいたがんこちゃんは、外(そと)は雪(ゆき)がふってきたのに気がつきました。「がんぺーちゃん、見て見て! 雪だよ、雪!」。雪を手でうけて、「ちゅめたい!」とよろこぶがんぺーちゃん。「そうだ! 明日(あした)は日曜日(にちようび)だから、たくさんつもったら雪だるまつくろうね」とがんこちゃんがいって、たくさん雪がふるように、二人で雪の歌(うた)をうたいました。「♪リンリンリン リリンリリン お空の上から雪がふる ズンズンズン スズンスズン じめんの上に雪つもる♪」。
つぎの朝(あさ)、あたりいちめん、まっ白に雪(ゆき)がつもりました。バンバンとギャオくんがやってきました。「雪がいっぱいつもったから、学校いって雪だるまつくろうぜ」。よろこんだがんこちゃんが出かけようとすると、「がんぺーたんも、いく~」とがんぺーちゃん。めんどうを見るのはたいへんだとおもったがんこちゃんは、「おるすばんしてようよ。雪の中あるいてくのたいへんだし、さむいから」といいますが、ききません。そこで、お母さんががんぺーちゃんをトイレにつれていくあいだに、こっそり出かけました。
校庭(こうてい)で、ケロちゃんとピロくんが雪(ゆき)だるまをつくっています。がんこちゃんたちもやってきて、いっしょに雪だるまづくりです。「♪ごろんごろん、ごーろごろ 雪玉ころがって大きくなあれ…♪」。そのころ、がんこちゃんの家(いえ)では、さっきまでないていたがんぺーちゃんがしずかになりました。「きっと、なきくたびれてねちゃったんだよ」とお父さん。ところがそのころ、がんぺーちゃんは家をぬけだして、雪の中を一人で学校にむかっていました。「おねえたーん! がんぺーたんも、いく~!」。
がんこちゃんたちの大きな雪(ゆき)だるまができあがりました。すると、雪だるまのうしろでうごくものがあります。なんと、あらわれたのは、がんぺーちゃんでした。みんなびっくりしますが、いっしょにあそんであげることにしました。雪だるまを見てよろこぶがんぺーちゃんに、「これね、ぼくたちが雪の玉をゴロゴロころがしてつくったんだよ」とピロくんがいいます。すると、がんぺーちゃんが雪だるまを「ゴローたん」とよんだので、雪だるまの名前(なまえ)は「ゴローさん」にきまりました。
お日さまがさして、雪(ゆき)の上にゴローさんのくろいかげがあらわれました。みんなのかげもあります。そこで、みんなで「かげふみ」をしてあそぶことにしました。かげをふまれた人がおにになる、おにごっこです。じゃんけんでギャオくんがさいしょのおにになりました。「ふむど、ふむど、かげふむど!」。バンバンやケロちゃんたちはうまくにげますが、がんぺーちゃんは雪だるまのかげにかくれようとしてころびました。「ギャオーッと! がんぺーちゃんのかげふんだ!」。がんぺーちゃんは、かげをふまれてしまいました。
こんどはがんぺーちゃんのおにです。でも、なかなかみんなをつかまえられません。そのうち、がんぺーちゃんはまたころんでしまいます。「ころんだぞ。ふんじゃえー!」。「それ! それ! そーれ!」。みんなでがんぺーちゃんのかげをふみます。がんぺーちゃんがやめてといってもききません。「いやあああ!」。がんぺーちゃんがさけぶと、なんと、がんぺーちゃんのかげが足からはなれ、にげていきました。たいへん! がんぺーちゃんが、かげなしになってしまいました。「がんぺーたんのかげっこ、ないー!」。なきだす、がんぺーちゃん。
ハジメ鳥さんがミカンをたべているところに、がんぺーちゃんのかげがとんできて顔(かお)にはりつきました。「わっ、きゅうにまっくら! もう夜(よる)になったの?」。するとかげはまたとんでいきました。「あり? 朝(あさ)だ! オハヨー…って、いまのなに?」とハジメ鳥さん。つぎにかげは、ジョギング中のヒポ先生のところにとんできて、ヒポ先生のほそいかげの上にとまります。「あらいやだ。きゅうにでぶっちょになっちゃったわ!」。するとかげはまたどこかへいってしまいます。「なんだったんでしょう、いまの?」とヒポ先生。
「えーん、えーん。がんぺーたんのかげっこ、ないー!」。がんぺーちゃんがないています。「かげがにげちゃうなんて…」。「ギャギャイ。かげ、おこった」。「ちょっとオイラたち、やりすぎたかな」。ケロちゃんやバンバンは「がんぺーちゃん、ごめんね」とあやまります。みんなで、にげたかげをつかまえにいくことにしました。がんぺーちゃんは、がんこちゃんがおんぶします。みんなは、かげのにげていった森のほうへむかいます。
「がんぺーちゃんのかげー!」。さがしていたみんなは、森の中でかげを見つけました。でも、すばやくにげられてしまいます。「がんぺーたんのかげっこー!」。またなきだすがんぺーちゃん。そのころがんこちゃんの家(いえ)では、お父さんがせんたくものをほしていました。するとせんたくものといっしょに、くろいものがほしてあります。「あれ? これ、だれの?」とお父さん。するとそのくろいものは、せんたくものからぬけだしていってしまいました。「なんだったんだ、いまの?」。
みんなが校庭(こうてい)にもどってくると、雪(ゆき)だるまのゴローさんがいません。お日さまが出ているので、とけてしまったのです。がんぺーちゃんは、ゴローさんのかげもどっかへいってしまったとおもっています。すると、「そうだ! もう一回(かい)ゴローさんをつくろうよ!」とがんこちゃんがいいました。こんどはとけないように、雪ではなくサボテンをつかうのです。「そうね。そしたらかげももどってくるわよ」とケロちゃん。みんなははりきって、サボテンのゴローさんをつくりはじめました。
サボテンのゴローさんができあがりました。「ゴローたん、かげ、かえってきた!」と、がんぺーちゃんもよろこんでいます。「がんぺーちゃんのかげだってさ、きっとかえってくるよ」。がんこちゃんがいいました。するとバケツのうしろから、がんぺーちゃんのかげがあらわれました。「かえってきてー、おねがい! もういじめたりしないから」。がんこちゃんがそういうと、かげはとんできて、がんぺーちゃんの足にくっつきました。「がんぺーたんのかげっこ、かげっこ~!」。がんぺーちゃんは大よろこび。みんなもかげにあやまったのでした。