オープニングタイトル

がんぺーちゃんのバースデーケーキをつくろうと、お父さんがケーキのざいりょうをいろいろそろえました。おいしそうです。「おたんじょう日がたのしみねえ」とお母さんにいわれ、「あいあい～！」とよろこぶがんぺーちゃん。「そういえば、ヒポ先生も、がんぺーちゃんとおたんじょう日がおなじだったわね」とお母さんがいいます。「えーっ、そうだったんだぁ。ヒポ先生にも、おたんじょう日プレゼントあげたいなぁ」とがんこちゃんがいいました。

「いやあ～。今日（きょう）もいい天気ですねぇ」。校長先生が校門（こうもん）のところで空を見上げています。ケロちゃんとチョビくんがやってきました。「校長先生、おはようございます！」。「おはようございます」。そこへ、「う～ん…」とかんがえごとをしながら、がんこちゃんがやってきました。「おや、がんこちゃん。おはようございます」と校長先生がこえをかけても、「う～ん…」とそのままとおりすぎていきます。「ありゃ、いっちゃいましたねぇ…」と校長先生。「ヒポ先生のプレゼント、なにがいいかなぁ…」。ひとりごとをいいながら、がんこちゃんは学校の中へ入っていきました。

きょうしつで、バンバンとギャオくんがいいあらそっています。「おいらなんか、ごはん10ぱいもおかわりしたことあんだぞ」。「おら、その100ばいおかわりしたギャオ」。どうやら、どっちがすごいかでもめているようです。ツムちゃんとピロくんが「おはよ…」といいかけますが、二人にはこえをかけづらいふんいき。でも、気がついたみんながあいさつします。「おはよう！」。そこへ、「う～ん、どうしよっかなぁ…」とかんがえながらがんこちゃんがやってきました。みんなが「おはよう！」とあいさつします。でもがんこちゃんは、「う～ん」というだけです。「なんだよ。あいさつなしかよ」とバンバン。

「みなさん、おはようございます」。ヒポ先生がみんなにあいさつしました。「おはようございます」とみんな。でもがんこちゃんだけは、「あー、なにがいいかなぁ…」とかんがえていて、あいさつをしません。「がんこちゃん、どうかしましたか？」とヒポ先生にきかれ、とつぜん、「ねえ、ヒポ先生、なにがほしい？」というがんこちゃん。「はあ？」とわけがわからないヒポ先生。がんこちゃんが、「あ、だめだ。きいちゃったらびっくりさせられないもんね。あはは、なんでもありませーん」といったので、ますますわけがわかりません。「はあ…？」。

学校がおわりました。「みなさん、さようなら」。「先生、さようなら」。きょうしつでバンバンとギャオくんが、どちらがこくばんをけすかでまたもめています。「木の実（み）のネックレス、それともサボテンのお人形（にんぎょう）…。う～ん」とかんがえていたがんこちゃん、とつぜん「あー、どっちもだめだめ！」と大ごえでいったので、バンバンたちはじぶんたちのことかとびっくり。みんなが気がつくとがんこちゃんがいません。「あいつ、バイバイっていったっけ？」とバンバン。「ううん、いってないギャオ」とギャオくん。「ちょっとまってみる？」とケロちゃんがいいますが、「ああ…う～ん…」とみんな。

がんぺーちゃんがおばあちゃんとつみ木であそんでいます。「おねーたん、まだ～？」というがんぺーちゃんに、「そろそろかえってくるよ」とおばあちゃん。そこへ、がんこちゃんがかえってきました。「ねーたん、おかえり～！」とよろこぶがんぺーちゃん。ところががんこちゃんは、「なにがいいかなぁ」とかんがえこんでいてへんじをしません。「おかえりー。ね、おかえりー。おかえりーっ！」とくりかえすがんぺーちゃん。するとがんこちゃんが「もう、がんぺーちゃん！　おねえちゃん、いまかんがえごとしてるんだから！」といったので、がんぺーちゃんは「びえええ～っ！」となきだしてしまいます。

そこへお父さんとお母さんが出てきました。「あらあら、どうしたの？」。おばあちゃんはがんこちゃんに、「がんぺーちゃんが『おかえり』っていってるんだから、『ただいま』っていっておあげよ」といいます。「わかったよ。ただいま！」。がんこちゃんが大ごえでいったので、がんぺーちゃんは「びええ～ん！」とまたなきだしてしまいました。「ま、そんないいかたはないでしょ！」というお母さんに、「『ただいま』くらいで、へんなの！」とがんこちゃん。するとおばあちゃんが、「へんじゃないよ。がんこちゃんだってあいさつしてもらえなかったらかなしいだろ？」といいます。「そうかなぁ…？」というがんこちゃん。

そのよる。「がーん、ここここ…。がーん、ここここ…」。ねていたがんこちゃんはゆめを見ました。……「あれぇ？　ここ、どこ？」。ケロちゃんとチョビくんがやってきました。「おはよう～」とあいさつすると、バンバンとギャオくんも「おはよう～」。どうやらここはきょうしつです。やってきたツムちゃんとピロくんに、がんこちゃんも「おはよう～」とあいさつしますが、二人はだまってとおりすぎました。そしてみんなに「おはよう」といっています。「あれれれ？　ねえねえ、みんな、おはよう～！」。あせったがんこちゃんが大きなこえでいうと、ケロちゃんはちらっと見て、どうでもいいというかんじで「…おあよ」。

「えーーーっ！？　みんな、どうしたの？」。そのとき、「よいちょ、よいちょ」とがんぺーちゃんのこえがしました。つみ木であそんでいます。「あれ？　あたし、うちにかえってきたんだ。がんぺーちゃん、ただいま」とこえをかけるがんこちゃん。でもがんぺーちゃんは、ちらっとがんこちゃんを見るだけ。へんじもせずに、つみ木をつづけています。「ねえ、ただいま！　ただいまってば！　おねえちゃんだよ」とひっしになるがんこちゃん。すると、がんこちゃんのからだがどんどんきえていききます。「あれ？　あれれれ？　あたし、きえてってる！　うわあ、どうなってんの～！」。

「わあーっ！」。がんこちゃんがさけびながらとびおきました。「はあ…ゆめかあ。あたし、だれにもあいさつしてもらえなかった…」。そこへ、がんぺーちゃんが入ってきました。「おねーたん、おはよ！」といいます。「がんぺーちゃん！　よかったぁ！」とあんしんしたがんこちゃん。「おはよう、がんぺーちゃん。おはよう、おはよう～！」と大よろこびであいさつします。「そうかぁ。あいさつされると、大切（たいせつ）にされてるって気がする。あいさつはちゃんとしよう！」とがんこちゃん。あいさつの大切さがわかったようです。「あいあい！」とうれしそうながんぺーちゃん。

ドーナツぬまのほとりをがんこちゃんがはしっていきます。「ラッパーさん、おはようーっ！」。学校についたがんこちゃんは、「みんな、おはよう！」とこえをかけました。みんながあいさつしてくれるか、がんこちゃんがきんちょうしてまっていると…。「おはよう！」。みんなもあいさつしてくれました。「昨日（きのう）、バイバイしないでかえっちゃってごめんね。あたし、ずっとかんがえごとしてて…」とあやまるがんこちゃん。みんなは、「そんなことだろうとおもったよ」とわらってくれました。「あのね、ヒポ先生、明日（あした）ね…」とがんこちゃんはみんなにせつめいします。

つぎの日。「みなさん、おはようございます」とヒポ先生。みんなはとても元気（げんき）に「おはようございます！」とあいさつ。そこでがんこちゃんが「せーの！」とこえをかけ、みんなで「おたんじょう日、おめでとうございます！」といいました。「はい、先生。みんなでつくったんだよ」。たんじょう日のプレゼントをわたします。ヒポ先生のにがおえです。「ありがとう。とってもうれしいわ。だけどね、みなさんがえがおで『おはよう』、『おめでとう』っていってくれたことがもっとうれしいわ。本当（ほんとう）にありがとう！」。なみだぐむヒポ先生。みんなもとてもうれしそうです。