オープニングタイトル
もやの中を歩いているユウ。次々外国人があらわれ話しかけてくる。何を言ってるのかわからない。せまってくる外国人。「うわあーっ」、あせびっしょりでとび起きた…ゆめか。「ぼくは外国の人がこわい。ひとこともわからないのに、ガーッて話しかけるから」。
授業(じゅぎょう)ですなはまのゴミ拾い。ユウがすなの中にキラキラと光るものを見つけた。それは黄金色にかがやく龍(りゅう)がえがかれたカードだった。「カッコええー!」。うらには何か書いてある。漢字のようだがわからない。きっと最強(さいきょう)のバトルカードだ。
下校のとちゅう、おもちゃ屋さんによって、店のお兄さんたちに見てもらったけど、何のカードか分からなかった。店の外に出ると、学級委員のミカが立っていた。「ちょっと、こんなところで何してるの?」。
カードを見たミカは書かれているのは中国語だという。ユウが「なんでわかるの?」と聞くと、「わたし、中国人だもん。ひいおじいちゃんが中国から来て、わたしで四世。うちにおいでよ。おばあちゃんなら全部読めると思うから」。ミカはユウを引っぱっていった。
中華街(ちゅうかがい)の入口に立つユウ。分からない言葉で話しかけられたら…と不安(ふあん)なユウ。時々迷々があらわれた。「まよってる? 知らない国のことを知るチャンスじゃないか」。気がつくと、ミカが手をさし出している。思い切ってその手を取り、ユウは歩いていった。
ミカの家は中国料理(りょうり)の店だった。おばあちゃんにカードを見せると、「これはね、ギョウザの作り方のレシピだよ」と言った。中国のギョウザは、家によって作り方がみなちがうのだという。ミカが言った。「このレシピのギョウザ、作って食べてみない?」。
みんなでギョウザを作る。カードに書かれたレシピのかくし味はシソらしい。「うちは代々みそを入れるんだよ」とミカ。カードの中国語をおばあちゃんが読んでいく。おばあちゃんに教えてもらい、ユウもはじめてギョウザを作った。
ゆでたギョウザをみんなで食べた。「いつも食べてるのとぜんぜんちがう!」とうれしそうにユウが言った。「中国からはなれて日本に住んでも、すきな味はかえられないんだよ」とおばあちゃんがしみじみ言う。ユウはカードをじっと見つめた。
ミカの家族が中国語の歌をうたってくれた。同じ曲を、バンドをやっているおもちゃ屋のお兄ちゃんたちも演奏(えんそう)してくれた。元は日本の歌だという。言葉はちがうけど同じ曲だ。世界はつながっているんだ。