（オープニングタイトル）

「はい、がんせきオムレツできたよ！」。お父さんがオムレツをはこんできました。「わぁ～！　いっただきま…」とがんこちゃんとがんぺーちゃんがいいかけたとき、とつぜん、ぐらぐらっといえがはげしくゆれました。「わっ！　じしん！？」とびっくりするがんこちゃんたち。すぐにお父さんが、「二人とも、テーブルの下に！」といいます。ところが…、「あれ？」。見ると、お母さんがたいそうをしていました。そのドスン、ドスンというひびきでいえがゆれていたのです。「なんだ、お母さんか」とがんこちゃん。「もう～、てっきり、なまず大王がおきてきたのかとおもったよ」とお父さん。「なまず大王…？」とがんこちゃん。

するとお父さんが、「そう。なまず大王がおきると大じしんがくるといわれてるんだよ」といいました。「このいえも、じしんがきたらちょっとしんぱいねぇ。もしものときのために、ひなんばしょをきめておかない？」とお母さんがいいます。「そうだねぇ」。「あ、やっぱりあそこね！ “みちしるべのおか”！」とお母さん。「あ、あのおかならあんしんだね！」とお父さんもいいます。「がんこちゃん、大きなじしんがきたら、みちしるべのおかにひなんするのよ」とお母さんがいいました。「はいはーい」とこたえましたが、がんこちゃんもがんぺーちゃんもオムレツをたべるのにむちゅうです。

ドーナツぬまのそこでは、カッパさんが子もりうたをうたっていました。「♪なまず大王　ぐっすりこ～　このままずーっと　ぐっすりこ～♪」。そこへ、カッパのラッパーがあらわれました。「♪ヘーイ！　おいらラッパー、カッパのラッパー、イェーイ！」。カッパさんは、「おらっち、なまず大王をねむらせておくために、なまずくわずで子もりうたをうたってるっちゃよ。大王が目をさますとよ、おはやしにあわせておどりだしてよ、大じしんがおきるっちゃよ」といいます。そのとき、おはやしのような音がきこえてきました。「なぬ！　このおはやしは…！　たいへんだっちゃ～っ！」。カッパさんはあわててかけだしました。

「♪ジリジリベルベル♪」。学校がおわって、がんこちゃんたちがかえっていきます。「なあなあ、がんこ、うらの森のアレ、見たか？」とバンバンがいいました。「なにそれ？」とがんこちゃん。するとチョビくんが、「うらの森に、石のかべがあってね、それがさぁ…」といいかけて、「あぁ、ありゃ、すげーよな！」とバンバンがいいました。「ね～」とわらいながらバンバンとチョビくんはいってしまいました。「へぇ、なんだろう？　ちょっといってみようっと」とがんこちゃんは一人でうらの森へ出かけました。

がんこちゃんが、うらの森にやってきました。「石のかべってこれかぁ」とかべを見たがんこちゃん、かべにあるもように気がつきました。「わぁ、なんだか、お父さんがいってたなまず大王みたい」。なまずのようなえに見えます。すると…、「うん？」。きゅうにじめんが大きくぐらぐらっとゆれはじめました。「う、うわっ！　うわぁっ、じしんだぁ！」。あわてるがんこちゃん。「えーと、えーと、じしんのときは、つくえの下にもぐる…って、つくえがなーい！　ど、どうしよう…！」。

ここで、シンキングタイム。かべと、ひろいばしょなら…。「このかべ！　これにつかまろうか？　それとも、ひろいばしょでしゃがむ？　でも、なんかしんぱいだなぁ…。かべにつかまる？　しゃがむ？　どうしよう～」とまよったがんこちゃん。「よし、かべにつかまろう！」。そうきめたとき、「ダメ！　かべからはなれて！」というこえがきこえました。「え？」。さらに、「あたまをまもって、しゃがむの」ときこえます。「えっ、ええ？」。とまどいながらも、いわれたとおりにするがんこちゃん。すると、しっかりしていたように見えた石のかべが、じしんのゆれでガラガラとくずれてたおれました。

「あぁ！　くずれちゃった！」とびっくりするがんこちゃん。すると、「ぽわっぽわ」とこえがします。「たおれてきそうなもののちかくとか、上からなにかおちてきそうなばしょは、あぶないよ」といいます。「そっかぁ。あなたはだあれ？」ときくと、「ランププだよ、がんこちゃん」といいます。「あたしのこと、しってるの？」。「ぽわっぽわ、ランププ、ずっとまえからしってるよ」。「えぇ？」。じしんがおさまりました。「うちにかえらなきゃ！」とがんこちゃん。「おうち、ちかいの？」ときかれ、「ううん。きょうね、よりみちしちゃったの。学校にもどろうかなぁ。ここにずっとはいられないし…。どうしよう～」。

まようがんこちゃんに、ここで、またシンキングタイム。おうちと、学校だったら…。「おうちにかえる？　それとも、学校にもどる？　お母さんたちにあいたいけど、学校のほうがあんぜんかなぁ。うーん…」とがんこちゃん。「やっぱり、かえる！」といいました。すると、「ぽわっ。お母さんたち、おうちにいるの？」とランププ。「え？　あ…」。そこでがんこちゃんは、あさ、お母さんがいったことをおもいだしました。『がんこちゃん、大きなじしんがきたら、みちしるべのおかにひなんするのよ』。「みちしるべのおかにひなんするんだった！」。がんこちゃんはかけだしました。

「へっほ、へっほ…、あ、みちしるべのおかだ！」。がんこちゃんがおかのふもとにやってきました。「あれ？　みちがわかれてる…」。するとランププがいいました。「こっちのみちは、ひろいのはらのみちだね」。「でも、ちょっととおまわりかも」とがんこちゃん。「こっちのみちは、川のそばのほそいみちだね」とランププ。「こっちのほうが、ちかみちかな…。あ～、どうしよう…」とまようがんこちゃん。「ひろいのはらのみちと、川のそばのほそいみち…。いそいでるから、どっちがいいんだろう。うーん…」。そして、「やっぱり、川のほうにする！」といいました。

すると、「まって！　これを見て」とランププがじぶんのくびかざりを見せます。あかるくひかりはじめたくびかざりに、ほそいみちがうつしだされました。「川のそばのみちだ」とがんこちゃん。見ていると、とつぜんみちがくずれて川の中におちていきました。「川のそばのみちはあぶないんだよ」とランププ。「あわわ…」とふるえるがんこちゃん。ランププが、「大むかし、うみの水が川をさかのぼってきたこともあったよ」といいます。「そうなんだ…」とがんこちゃん。「川のそばはやめて、こっちからいこう」とランププ。「うん」。がんこちゃんは、とおまわりだけど、ひろいのはらのみちをいきました。

森の中をツムちゃんがやってきます。「ふぅ、すごいじしんだった～」。そのとき、ぐらぐらっとまたゆれがきて、大きな木がたおれかかります。「ひぃーっ」。ドシーン！　ツムちゃんはうごけなくなりました。そこへ、「いそいで！　ほら、気をつけて！」とがんこちゃんのお母さんたちがやってきました。「だれかきた。気づいてくれないかな…。あ、がんこちゃんのお母さんだ！」。でもみんな気づかずにいってしまいそうです。「いっちゃう…どうしよう…」。なかなかこえを出せないツムちゃん。でもツムちゃんはゆうきを出して大きなこえでさけびます。「まって！　たすけてください！」。お父さんが気づいてくれました。「まぁ、ツムちゃん！　たいへん！」。

「よいしょ、よいしょ、もうすぐだ！」。がんこちゃんがおかのふもとにつくと、「おーい、がんこちゃーん！」とお母さんたちがやってきました。「お父さーん、お母さーん！　あ、ツムちゃんも！」とホッとするがんこちゃん。「ちゃんとやくそく、おぼえてたのね」とお母さんもよろこんでいます。「ランププのおかげだよ。ね？」。がんこちゃんがふりむくと、ランププのすがたはきえていました。「あれ？　あれれ？」。そのとき、ヒューッとかぜがふき、まいあがった木のはっぱが一まい、がんこちゃんの手にのこりました。「ランププ…？」。

「すごいじしんでしたねぇ」。「ほんとに」。みちしるべのおかの大きな木の下にみんながあつまっています。「大むかしにじしんがあったときも、このおかにひなんしてみんなたすかったんですって」とヒポ先生がいいます。「そうなんだ…」と木を見上げるがんこちゃん。すると校長（こうちょう）先生が、「この木は“ランプの木”とよばれています。ずーっとざわざわ森のみんなを見まもっているんですねぇ」といいました。「ランプの木？　え～？」。がんこちゃんは、えだにぶらさがっているランプのようなみに、「ランププ、ありがとう」とささやきました。すると、「ぽわぽわ、うふふ」とランププがわらったようでした。