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オープニング
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『もやモ屋』。それは、まぼろしの映画館(えいがかん)。みればみるほど、頭はモヤモヤ、心もモヤモヤ。さあ、ごらんあれ!

scene 01わたしはうそが大きらい
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『♪どうして人はうそをつく 何かをおそれてうそをつく わたしはうそが大きらい♪』。 朝の会のとちゅう、ちこくした男子とゆきえがかけこんできました。「あのですね、えっと…」。ザリガニの水槽(すいそう)が目に入った男子が言いわけをします。「ザリガニのごはんを家にわすれたんで、取りにもどったんで、ちこくしちゃって」。先生に「エサは? 持ってきた?」と聞かれ、「あー、いや…、入れたはずなんで。あるはずなんで…。あれ? ない」とランドセルの中をさがすふりをする男子。『♪うそつく心 ざわざわどんよりくもり空♪』。

scene 02正直って正義、正直って勇気
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「わたしは、ねぼうしてちこくしました。すみません」。頭を下げるゆきえ。『♪正直な心 スッキリ晴れやか青い空♪』。「ゆきえさんは正直だね。今度から気をつけてね」と先生。「はい」。自分の席(せき)に向かうゆきえが、「あれ? あきら、かみ切った?」とうしろの席のあきらに声をかけました。「わかる?」。「わかるよ。前のかみ形のほうがにあってたね」。「え…」とかたまるあきら。『♪いつも正しくまっすぐに 正直って正義(せいぎ) 正直って勇気(ゆうき) 正直が大すき すき♪』。

scene 03あゆみの手作りパン
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「すっごーい」。公園に女子が集まっています。ゆきえも行ってみると、あゆみがパンを配っていました。「これ、あゆみ、作ったの?」。「すごいよね。あゆみが今日の料理(りょうり)クラブで作ったんだって」と友だちがゆきえに言います。「ゆきえちゃんもよかったら食べてくれる?」とあゆみがパンをわたしました。「ありがと!」。みんなでベンチにすわって、「いただきまーす」。食べ始めました。すると、「これ、おいしくない。かたくてにがい」とゆきえが言いました。「そっか…わたしパン作るのはじめてだから。ごめんね」としょんぼりするあゆみ。「そんなことないって。おいしいよ」とフォローする友だち。

scene 04社会人にはうそも必要?
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「だって、あゆみのパンおいしくなかったもん」とゆきえ。「たしかにおいしくなかったよ。でも、おいしくなくても『おいしくない』って言わないよ、ふつう」と友だち。「ぜんぜんわかんない」。すると、「ゆきえのお母さん、お仕事してるよね?」と友だちが言います。「してるよ」。「お母さんがお仕事でつかれて帰ってきてがんばって作ってくれたごはんがおいしくなかったとき、『お母さんのごはん、まずい』って言っちゃうわけ?」。「わたしたち社会人なんだよ。小学生だけど『社会人』なの。社会の中で生きてるんだから。社会人にはうそが必要(ひつよう)なときもあるの」。「ゆきえもちゃんとした社会人になりなよ」。

scene 05うそつきのわたし、こんにちは
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朝、登校のとちゅう、ゆきえはあゆみを見つけました。「ゆきえちゃん、おはよう」と立ち上がるあゆみ。「おはよう。この前はごめんね」とゆきえが言うと、「これ」とあゆみがパンを取り出しました。「わたし、パン作りサークルに入ったんだ。初心者(しょしんしゃ)が集まってみんなでパン作りを習うの」。「へぇ」。「味見してみて」。「いただきます」。食べてみるゆきえ。『♪いつも正しくまっすぐに…』。「この前より上達(じょうたつ)してるね。おいしいよ」と言うと、「うれしい。みんなにも配ってくる」とあゆみは走っていきました。『♪正直なわたし さようなら うそつきのわたし こんにちは♪』。

scene 06あゆみのパンは最高!?
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「♪ピンポ~ン」。インターホンが鳴ったのでゆきえが玄関(げんかん)に出てみると、あゆみが立っていました。「パン作りサークルの帰りなの。これ」とパンをわたすあゆみ。「どうしてもできたて食べてほしくて」とあゆみ。家に入り、遊びにきていた友だちもいっしょにあゆみのパンを食べてみます。「今日は中に具を入れてみたよ」とあゆみ。いち早くゆきえが感想を言いました。「うん。ほんのりあまいパン生地とくるみのハーモニー、最高(さいこう)だよ! ねぇ?」「そうだね、最高だね」と友だち。でも、こっそり顔をしかめるゆきえです。

scene 07パンのおかげでみんなとなかよくなれた
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次の日も、あゆみにもらったパンを食べるゆきえたち。「かわいい見た目に反して、なかなかのかみごたえ。小さなゴマのパンチがきいてる。ぜつみょう~」。「ぜつみょう~」。「わぁい、うれしい」とよろこぶあゆみ。また次の日も、公園であゆみにパンをもらって食べるゆきえたち。「あゆみのパンって、食べれば食べるほどもっともっと食べたくなる。とまらない」。やけくそになってパンを食べつづけるゆきえ。「ゴホッゴホッ」。パンがのどにつまってせきこみました。「パンはにげないよ。ゆっくり食べて。わたし、みんなとなかよくなれて、ほんとにうれしい。パンのおかげだ」。うれしそうなあゆみが帰っていきます。

scene 08ゆきえがへんなおせじばかり言うから
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「おはよう! 新作のあゆパンだよー」。次の日もあゆみがパンを持ってきます。「むり。あゆみのパン食べるの、もうむり」。公園でゆきえたちがパンを手にすわりこんでいます。「すてちゃおっか?」。「えっ、すてるなんてだめだよ」とゆきえ。すると、「ゆきえのせいだよ」と友だちが言います。「わたしのせい?」。「ゆきえがへんなおせじばっかり言うから、あゆみが調子にのっちゃったんだよ」。「だって、『おいしくない』って正直に言っちゃダメだって言ったよね? ちゃんとした社会人になりなさいって」。「言ったけど、ゆきえはちょっとやりすぎ」。「あれじゃただのうそつきだよ」。「もうわかんない!」。走り去るゆきえ。

scene 09わたし、どうすればいいんだ
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ゆきえがだれもいない教室にそっと入っていきました。「すてるよりいいでしょ」。ザリガニに少しずつパンをやります。『♪正直 うそつき 本当に正しいのはどっち ねえわたし どうすればいいんだ かみなりゴロゴロ 引きさかれる かみなりゴロゴロ 引きさかれる♪』。

scene 10「あのね…」
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ゆきえがあゆみのパン作りを見にいきました。パン教室であゆみが楽しそうにパンを作っています。ガラスごしに見ていたゆきえが帰ろうとすると、「ゆきえちゃん、待って」とあゆみが気づいて出てきました。「たまたま通りかかって…」とゆきえ。「ちょうど今、新作がやきあがったところ。何のパンだと思う? 当ててみて」とあゆみ。「なんだろう?」。「正解(せいかい)は…ねこパンだニャン。はい」とあゆみがゆきえにわたします。「あついから、ねこじたさんは気をつけてね」。「ありがとう」と受け取って食べてみるゆきえ。「どう?」。ゆきえの心は、モヤモヤ…。「あのね…」。

もやモ屋
あゆみのパン【正直、誠実】
いつも正直な小4の雪絵。同級生のあゆみが手作りしたパンを「まずい」と一刀両断。友だちに「あゆみのためなのだからウソをついてもいい」と言われ、モヤモヤする。

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