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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene 01駄菓子屋をあけるべきかどうか
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わたしの名前は、村山保子(むらやま・やすこ)。“やっちゃん”ってよばれています。わたしの“なやみのタネ”は、わたしがやっている駄菓子(だがし)屋を、あけるべきかどうか。わたしのお店は、ちょっと町のはずれにあります。近所にすむ子どもたちがお客さん。家族みんなで来てくれる人もいます。子どもたちが遊んだり、宿題をしたり、いつもにぎやかなはずなんだけど、今はお店をとじています。お店を休んでいる理由は、新型コロナウイルスの感染(かんせん)を広げてはいけないから。

scene 02お店におそろしい張り紙が
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お店は6畳(じょう)ちょっとしかないので、3人か4人でいっぱいになります。それをさけたくて、しばらく休むことになりました。もう一つ、お店をあけられない理由があります。そこらじゅうでマスクが不足していたとき、わたしが持っていたマスクを店に置いてみたんです。花粉症(かふんしょう)で箱ごと買っていたのが家にあったので、少しでも感染(かんせん)を防げればと思ったから。そうしたらお店に一枚(まい)の張り紙がされていました。『コドモアツメルナ オミセシメロ マスクノムダ』。おそろしくて足がすくみ、胸(むね)がしめつけられました。そんなこともあったから、またお店をあける決心ができないんです。

scene 03お店はわたしの生きがい
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今は家で一人ぐらしをしています。子どもはみんなそれぞれの家庭があるし、夫は6年前に亡(な)くなりました。だれとも話さない日もあります。お店を開いたのは、8年前。それまで家事と子育てばっかりしてきたわたしに、お店をやったらどうかと家族がすすめてくれたのです。お店に立つと、思ってもみない毎日が始まりました。子どもたちとのやりとり。にぎやかな声。お店はわたしの生きがいになりました。子どもたちの声を聞くと、わたしが元気をもらえるし、活力になっています。子どもたちの声がないお店は半分死んでいるようなもので、わたしもすごく空しい。早くみんなの顔を見て、みんなの声が聞きたいです。

scene 04営業している駄菓子屋さんを見にいった
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お店をあけるかどうか、まだ決められません。営業している駄菓子(だがし)屋さんがあると聞いて、行ってみることにしました。どんなふうにしているんだろう。お店の人が、「店内に入る前に消毒をお願いします」と言っている。子どもたちがまとまってやってくると、「当店、ソーシャルディスタンスで4名まで。ちょっとお待ちくださいね」と言って待ってもらっていた。うわー、やりたい、うちのお店。明日からやりたいよ。

scene 05娘にも相談したけど
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対策(たいさく)をきちんとすれば、お店をあけてもいいかな。娘(むすめ)に相談することにしました。「(子どもたちの)あの声、聞きたいね。やっぱりね」。「オープンさせたいけど、やっぱりお母さんが高齢(こうれい)っていうのがある。それのほうが心配」。反対する人も、いるかな。「まだあのチラシのショックが残ってるからね」。

scene 06子どもたちの笑顔が見たい
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子どもたちの笑顔が見たい。子どもたちが好きなお菓子(かし)をわたしが選んで、お弁当形式にしてみました。お店の外で売ってみます。しばらくすると、子どもを連れたお客さんがやってきました。「はい、いらっしゃい」。「こんにちは。お久しぶりです」。「お久しぶりです。お弁当なんですよ」。「かわいい」。「かわいいでしょ?」。「やっちゃんがつめてるんでしょ? やっちゃん元気かなと思って、いつも通ると。しまってると思って」。「はは、ありがとう」。

scene 07「遊べる場所がここしかない」
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続いて男の子二人組がやってきました。「こんにちは」。「こんにちは。元気にしてた?」。「弁当もいいけど、早くふつうに発売してほしい」。「買いたいよね」。「遊べる場所がここ以外にない。ここしかない」。女の子もやってきました。「ここで、コロナがおさまったら、勉強していいですか?」。「どうぞして下さい。はい、ありがとうございます。気をつけてね」。「今度、友だちとまた来ます」。「はい、待ってます」。

scene 08わたしの理想の駄菓子屋は
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「はい、どうもね。バイバーイ」。子どもたちに会えてうれしかったけど…。駄菓子(だがし)屋っていうのは、お菓子を買いに来るだけの場所じゃなくて、大勢の子どもたちがここで遊んだり、わたしでわかることであれば、こうだよああだよって言ってあげられたりする場所。やっぱり、それが、わたしの理想の駄菓子屋さん。お店を本格的にあけるべきか、あけるべきじゃないのか…。どうしたらいいんでしょうか?

SEED なやみのタネ
やっちゃんのなやみ ~お店、あけてもいいかな?~
今回の主人公は、千葉県でだがし屋を営む村山保子さん。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、店は休業に追い込まれた。いつ営業を再開できるのか、葛藤する姿に迫る。

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