チャプターあらすじを読む
オープニング
ないようを読む

scene 01“自分の生き方”について考える
ないようを読む

「みんな、ココロ部へようこそ! 入部おめでとう。わたしは部長のカンガエールだ。人は生きているといろんな“ピンチ”にあう。このココロ部では、そんなときどうすればいいか、じっくり話し合う。そして、自分の生き方について考えていくのじゃ。それじゃあ、今日もトレーニングを始めるぞ。このココロ部では、みんなのセンパイ部員コジマくんに、毎回なやましい“ピンチ”がおとずれる。今回はコジマくんにパティシエになってもらおう。夢だったケーキ屋を開店する日に“ピンチ”が起こる。みんなも自分がコジマくんの立場だったらどうするか、理由もいっしょに考えてみよう」。

scene 02夢だったケーキ屋さんをオープン
ないようを読む

今日は、コジマくんのケーキショップの開店日です。「あ~、ついに夢のお店のオープンか」。苦労してお金を貯めて、ようやくお店を出すことができたのです。コジマくんのイメージ通り、女子のハートをくすぐるかわいいお店です。「あとはこれをかければ完成、と」。コジマくんが売り場のかべに絵をかざろうとしたとき、「コジマくん、開店おめでとう!」と、鈴木くんがやってきました。鈴木くんはコジマくんの小学校の同級生。今でも仲良しの友だちです。「コジマくん、小学校の卒業文集に、大きくなったらケーキ屋さんになりたいって書いてたよね。その夢がついにかなったんだね」。

scene 03友だちからのプレゼントは…
ないようを読む

「これ、開店祝いのプレゼント」。鈴木くんが大きな箱を差し出しました。「ありがとう!」と喜んだコジマくん、開けてびっくり! 大きなてんぐのお面だったのです。『げっ、何だこれ?!』。すると鈴木くんは、「これ、“招きてんぐ”っていう縁起物(えんぎもの)なんだ。お店にかざるとお店が繁盛(はんじょう)するらしいよ」と言いました。「そこにかざるといいよ。お客さんから見えるところにかざると効き目があるらしいんだ」。鈴木くんは売り場のかべを指差します。『そんな目立つところにかざったらまずいよ…』。そこにケータイのよびだし音が鳴り、鈴木くんは店の外へ出ていきました。

scene 04お店のかわいい雰囲気が台無し
ないようを読む

コジマくんは試しにてんぐのお面をかべにかけてみますが…。やっぱりお店のかわいい雰囲気(ふんいき)が台無しです。そのとき、「この店、今日オープンだよね」という声が。女の人が二人、お店の中をのぞきこんでいます。ところが、「ちょっと何? あのてんぐ!」とお面に気がつきました。「変なの。あんなのかざる店ってケーキの味も今イチだよ。センスなさすぎ」。そう言って二人は行ってしまいました。「やっぱりこれ、まずいでしょ。こまったなぁ。お面をかざらないと鈴木くんに悪いし、お面をかざったらお店のかわいい雰囲気が台無しになっちゃう。あ~どうしたらいいんだ…」となやむコジマくん。

scene 05かざる? かざらない?
ないようを読む

「うんうん。こまったプレゼントってあるよねぇ」とうなずくカンガエール部長。「さて、ここまで見てきてみんなはどう考えた? てんぐのお面、かざる? かざらない?」とたずねます。するとさっそく着信音がして、全国のココロ部員のみんなからの声がタブレットにとどきました。まず、「わたしだったらかざらない。せっかく夢がかなったのに、お客さんが来なくなったらすべて台無しになっちゃう」という意見。「確かに。ケーキ屋はコジマくんの長年の夢だったもんねぇ」と部長。続いて、「ぼくだったらかざります。鈴木くんがかわいそう。おさななじみのためならがまんできます」という意見。

scene 06“思いやり”と“おせっかい”
ないようを読む

「ほぉ~。友だちの思いを大事にしたいんだねぇ。こりゃ、まようねぇ、オオシマくん」とカンガエール部長。すると、「コジマだよ!」と着信音が。コジマくんからの返信です。「確かに、鈴木くんはぼくのことを思いやってこのお面をくれたんだろうけど、プレゼントの選び方まちがっているでしょう!? なんでぼくをこんなにこまらせるんだよ~!」とコジマくん。「うーん。相手からの思いやりが、自分にとっては逆にめいわくになることもあるってことかな。“思いやり”と“おせっかい”って、どうちがうんだろうねぇ」と部長も考えこみます。

scene 07「このお面はかざれないよ」
ないようを読む

コジマくんは、「おせっかいは、相手の気持ちや状況(じょうきょう)をちゃんと想像していないからやっちゃうってことかな…」と考えました。「鈴木くん! ぼくの気持ち、もっと想像してよ~!」とコジマくん。「ということはコジマくん。あのてんぐのお面は?」とカンガエール部長に聞かれ、「もちろんこのお面はかざれないよ。今まで苦労して、やっと自分の店を持つことができたんだもん」とコジマくん。「そうか。さぁ、続きを見てみよう」と部長が言いました。

scene 08手作りのお面だった… 
ないようを読む

コジマくんがてんぐのお面をはずそうとしているところへ鈴木くんがもどってきました。鈴木くんは「ごめん。やっぱりそれ、気になるよね。どうしても形がいびつになっちゃって」とあやまります。このお面、実は鈴木くんの手作りだったのです。「手作りのてんぐのお面をお店にかざると、てんぐの鼻のように長くお店が続くって聞いたから作ってみたんだ。前にコジマくんが、お店がうまくいくか心配だって言ってたから」。そう言う鈴木くんの手はばんそうこうだらけ。作ったときにケガをしたのでしょう。それに気がついて、『やっぱりかざろうかなぁ。うーん、どうしよう…』とコジマくんはさらになやみます。

scene 09『相手も大事、自分も大事』
ないようを読む

「まさか、鈴木くんの手作りだったのか。これはなやましいねぇ」とカンガエール部長。そこへコジマくんからの着信です。「ここはやっぱり、がまんしてお面をかざるしかないよ。お店のかわいいイメージに合わなくてもしかたないと思う。鈴木くんの気持ちを考えたら、これはかざらないわけにはいかないもん、絶対に!」と言います。「絶対に、かざらないといけない、かぁ。うーん。でもちょっと待って」と部長。「ここで、ココロ部の心得を一つ。『相手も大事、自分も大事』。相手の気持ちも大事だけど、自分だけがまんするのはよくないってことだね」と言いました。

scene 10本音で言い合うことも友情
ないようを読む

「つまり、コジマくんの夢や目標も大事。そして、友だちの鈴木くんの思いも大事。みんなはどう思う?」とカンガエール部長。するとタブレットにみんなから着信です。「ぼくがコジマくんだったら、自分の思いを大事にして、てんぐのお面はかざりません。かざらない理由も正直に友だちに伝えます。本音で言い合えるのが本当の友だちだと思うからです」という意見です。「うん、そうだね。本音を言うときも友だちの気持ちを考えて、どう伝えたらいいのか、よーく考えることも大切かもね」と部長。そこへまた着信です。

scene 11“本当の友情”とは?
ないようを読む

「わたしだったら、鈴木くんの思いを大事にして、てんぐのお面をかざります。雰囲気(ふんいき)に合わなくても、形が悪くても、時間をさいて作ってくれた友だちの気持ちに応えたいから」という意見です。「うんうん。友だちの思いを100%大切にしたい。その気持ち、わかるねぇ」とカンガエール部長。さらに着信です。「わたしはコジマくんの気持ちも、鈴木くんの気持ちも、両方とも大事にしたい! だから、目立つ売り場ではなくて、キッチンとか裏(うら)にかざります。店の雰囲気をこわさないし、鈴木くんの気持ちを少しでも大事にできると思うから」。

scene 12さぁ、キミはどう考える?
ないようを読む

「なるほど。答えに行きつくトビラはいくつかあるかもしれないなぁ」とカンガエール部長。そこへまた着信音です。「おっ、またまた来た! いろんな子の答えがとどいているぞーい! さぁ、キミはどう考える?」。次々にみんなの意見がとどき始めました…。

ココロ部!
こまったプレゼント
コジマはパティシエとなり、ピンチに遭遇。「思いやり」や「友情」について考える。コジマは長年の夢が叶って、オシャレなケーキショップを開くことになったが…。
関連キーワード:
思いやり親切友情友達信頼