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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene 01犯罪を犯したことがある人をどう思う?
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はじめまして。千葉龍一(ちば・りゅういち)といいます。とつぜんですが、みなさんは、犯罪を犯したことがある人をどう思いますか? わたしのなやみはそのことと関係があります。70代前半の田中さん。実は去年、刑務所(けいむしょ)から出てきました。住む家も仕事も見つからず、わたしのところにやってきました。

scene 02犯罪を犯した人が社会にもどるための支援
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わたしの仕事は、犯罪を犯した人が社会にもどるための支援(しえん)をすることです。住む家を提供(ていきょう)したり、仕事をさがすのを手伝ったりしています。めざすのは、自分の力で生活できるようになること。でもそれはかんたんなことではありません。田中さんも、安定した仕事を見つけるのにとても苦労してきました。犯罪を犯した人はダメだと言われていきなり仕事をクビになったこともあったと言います。過去に犯罪を犯したために信用してもらえず、居場所を失う人をわたしは大勢見てきました。そういう人たちを少しでも減らしたいと活動しています。

scene 03「仕事もない。金もない。住むところもない…」
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60代の山本さん。2年前から支援(しえん)しています。「仕事が全然見つからなくて」(山本さん)。「仕事が無くて思いつめているかもしれないけど、全部自分の責任だと思い過ぎないで、うまく気をぬきながらやってください」(千葉さん)。レストランで働くすし職人だった山本さん。離婚(りこん)や体調の悪化をきっかけに仕事も家も失い、その後、弁当をぬすんで警察(けいさつ)に逮捕(たいほ)されました。家族や友人に、たよれる人はいません。「仕事もない。金もない。住むところもない。おれみたいな人間を支えてくれたのは千葉さんだけ。千葉さんとめぐり合わなかったら、おれは死んでたと思いますね」(山本さん)。

scene 04自己責任という意見もわかるけど…
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「社会や人とのつながりをなくすと、人生をやり直す気持ちを失う人もいます。刑務所(けいむしょ)に一回行っただけで、この人は犯罪者、こわい人ってレッテルをはると、生きづらさをかかえる人が増えるんじゃないかな」(千葉さん)。犯罪を犯した人が社会にもどるのがむずかしいのは当然で仕方のないことだと言う人もいます。自己(じこ)責任、という考えです。「そういう意見もわかる。ただ、そうすると本人が孤立(こりつ)してしまうという葛藤(かっとう)もあって、支援(しえん)しています」(千葉さん)。『犯罪を犯した人は社会全体で支援するべき』と考える人が増えない。それが、わたしのなやみです。

scene 05自分は社会の役に立たなくてはいけない
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千葉さんは大学生のとき、自分が運転する車で事故を起こしました。助手席に乗っていた高校の野球部からの親友が亡(な)くなりました。自分が生きていていいのか、なやみました。そんな千葉さんに、元野球部のメンバーたちが声をかけました。「お前のやったことはおれたちは許せないけど、仲間だし、いつも明るいからお前には生きていてほしいって言われたことはすごく覚えてる。自分が責任を投げ出していいのかとすごく思うようになって」(千葉さん)。自分は社会の役に立たなくてはいけない。そう考えて、犯罪を犯した人を支援(しえん)する今の道を選びました。

scene 06「再犯」をさけるために
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8年間支援(しえん)活動を続けていくなかで仲間もできました。犯罪を犯した女性の社会復帰を支援している竹田淳子(たけだ・じゅんこ)さん。時々おたがいの相談にのっています。わたしたちがいちばんさけたいのは、「再犯」。もう一度犯罪を犯してしまうこと。仕事も家も仲間もないと、犯罪をくりかえす人は多いのです。「社会復帰の支援がちゃんとできていないと、『再犯するしかないよね』ってことになる」(竹田さん)。「劣悪(れつあく)な環境(かんきょう)で本人がつかれて再犯するのを見ているので、そういうふうにはしたくない。みんなが明るく生きていけるようにしたいと思っています」(千葉さん)。

scene 07わかってくれる人を増やしたい
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この日、あるイベントに参加しました。犯罪を犯した人の社会復帰について考える勉強会です。「もしあなたの親族がぬすみをしてつかまったら、あなたはどう思いますか?」(千葉さん)。犯罪を犯した人でも人生をやり直せる社会にしたい、と話しました。「人間、ひとりだと『犯罪を犯してもだれにも迷惑(めいわく)はかからない』と思う人は多い。その人が社会とつながりを持つことで、犯罪を犯さないと思っています」(千葉さん)。参加者のコメントです。『刑務所(けいむしょ)から出た人はこまっていると知りました』。『できることから協力したい』。一方で、『犯罪を犯してもやり直しができるなら、犯罪が増えるのでは?』という意見も。

scene 08やり直しのできる社会をめざす
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山本さんと河川敷(かせんしき)を散歩している千葉さん。「風が気持ちいいんだよな」(山本さん)。「外に出たかったら言ってもらえれば、連れていきますよ」(千葉さん)。犯罪を犯した人を支援(しえん)する必要はない、という意見も理解できます。でも、やっぱりわたしは、だれでもやり直しのできる社会をめざしたい。みなさんはどう思いますか?

SEED なやみのタネ
千葉さんのなやみ 〜犯罪を犯した人たちを支援しているけれど…〜
千葉龍一さんは犯罪を犯した人の社会復帰を支援している。「犯罪を犯した人は社会全体で支援すべきだと思います。でも、そう考える人が増えません…」というなやみを描く。

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