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scene 01「校則」への疑問
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わたしの名前は、さくら。高校2年生です。山のふもとにある、全校生徒70名の山形県立遊佐(ゆざ)高校に通っています。とつぜんですがみなさん、学校のルール「校則」について疑問(ぎもん)に思ったことはありますか。女子のズボン禁止。男子の髪(かみ)の長さ、耳より下禁止。男女によってルールがことなるのはなぜでしょうか。今、時代に合わない校則を生徒が中心となって見直そうという活動が全国的に広まっています。

scene 02校則を見直すことでより良い学校に
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遊佐高校でも一年前から、校則をどう変えていくか、生徒10人のメンバーで話し合っています。「ヘアゴムは校則に色書いてないもんね」。「あいまいだよね」。「わからないこと強要されると不安になる」。装飾(そうしょく)や髪型(かみがた)を自由にする。制服を男女で分けない。そうした校則を見直すと、一人ひとりがより個性を出せる良い学校につながるはず。そう思っていたけど…むずかしい。

scene 03「興味がない」「今のままでいい」という意見
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生徒総会で発表しても、どこか一方的。全校生徒にアンケートをとると、「興味がない」、「今のままでいい」という意見も少なくなかったのです。先生たちからも不安の声が…。「校則を変えると学校があれてしまう」、「まずはルールを守る生徒であってほしい」という先生たちの意見。このまま校則見直しって進めていいのかな…。わたしのなやみのタネは、「みんなにとって良い学校にしたいけどなかなかうまくいかないこと」。

scene 04自分らしさを出せる学校にしたい
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かっこいい人になりたい。ズボンにネクタイ。学校ではできない、これがわたしのお気に入りのすがた。自分のしたいようにできたらもっとのびのびと学校生活が送れる。中学校では、きびしい校則にいやな思いをしてきました。校則はずっと前からあって変わることはない、がまんするしかないと、あきらめていました。でも高校に入って、校則をわたしたちの手で変えられるかもしれない、と知ったのです。だったら、自分らしさを出せる学校にしてみたい。わたしにもできるかな…。

scene 05“らしさ”って何だろう
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実は、この学校で過去に校則を変えた卒業生がいます。放課後、その先輩(せんぱい)をたずねることに。2年前校則を変えた、のあ先輩。たった一人で校則を変えました。「声に出して行動に起こせるのがすごいな」(さくらさん)。のあ先輩は、変えたい校則や学校への要望を紙にまとめていました。なかでもわたしが気になったのが、“らしさ”について。「『遊佐高生らしくないからだめだ』と言われたが、その理由では納得(なっとく)がいかない」(のあさん)。“遊佐高生らしさ”って何だろう…。その学校“らしさ”を考えることが、学校を良くしていくことにつながるのかな。

scene 06自由な校則は就職で不利?
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みんなのために、何ができるんだろう。先生や生徒が心配しているのが進路のこと。卒業生の多くが地元の企業(きぎょう)に進むため、「校則を自由にすると就職(しゅうしょく)に不利になるのでは?」と言う人もいます。地域(ちいき)の人はどう思っているのか。町の商工会に直接話を聞きに行きました。「金髪(きんぱつ)のまま面接に来ると落とされちゃう?」と友人が聞くと、「いろんな主観を持っている人がいる。自由にできるってことは、自由にした分、責任をとらなくちゃいけない」と会長さん。自分たちのしたいことと、まわりへのえいきょう。いろんな人の立場に立って考えることが大切なんだ。『井(い)の中の蛙(かわず)』っていう言葉が最近ひびく。自分が行動してみて、井の中を飛び出してみてわかるなぁって。

scene 07先生たちと生徒みんなで話し合いを
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学校のみんなと話し合いたい。すると、先生たちから一つ提案がありました。「全校生徒がいっしょに活動できる時間があればと思って」(後藤先生)。「先生たちもいっしょに参加してもらえる?」と友人。先生たちと生徒みんなで対話する時間を作ることに。「一方的におしつけるのではなく、生徒の話を聞いて、それを吸収(きゅうしゅう)してわれわれの言葉で返していくことが必要じゃないかと思いますね。先生方も変わるきっかけになればいい」(後藤先生)。

scene 08みんなの思いを聞けた
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そしてむかえた、対話の場。みんなはどんな学校にしていきたいんだろう。「残していきたい大切なものとかある?」(さくらさん)。対話によって、それまでどこか他人事だった生徒たちも思いを話してくれました。「クラスの雰囲気(ふんいき)とかは残したい」。「学校生活にワクワクがあったら最高なんじゃないか」。「制服も着ていいし、私服(しふく)も着ていいみたいな」。「ブラウンとかなら髪(かみ)の毛をそめてもいいんじゃない?」。「自由にしたい人は最低限の校則もやぶりたくなる」。「その先自分がどうなってもそれは自分の責任。それを教えられる学校であればいいけど、それはめちゃくちゃむずかしい」(先生)。

scene 09みんなの学校をみんなで作りたい
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自分にはなかった意見がたくさん出てきました。実際に話してみなきゃわからないことってあるんだな。みんなで同じ方向を向いて、でも、方向は同じだけどそれぞれが楽しいのがいちばん理想かな。「自分の学校のことを、先生も生徒もいっしょになって考える。そんな、みんなの学校を、みんなで作りたい」。いっしょに考えてみませんか?

SEED なやみのタネ
さくらさんのなやみ 〜みんなにとって良い学校にしたいけど…〜
今回の主人公は高校生のさくらさん。校則を変えれば、1人1人がより個性を出せる学校につながるはず!そう思っていたけど難しい…。みんなにとって良い学校って何だろう?
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学校校則ルール対話個性

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