チャプターあらすじを読む
scene 01外国にルーツを持つ子どもたち
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滋賀県近江八幡(おうみはちまん)市立桐原(きりはら)小学校の放課後の教室。続々と集まってきたのは、学年もクラスもちがう子どもたち。みなさんは、外国にルーツを持つ子に出会ったことはありますか? わたしの名前は、佐々木マリアナ春美。週に一度、ここで、外国にルーツを持つ子どもたちが集まる場を開いています。そんなわたしのなやみは、「自分のルーツに関係なく、みんなが仲よくするにはどうすればいい?」ということ。

scene 02やりたいことを気がねなくできる場所
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わたしはふだん、中学校で日本語を教えています。7年前から、小学校の教室を借りてボランティアをしています。やってくる子のほとんどは、お父さんやお母さんが、外国につながりを持っています。みんな、クラスの友だちと遊ぶのは楽しい。でも、ここにやってきたときには、ちょっとおつかれ気味。「教室では、ぴぃん! としちゃう」。「こっちのほうが安心できる」。「居心地いい」。ここでは、宿題をしたり、いっしょに遊んだり、おやつを食べたり。自分の思ったことを気がねなくできます。「マリアナさんは、お母さんみたいな感じ!」。「え? うれしい!」(マリアナさん)。

scene 03わたしのお母さんはブラジル人
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ブラジルで生まれたわたし。お母さんはブラジル人です。家族で日本にやってきたのは小学3年生のとき。まわりの人たちから「外国人」という目で見られている気がして、次第に、自分がブラジルにルーツを持つことをかくすようになりました。「中学校からは本名を名乗らず、自分を受け入れることができなかった。かっとうがあった。必死にお母さんのことはかくしていたし、自信が持てなかった」(マリアナさん)。

scene 04「異質なもの」として見られる?
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小学5年生のサラも、転校してきたとき、とまどいがあったんだって。「わたしブラジル人やん。みんな、『ポルトガル語しゃべって!』とかすぐに言ってきた。そういうのを言われたらしゃべるのがいやになっちゃうから、しゃべらなかった」(サラ)。相手は仲よくなりたくて、声をかけたのかもしれない。でも、『自分とサラはちがう』、そう言われたような気がしたんだね。「『異質(いしつ)なもの』として、そういう目でしか見られていないのではないか。小さいところで引っかかってしまう。ここでは心を楽にして、ちょっとでも心の解放みたいなものができたらなと」(マリアナさん)。

scene 05ここだけにいると孤立してしまう…
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ここでは、みんな安心して自分のことをたくさん話してくれます。小学5年生の愛来(あいら)のお父さんは、インドネシア人です。「あいら、お父さんに言った。日本にいるときはインドネシア人で、インドネシアにいるときは日本人。だって、あいらは2個国があるから、なんにでもなれるんだよ」(あいら)。みんなが心を解放して過ごせる居場所になっているのは、とってもうれしい。でもちょっと気がかりなことがあるんです。「ここだけにいると孤立(こりつ)し、すごく孤独な空間になってしまう。それではよくない」(マリアナさん)。

scene 06いろいろな人と分かり合えるようになってほしい
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ある日、ここを見学したいという高校生が連絡(れんらく)をくれました。「だれが来るの?」(あいら)。「高校生の人が見に来たいって言って」(マリアナさん)。「はぁ?」。「最悪!」。「え、外国人?」。みんな口々に言う。「外国人じゃない」と言うと、「あー、もっといや」。「だってさ、なんか気まずいもん。なんかさ、知らん人やん」。せっかく作った居場所だけど、この場所だけにとどまってほしくはない。もっといろいろな人たちと話をして、分かり合えるようになってほしいんだけど…。

scene 07まずは一歩近づいてみる
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次の週。「こんにちは」。わたしの活動に興味を持ってくれた高校3年生の日葉(ひよ)さんがやってきました。「こんにちは」(あいら)。「こんにちは」(日葉さん)。でも、おたがいに、近づき方がわからないみたい。うーん、どうしたらいいんだろう…。「よし! 風船しよ! 風船やろう!」(マリアナさん)。子どもたちが楽しみにしていた水遊び。レッツ・ゴー! ぎこちなく始まった水かけっこ。あっという間に、大もり上がり。近づくことさえためらっていたのに、“見えないかべ”がなくなっていく。まずはおたがい、一歩近づいてみる。そこから、始まるのかもしれないね。

scene 08いっしょに遊んだから仲よくなれた
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「やばい。明日学校に着ていく服がない」(制服がぬれてしまった日葉さん)。高校生の日葉ちゃん、すっかり打ち解けたみたい。「ひよちゃん、全然こーへん」とあいら。あいらも、もっと遊びたいのかな? 「あ! 来た!」(日葉さんが着がえてもどってきた)。「もう帰んの?」(あいら)。「ううん、5時まではいるよ」(日葉さん)。「よしっ!」。なんで仲よくなれたのかな。「遊んだから。楽しかったから」とあいら。もう一回来るって言ったら? 「いいよ。知ってる人になったから」。

scene 09意見や立場のちがう人同士が居心地よく暮らせる社会に
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「受け入れてくれたんじゃないかな。子どもたちのことを、高校生が。それで子どもたちが安心できた。どうおたがいがいっしょに暮(く)らしていって、居心地のいい空間を作れるか。すごく簡単(かんたん)なように思うんですけど、いちばんむずかしいこと」(マリアナさん)。だれでも、自分とちがう意見や立場の人と歩み寄るのってむずかしい。おたがいに、相手がどんな気持ちでいるのか、分かり合うのはもっとむずかしい。それぞれ、ちがう人同士が居心地よく暮らせる社会になったらいいな。みなさんは、どうすればいいと思いますか?

SEED なやみのタネ
マリアナさんのなやみ~ルーツに関係なくみんなが仲よくするには?~
外国にルーツのある子どもたちの居場所づくりを行っている、佐々木マリアナ春美さん。いろいろな人たちが、お互いの気持ちを理解し合うにはどうしたらいいんだろう?

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