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scene 01車いすを使っているのはどんな人たち?
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子どもやお年寄り、観光地に職場、スポーツ。たくさんの人が車いすを使っています。どんな人たちなのか、みなさんは考えたことがありますか? わたしの名前は、木暮奈央(きぐれ・なお)。車いすを使って生活しています。わたしのなやみは、「車いすの人ひとりひとりに目を向けてもらえないこと」です。

scene 02車いすはわたしの“相棒”
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わたしは、ふだんからよく友だちといっしょに車いすで出かけています。わたしは車いすが好きなので、相棒(あいぼう)って感じです。子どものころのわたしはいろいろなことに興味を持って、外で遊ぶのが大好きでした。中学2年生のとき、病気であることがわかります。顔や手足の筋肉(きんにく)がだんだん弱くなり、5年前から車いすを使っています。いろいろできなくてくやしいなということはあるけど、少しでもあきらめないで、ほかの人と同じように楽しめるようにしていきたい。

scene 03「障害者なのにすごいね」という言葉
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車いすを使うようになっても、新しいことに挑戦(ちょうせん)したいという気持ちは変わりません。冬にはスキー。去年の夏には初めてダイビングもやってみました。車いすを使う人たちの参考になればと、こうした体験の様子を動画で配信しています。でも、こうした活動をしていると、よくかけられる言葉があります。「障害(しょうがい)者なのにすごいね」。これって、ほめ言葉だと思いますか? わたしは少し複雑な気持ちになります。「障害者なのにすごいね」とか「障害者なのに明るいね」だと、『障害者は明るくない、何もできないのが前提と思ってるの?』みたいな。そういう言葉を言われるとちょっとモヤモヤする。

scene 04ほかの障害者はどう感じているんだろう
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ほかの人はどう感じているんだろう。わたしのなやみを友人二人に打ち明けてみました。視覚(しかく)に障害(しょうがい)のある久保田(くぼた)さんと大平(おおひら)さんです。「『障害があるのに〇〇ですごいね』っていう言葉はなんかちょっとひっかかる。そういうことって、お二人はありますか?」。「わたしは結構くやしい」。そう話すのは、30歳(さい)で目の病気になり、今はせまい範囲(はんい)しか見えないという久保田さん。「子どもがいるので、たとえば『お料理はだれがしているの?』と聞かれ、『わたしが作っています』って言うと、『あら、えらいのね』って言われて『はぁ?』みたいな感じ」。

scene 05「こまっている」と決めつけられる
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事故で目が見えなくなった大平さんも、モヤモヤすることがあるそうです。「『こまってますか?』を聞かずに、『こまってるでしょ?』、『できないでしょ?』って言ってくる。何かを決めつけていることがさみしいな。障害(しょうがい)とか関係なく」(大平さん)。「かんちがいがあるんじゃないのかな。そこを変えなきゃいけないなという気持ちになりました」(木暮さん)。

scene 06障害のない人に伝えていこう
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障害(しょうがい)者といっても、ひとりひとりちがう。そのことをわかってほしい。わたしはチラシを作って、障害のない人にも伝えることにしました。たとえば、「車いすを使う人」とひとことで言っても、立つことができない人、少しなら歩ける人、心臓(しんぞう)などの病気で長く歩けない人など、車いすを使う理由や体の状態は人によってさまざまです。発信を当事者がしていくことで、こういう人がいるんだと知ってもらうことがいいんじゃないかな。

scene 07学生たちに話を聞いてもらった
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「こんにちは。よろしくお願いします」。地元の大学で学生たちに話を聞いてもらう機会ができました。仲間と二人、ふだん思っていることをたずねてみます。「急に問いかけになるんですけど、車いすの人が立ち上がって歩き始めたところを見たら、みなさんはどう思いますか?」。すると、「道ばたでいきなり立ち上がったら、『えっ!?』って二度見しちゃうと思います」(学生)。「車いすに乗っていても、それぞれ乗っている理由が結構ちがうんです」(木暮さん)。

scene 08どんなときにどんな声かけをしてほしいか
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脳性(のうせい)まひで6年前から車いすを使う渋澤(しぶさわ)さんが、ふだんの様子を見せてくれました。「ぼくの場合、つえで立てたりするので、コンビニとかだったらつえで行くこともあります」と車いすから立ち上がる渋澤さん。すると、学生からも質問が。「どんなときにどんな声かけをしてほしいか、すごくまよう」。「あ~、わかる!」とほかの学生も口々に言います。「手を貸したほうがいいのかなってまよいがすごくある」。すると渋澤さんは、「個人差があると思うんですよ。同じ車いすでも全然障害(しょうがい)はちがう。状態もちがうし、性格もある」と答えました。

scene 09「自分のことも話して、相手のことも聞いて」
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「その人に聞いてみて、『どうされましたか?』とか話しかけて、相談を始める、みたいな感じかな」(木暮さん)。「そうですね」(渋澤さん)。みんな、熱心に聞いてくれる。会って話してみないとわからないことって、あるよね。「車いすの人とそうじゃない人がいたとして、自分のことも話して、相手のことも聞いて、ちょっとずつ友だちになっていくみたいな感じで時間をかけてやっていくといいのかな」(学生)。

scene 10少しでも相手を尊重できる社会に
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伝えることって、結構こわかった。でも実際はすごくうちとけて話せたので、自分としては「仲間」みたいな、あたたかく見てくれる人を増やせてうれしい気持ちになりました。周りに車いすを使う人がいないと、自分とは関係ないという人もいると思う。その人たちにどう伝えるかがこれからの課題かな。障害(しょうがい)があるないにかかわらず、ひとりひとりに目を向けて、少しでも相手を尊重(そんちょう)できる社会になったらいいな。みなさんは、どうしたらいいと思いますか?

SEED なやみのタネ
木暮さんのなやみ~障害者ひとりひとりに目を向けてほしい~
車いすで出かける様子を動画で配信している木暮奈央さん。活動のなかでよくかけられる言葉があって…。障害のあるなしに関わらず、相手を尊重するってどういうことだろう?

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